飲んべえモデル村田倫子とギャンブル酒場 vol.9「取手競輪場」
2019.04.30

「お嬢ちゃん! 何食べたいの!?」
と声をかけてくれたおしゃれな女性。

「今日はね、緑がラッキーカラーだからこのTシャツを着てるのよ〜、どうかしら?」
と眩しい笑顔はまるで太陽のよう。

なんともチャーミングな方だ。
他のスタッフさんや、常連さんからバアバという愛称で慕われている「七富来や」のオーナー。
「バアバはね、代々むかーしっから寿司屋さんなのよ。ここができる前から嫁いで働いているの。だからうちではぜひ鮪を食べていってね!柏の市場から毎朝仕入れている自慢の海鮮なのよ」
46年も前から家の味を守り、今なお、ここを訪れる人に新鮮な海鮮を振る舞うバアバ。
人気の「鮪手巻き」のほかにも、麺類、定食、丼物などラインアップは幅広い。


日替わりの「七富来やスペシャルメニュー」は、ワンコインで定食を楽しめる。

しかもお昼のピーク時を過ぎた後は、タイムセールをしているらしく
定価から100〜200円ほど値引きされるメニューもあるという。
もとから良心的な値段設定なのに、もっとプライスダウンしてくれるなんて……。
お客さん想いのシステムに思わずピース。

おすすめの取手競輪場名物「鮪手巻 300円」と、
バアバの海鮮推しを信頼して、どーんと贅沢に「限定 とろにぎり 1000円」をいただきましょう。

んんん、堂々の迫力でやってきた! 味噌汁もセットでついてきます。
すでにこぼれ落ちそうなルビー色の身は、眺めるだけでもうっとり。

あぁ、我慢できない! さっそくいただきます!


ん!

うまい……。
バアバの言う通り。
むしろ期待値をゆうに超えて美味。
湿り気を帯びた赤みは、ぴちぴちと私に飛びこんで、磯の香りでいっぱいにする。
鮮度を感じる弾力と、鮪の旨味、ほのかに残る甘みは酢飯と海苔と相性が抜群。
手巻によって飛躍的にハードルがあがった「とろにぎり 1000円」さん。

さあ、お口にいらっしゃい。
あぁ……
ぎゅぎゅぎゅと濃縮された優雅なひと時……。
触れた瞬間、かけぬけるコクと甘美な旨味。
ただただ幸せでした。
溶けるって表現は本当にあるんだなあ。贅沢だけどその対価は充分すぎる食体験。
都内の洒落たお店で頼んだら、もっと手の届かない高嶺の華なんだろうな、とろ様。
「どうだったかしら?」とにこやかにやってきたバアバ。
その手には新年号「令和」のお手製ポスター。

最後まで笑顔が絶えないお店でした。
バアバは人間パワースポットです。
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