JKAペダリングパワーチャレンジin近畿大学

2019.09.26

※この記事は2019年9月19日付けのスポーツ報知(大阪本社版)に掲載された記事です。

 

 

「JKAペダリングパワーチャレンジin近畿大学」が13日、東大阪市の近畿大学東大阪キャンパスで行われた。
ワットバイクを使用し、自転車競技の適性数値などから算出したPPCスコアで順位を争うイベントに、同大学の体育会員、一般学生259人が参加。

 

女子は昨年優勝の渡邊千尋さん(21)がPPCスコア45.1ポイントをマークし連覇を達成。
男子は柔道部の渋川凌吾さん(20)がPPCスコア61.1ポイントをたたき出し優勝した。

 

ペダリングチャレンジ近畿大

「JKAペダリングパワーチャレンジin近畿大学」には259人が参加。大いに盛り上がった。

 

 

◆ ペダリングパワーチャレンジとは

未来のトラック自転車競技のスターを発掘するためにJKAが開始したプロジェクト。
参加者に自転車競技で活躍できる可能性を示すことで、現在取り組んでいる競技人生とは違った舞台への進出の参考としてもらうのが狙い。

ワットバイク(固定自転車)の上で、6秒間全力でペダルを踏み込み、記録したピークパワー(最高出力値)および体重当たりの最高出力値でチャレンジした人の自転車競技適性がわかる。
オリンピックレベル男子(短期登録外国人)のピークパワーは2374ワット、同女子は1488ワット、日本競輪選手養成所の男子の最高値は2136ワット、女子は1282ワットとなっている。

なお、今回の順位決定に使用したPPCスコアは、それらのデータを元にJKAが独自に算出した数値。

 

 

世界へ踏み出せ!! 発掘!!未来の自転車競技選手

今年は”一般枠”で頂点 女子渡邊さん連覇

今年も渡邊さんが、女王の座に輝いた。
ピークパワーは全体5位ながら、PPCスコアは女性で唯一の40ポイント台をマークし「出るかどうか迷ったけど、せっかくなので出た。まさか連覇できるとは…」と遠慮がちに喜んだ。

昨年はトライアスロン部所属で出場し優勝。
だが、今年は「実はもう、やりきった感があったので昨年夏に辞めたんです」と“一般枠”で登場し頂点に立った。

退部後は趣味程度で自転車に乗ったり、泳ぐ日々。
それでも高校時代に陸上で鍛えた“貯金”がものをいった。

チャレンジ後はスタッフから「ガールズケイリンで十分、通用するよ」という声が続出するなど、潜在能力は相当だ。
2年連続で優勝賞品Amazonギフト券5万円分をゲット。
「去年はカメラを買ったので、今年は家族にご飯をごちそうします」と渡邊さん。
最後まで女の子らしく、おしとやかだった。

 

ペダリングチャレンジ近畿大

女子の部で連覇を果たした渡邊さん

 

 

男子・渋川さん雪辱

驚異的なスコアで渋川さんが頂点に立った。
ピークパワーでも全体1位の1740ワット、PPCスコアでは他を10ポイント以上突き放す数値をマーク。

「5万円取って、生活を変えようと必死だったんです!」と冗談交じりに優勝を喜んだ。

昨年も出場し3位入賞。
それもイベントが終了する10分前までは1位だった。
「抜かれてメッチャ悔しかった。この1年は優勝するために頑張ってきた」。
2週間前に本イベント開催を知ると「体重が軽い方が有利」と7キロの減量に取り組んだ。

もちろん本職の柔道にもストイックに向き合う。
普段から“ウェートトレーニングの鬼”でスクワットは180キロ、ベンチプレスは115キロを悠々あげる怪力の持ち主で、後輩部員からは「あの人は化け物です」の声が上がるほどだ。

チャレンジ後は「この世界(競輪)を極めます! パンフレットください」と笑った渋川さん。
新たなチャレンジに挑む日は、そう遠くない!?

 

ペダリングチャレンジ近畿大

圧倒的なスコアで男子の部を制した渋川さん(左)

 

 

外国人トップ
留学生も多数在籍する近畿大学だけあって、挑戦者も国際色豊かなイベントとなった。

男子の外国人でトップだったのはドイツ人のクリスティアン・ダークさん(21)。
ピークパワーで1419ワットを記録し「普段から水泳とテニスはしている。ワッツクールなイベントです」と笑った。

来日2週間だが、「カレーとラーメンが好き。日本人の方はみんな素晴らしい」とすっかり日本が気に入っている様子だった。

ペダリングチャレンジ近畿大

 

 

リケジョ2位

女子2位に輝いたのは小形歩未さん(23)だ。
中・高校生時代は吹奏楽部に所属。

現在もクラブ活動はせず、研究室でタンパク質の実験を行う“リケジョ”が、ピークパワーで813ワットをたたき出した。
これには関係者も驚きの声を上げたが、本人は「誘われて出ただけ。生まれたときから筋肉質でそれが悩みだったのですが、今回はそれがよかったのかな」と冷静に分析していた。

 

ペダリングチャレンジ近畿大

 

 

「金欠で挑戦」

女子4位にはラクロス部の本田桃子さん(21)が入った。
ピークパワーで794ワットを記録する走りを「ウェートトレーニングで鍛えているんですが、思ったより重たかった」と笑顔で振り返った。

右足首のケガで2週間前に復帰したばかり。
クラブは見学中だが、「金欠なので挑戦しました。賞金で筋トレの道具を買いたいのですが…」と振り返っていた。

 

ペダリングチャレンジ近畿大

 

 

コンビで入賞

コンビで参加した西村莉香さん(23)と木下智絵さん(26)がともに入賞した。

5位の西村さんは「昨年は9位だったので、そのリベンジができた。今年は賞金がもらえてうれしい」とにっこり。

8位の木下さんは1回目はマスク姿で挑戦。
「全力でやりました。意外としんどかった」と素顔でチャレンジした2回目にスコアを大きく伸ばした。

 

ペダリングチャレンジ近畿大

西村莉香さん(右)と木下智絵さん

 

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