10年目に入っても元気いっぱい ガールズケイリン中村由香里の挑戦は止まらない

2021.09.30

「挑戦」「日々成長」この言葉を胸に、日本競輪学校に入学。

 

練習、訓練に打ち込み、在校1位で卒業。

卒業記念レースは決勝2着に敗れてしまい、2冠達成はならなかったが、7月のデビューに向けて師匠の元に戻り練習を積み重ねた。

 

 

中村は練習バンクの京王閣競輪場を遊園地と表現する。

 

開門時間に競輪場へ行き、やりたい練習メニューを目いっぱいやる。

練習メニューひとつひとつが中村にとってはアトラクションなのだ。

苦しい練習も楽しみながらやることで少しずつ成長していった。

 

 

7月のデビュー戦は地元京王閣。

3連勝の完全優勝達成。

 

しかし年末の第1回ガールズグランプリは見せ場を作ることなく敗れてしまった。

 

「デビューから順調に勝つことはできたけど、グランプリは本当に悔しかった。

京王閣は練習バンクなのに、何もできず負けてしまった」

 

練習中に声を掛けてくれるファンの存在を知っているだけに何もできず敗れたことは、本当に悔しかったのだろう。

 

 

その悔しさを2年目のシーズンにぶつけた。

2月に高松で行われた1回目のガールズケイリンコレクションを優勝。

12月に立川で行われたガールズグランプリも意地の走りで制した。

 

 

しかし毎年デビューする新人選手に対応していくことが大変だったと懐古する。

 

「毎年新人選手が出てくるし、対応することに必死だった。

最初のころは勝つことが簡単だったのに、なかなか勝つことができなくなった。

でも師匠からは言われていたんです。『30過ぎてデビューするわけだし、最初の3年が勝負』と。

どんどん若くて才能のある選手がデビューしてくるのは分かっていた。

だから最初から自分は勝ちにこだわったレースをしていた。

2年目にグランプリを勝てて本当によかったです」

 

同期の関口美穂、渡辺ゆかりと
※撮影時のみマスクを外しています

 

 

大きなケガこそなかったが、落車でリズムを崩すことが多くなり、成績が下降した。

 

ガールズケイリンのスピードアップもあり、戦法チェンジも迫られた。

戦法を変えたことでアクシデントも増えてしまった。

 

昨年12月の地元京王閣での落車もこたえた。

それまで約2年落車がなく、ようやく状態が上向いてきたところでの地元戦での落車。

股関節を痛め、体も気持ちも苦しくなった。

 

 

年が明けた1月西武園から復帰するも思うように動けないレースが続いた。

 

そんな中でもなんとか着順も安定してきた6月名古屋で乗り上げ落車をしてしまった。

しかし師匠からの言葉で気合が入った。

 

「21年7月の10年目に向けてやっていこうという時期だったのでキツかった。

でも師匠から『休むな!』とアドバイスをもらった。

体はキツかったけど、練習と体のケアに専念した。

同じタイミングで8月の京王閣のあっせんも入ったので、地元戦に向けて頑張ろうと思えたのも大きかった」

 

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