JKAペダリングパワーチャレンジin大阪体育大学

2019.11.07

※この記事は2019年11月5日付けのスポーツ報知(大阪本社版)に掲載された記事です。

 

 

輪んさか登場!!未来モンスター!!

「JKAペダリングパワーチャレンジin大阪体育大学」が10月26、27日の2日間、大阪・泉南郡の大阪体育大学キャンパス内で行われた。
ワットバイクを使用し、自転車競技の適性数値などから算出した数値(PPCスコア)で順位を競うイベントに、同大学の体育会系部員ら219人が参加。
スポーツ万能の学生が集まる大学でのチャレンジだけあって、将来、競輪やトラック競技で活躍する可能性が高い“未来モンスター”が続出した。

 

体育大学でのペダリングだけあって好スコアが続出した 

 

 

◆ ペダリングパワーチャレンジとは

未来のトラック自転車競技のスターを発掘するためにJKAが開始したプロジェクト。
自転車競技で活躍できる可能性を示すことで、現在、取り組んでいる競技人生とは違った道への進出の参考としてもらうのが狙い。

ワットバイク(固定自転車)の上で、6秒間全力でペダルを踏み込み、記録したピークパワー(最高出力値)および体重当たりの最高出力値で、自転車競技適性がわかる。
なお、今回の順位決定に使用したPPCスコアは、それらのデータを元にJKAが独自に算出した数値。

 

◆ ピークパワーと賞金

競輪選手はピークパワーが高い人ほど賞金が高いというデータもあり、新人選手1年間の平均獲得賞金額は男子の場合、1600ワットで約1300万円、1480ワットだと約800万円、女子は1000ワットで約1000万円、900ワットで約700万円と言われている。

また、オリンピックレベル男子(短期登録外国人)のピークパワーは2374ワット、同女子は1488ワット。
競輪選手養成所の男子最高値は2136ワット、女子は1282ワット。

 

 

2000ワット迫る やり投げパワー!!陸上部・坂本さん断トツV

さっそうと登場し、偉大な記録をマークした。
イベント開始直後に坂本達哉さんは陸上部仲間と参加。
やり投げで鍛えた肉体を武器にペダルをこぐとピークパワー1995ワット、PPCスコア66.6ポイントが計測された。

いきなりの好スコアに「もう優勝だ!」と関係者は驚嘆の声。
同時に参加した亀井綾介さん(22)とワンツーフィニッシュが決まった瞬間だった。
ビックスコアにも「まだいけると思った」と涼しい顔で振り返った。

小・中学校時代は軟式野球部だったが、臨時で出場した陸上大会(走り高跳び)で好成績を記録。
全日本中学選手権大会まで進んだ。
その後はやり投げに転向しさらに飛躍。
今夏のユニバーシアード競技大会(ナポリ)で日本代表入りしている。

抜群の身体能力は陸上だけでなく、競輪界でも通用するはず。
それでも23歳の若武者は「まずは東京に出られるよう頑張る」と来年を見据えた。

 

豪快なペダリングで男子優勝を決めた坂本達哉さん

 

 

女子の部4位 “女子侍”大野さんに関係者「トップ選手になれる」

自慢の運動神経でペダルを自在に操った。
硬式野球部所属の大野七海さん(20)が4位にランクイン。
スラッとした体からは想像できないピークパワー983ワット、PPCスコア53.8をマークした。
「部活でこいだことがあるのがよかったのかな」。
謙虚に振り返ったが、体重値では堂々の1位に輝く好スコアだ。

ペダリングを見た競輪選手養成所の関係者も「トップ選手になれる」と絶賛。
その高いパフォーマンスも、経歴を聞けば納得だ。
小学校3年生から始めた野球では、昨年開催された「第8回WBSC女子野球ワールドカップ」で侍ジャパン入り。
野球で培った運動能力を、今回はサドルの上で存分に発揮した。

900ワットをマークする競輪選手の平均賞金獲得額が700万円と聞き、一瞬、心が動いたが「まずはトレーニングをして、野球で結果を残します」とマウンド上と同じく冷静だった。

 

抜群の運動能力で4位に食い込んだ大野七海さん 

 

 

女子の部優勝 児玉より上!?山本さん連覇

女子の部を山本遙さん(22)が今年も制覇。
ピークパワーで他を圧倒する1430ワット、PPCスコアでも女子で唯一60ポイント超え。
これには見守った古賀選手から「ちょっとすごすぎる! 女子トップ選手の児玉より強いのでは」と絶賛の声が飛び出した。
昨年より数値も上昇したのはスクワットで下半身を鍛えた成果。
それでも本人は「(競輪の)長い距離は無理と思う」と謙虚だった。

 

 

 

女子の部2位 陸上部田村さん今年も届かず

陸上部の田村満孔さん(22)は2年連続の2位に終わった。
優勝した山本さんより先に挑戦しピークパワー1198ワット、PPCスコア58.0ポイントの好記録。
だが、「数値は昨年より悪いし、先輩がいる。このまま1位だったらいいが…」と不安が的中してしまった。
本業の砲丸投げでは茨城国体で14メートル96センチの自己ベストを出すなど、潜在能力は計り知れない。

 

 

 

女子の部11位 水泳部雑賀さんガールズ興味

11位の水泳部・雑賀睦希さん(21)がガールズケイリンデビューを誓った!?
昨年を上回るピークパワー871ワット、PPCスコア47.0ポイントをマーク。
関係者から「これだけの数値が出ているから鍛えたら面白い」と助言されると「1日で賞金1000万円? マジでやろうかな。両親と相談します」と発言。
競輪PRビデオを熱心に視聴するなど前向きだった。

 

 

 

女子の部22位 絶叫800ワット超え白崎さん笑顔

バレーボール部の白崎莉香子さん(18)は大声を出しながらペダルをこいだ。
細身の体ながらピークパワー802ワット、PPCスコア41.2ポイントを記録し「きついし、ヤバいと思ったが、部活のトレーニングでバイクはこいだことがあるのがよかったのかな」と笑った。
競輪女子選手の賞金獲得額が2000万円と聞いて一瞬、心が動いたようだったが「教員になります」と宣言していた。

 

 

 

女子の部29位 縄跳びパワー中西さん奮闘

ダブルダッチ部の中西あゆみさん(18)が仲間とチャレンジ。
ピークパワー796ワット、PPCスコア37.3ポイントとまずまずの成績に「めっちゃしんどかったし、ペダルが重たかった」と振り返った。
中・高校時代はソフトテニス部に所属していたが「初心者でも楽しそう」と大学から2本の縄を使って跳ぶ縄跳びに挑戦。
今ではその魅力にすっかりはまっている。

 

 

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