【注目の新人選手】コロナ禍がキッカケで自転車に再挑戦 栗山和樹選手(岐阜県・125期)

2024.07.03

男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。

 

今回は2024年にデビューした注目の新人選手を紹介します。

岐阜県・125期の栗山和樹選手は、岐阜県瑞穂市出身の27歳。多くの競輪選手を輩出している岐阜県立岐南工業高校、朝日大学自転車競技部の出身。高校でも大学でも活躍しました。

自転車競技への“やりきった感”から、大学卒業後は岐阜県内の企業に営業職として就職。しかし、コロナ禍での気持ちの変化から競輪への挑戦を決意しました。

日本競輪選手養成所では卒業記念レースで準優勝。デビュー戦の『競輪ルーキーシリーズ2024』富山開催では完全優勝しました。

今の目標は師匠の松岡篤哉選手が成し遂げた『ヤンググランプリ』制覇です。そんな栗山選手に、これまでの歩みや競輪にかける思いを聞きました。

 

 

 

近所の自転車競技強豪校

岐阜県瑞穂市出身で中学までは野球部でした。野球はそんなにうまくなかったので、高校に入るタイミングで何か新しいことを始めたいなと考えていたんです。

実家の近所には朝日大学があって、自転車競技部の選手たちが練習している姿を小さい頃からよく見かけていたこともあり「自転車、面白そうだな」と興味があったので、高校から自転車競技を始めました。

進学した岐南工業高校は、2005年の『KEIRINグランプリ』で優勝した加藤慎平さん、東京・パリと2大会連続でオリンピックに出場する自転車競技中距離種目の橋本英也さんはじめ、競輪選手をたくさん輩出している高校です。

良いコーチと巡り合えたこともあって、自転車競技が楽しくて、どんどんのめり込んでいきました。そのおかげで、高校3年生の時には1kmタイムトライアルでインターハイ2位、国体で3位になることができました。

 

栗山選手と志田龍星選手(写真右)

 

「大学で自転車競技を続けるのもいいかな」と思い始めていたところ、自転車競技を始めるキッカケとなった朝日大学から声をかけてもらえたので、進学を決めました。

同級生に志田龍星くんや上杉嘉槻くん、先輩には小原佑太さん、松本貴治さんがいて、志田くんとはインカレなどの大会でチームスプリントやタンデムスプリントを一緒に走っていました。

志田くんや上杉くんは大学卒業後、競輪選手の道に進みましたが、僕は自転車競技を“やりきった感”が強かったので、普通に働きたいと思っていたんです。それで、岐阜県にあるダンボールメーカーに営業職として就職しました。

でも就職した2020年はコロナ禍で、営業職にもかかわらずお客様とも会える状況になくて、毎日もんもんとしていましたね。

 

 

やっぱり、やりたかったんだね

競輪選手になった友人や先輩たちのレースは、ネット中継でよく見ていました。はじめは「陰ながら応援しよう」という気持ちで見ていましたが、みんなが活躍する姿が“キラキラ”していて…。「もう一度、自転車に乗りたい」という気持ちが芽生えました。

両親に「競輪選手になりたい」と話すと、「やっぱり、やりたかったんだね。大変だけど頑張って」と背中を押してくれました。会社にもその気持ちを伝えると、応援してくれて本当にありがたかったです。

両親と養成所の受験は1回だけという約束をして、会社は2021年いっぱいの2年弱で退社しました。

 

松岡篤哉さんに弟子入りして、一緒に練習をさせてもらえるようになったこともあり、養成所は1回で合格できました。

同期は自転車競技で良い成績を残してきた選手が多かったので「負けたくない」という気持ちで練習をして、卒業記念レースの準優勝という結果はホッとしましたし純粋にうれしかったです。

デビュー戦はありがたいことに、連日1番人気だったので「絶対に負けられない」というプレッシャーで緊張しっぱなしでした。でも、初めて賞金を受け取った時に“現金で大金を受け取って”びっくりしましたね(笑)。「こんなにもらえるんだ!」と感激しました。

 

 

(ホームバンクの)大垣競輪場には、山口拳矢さんはじめ、強い若手選手がたくさんいるので、素晴らしい環境で練習できていると思います。

(同級生の)志田くんからは「これから、一緒に走ることもあるだろうからよろしく」と声をかけられました。僕よりも全然高いレベルで戦っているので、まずは追いつけるように。そして早くS級に上がって、志田くんや山口拳矢さんたちと走れるようになりたいです。

 

40歳を過ぎても“先行”を主体に戦っている師匠のように、僕も“先行”を武器に戦っていきたいです。

そして、師匠が優勝した『ヤンググランプリ』(2012年)で僕も優勝すること、そしていつか、GⅠで優勝できるように頑張っていきます。応援よろしくお願いします!

 

 

栗山和樹 Kazuki Kuriyama

 

1997年6月18日生まれ、岐阜県瑞穂市出身
身長181.0cm、体重83.0kg
登録地は岐阜県、ホームバンクは大垣競輪場

 

2015年
高校3年:インターハイの1kmタイムトライアルで2位
高校3年:国体の1kmタイムトライアルで3位

2016年
朝日大学に入学

2017年
大学2年:インカレのチームスプリントで2位

2019年
大学4年:インカレのタンデムスプリントで3位

2020年
岐阜県内の会社に就職

2021年
会社を退職

2022年
自転車の練習に専念

2023年
日本競輪選手養成所に入所

2024年
125期として競輪選手デビュー

 

 

 

趣味は、会社員時代に始めたゴルフ。

オフはお父さんと一緒にゴルフに行っています。岐阜県はゴルフ場が多いので、いろいろなコースを回れて楽しいです。スコアは全然良くないですが(笑)、楽しんでやっています。ゴルフ場は気持ち良いので、リフレッシュにもなりますね。

今年挑戦したいことは、スカイダイビングです。

あと、たくさん稼いで車を買いたいです。大垣は“いい車”に乗っている若手選手が多いので憧れます。狙っているのは、Jeep・ラングラーです!

 

■詳しいプロフィールと出走情報はこちら

 

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