『Winners 〜栄光の軌跡〜』は今年度より動画からテキスト版にリニューアルいたしました。
11月24日 富山競輪での初優勝おめでとうございます!率直な感想をお聞かせください。
初優勝、正直できると思っていなかったので、ビックリしています。今回は、杉浦菜留選手(118期・愛知)との同着優勝ということで、周りからも「お前らしいな」と言われました。もちろん、単独優勝したかった気持ちもありますが、自分自身、同着での勝利が初めてでしたし、(同着優勝は)よくあることではないので、ある意味持っているのかなとプラスに捉えています。あと、同期と優勝を共有できるという面ではいいことなのかなと思っています。
決勝レースを振り返っていかがでしたか?
決勝レースでは、杉浦菜留選手よりは先に動こうと考えていました。その方が自分の持ち味を発揮できると思ったので、周りの状況を見つつ全体のペースが上がる前に先に前にいっておこうと。両サイドから並走されたのは予想外でしたが、たまたまその後の場所取りも上手くいって、「無欲でいこう」という気持ちがいいように働いてくれたと思います。富山競輪場を走るのは初めてでしたが、比較的落ち着いて走ることができました。
決勝レースでは118期の選手が3人いました。同期との対戦は意識していましたか?
はい。もちろん同期選手のことも意識していましたが、私は新人選手や後輩選手に負けたくないという気持ちが強かったです。ガールズケイリンのレベルもどんどん上がってきて、後輩選手よりは先着したい、自力で勝ちたいという思いがありました。
(同着優勝時の杉浦選手との2ショット)
予選を振り返っていかがでしたか? (予選3着・1着)
確定板に乗りたい、決勝に行きたいという気持ちが強かったので、正直決勝よりも2日目の方が緊張していました。初日の走りは自分の中で納得がいっていなかったのですが、2日目は、山本さくら選手(120期・愛知)の動きを意識しつつ、初日の反省を活かしたレースができたと思います。
最近、調子がいいのは自分に合った練習法など見つけられたのでしょうか?
特別大きな変化はないのですが、ウエイトを取り入れたり、ダッシュやトルクが弱い分、そこを強化できるように意識して練習をしたりしています。私は短い距離でスピードを出し切るのが苦手なので、自転車のギアを変えたり、部品も違うものを試したり…試行錯誤しながら練習を重ねているのが、結果に繋がってきているのかもしれません。あとは、自力で動いて着が取れることが、気持ちの面で自信に繋がってきています。メンタル面はだいぶ大きいと思います。
ご自身へ、初優勝のご褒美をする予定は?
何人かからご飯のお誘いを頂きました。まだそれぞれレースが重なっているので行けていないですが、スケジュールを合わせて行きたいです!
デビューから優勝までの道のりを振り返っていかがでしたか?
ガールズケイリンのレベルがどんどん上がっていて、正直優勝できると思っていなかったので、今回の優勝は本当に嬉しいです。「私にはチャンスがあるかな?」と、優勝を遠い存在だと思う反面、デビューから3年以内に優勝できたらなとも思っていたので叶ってよかったです。優勝までが長い・短いというよりとにかくビックリしています。辛い時期もたくさんありましたが、そういった時期も見てくれている方にも「良かったね」「おめでとう」と嬉しい言葉をいただきました。
ガールズケイリン選手を目指す前は海上保安学校に入学し、訓練を受けていたといいますが、当時のお話とそこからガールズケイリン選手を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
父親が海上保安官で、憧れていたこともあり職場体験も行きました。中でもヘリコプターのパイロットは狭き門ですが、なんとか試験に合格しました。チャンスを頂き訓練は頑張って続けたものの、パイロットのお仕事は想像以上に難しい職業で、その道は諦めることに。今後について父親に相談したところ、「自分の人生は一回しかないから、自分のしたいことをしていいよ」と、温かい言葉をもらいました。
その後、スポーツジムへ就職。知り合いからベンチプレスの大会に誘われて、トレーニングをするようになりました。大会を重ねるごとに重量を上げることができ、自分の成長をダイレクトに感じながらトレーニングができたと思います。その練習中にケイリンの関係者の方にお声がけいただき、ガールズケイリン選手を目指すことになったんです。最初は久留米競輪場へ行きましたが、そこで児玉碧衣選手(108期・福岡)や大久保花梨選手(112期・福岡)など、若くして活躍している選手を見て、自分もやってみたいなと思いました。