ファンに支えられ、背中を押されていることを実感 荒川ひかり選手(茨城・110期)

2024.10.09

男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。

 

今回は茨城県・110期、現在29歳の荒川ひかり選手にインタビュー。

浪人中にガールズケイリンを知り、自転車競技未経験ながら競輪学校(現・日本競輪選手養成所)の技能試験に一発合格。2016年のデビューから9年目を迎え、現在はファン投票でも毎回上位にランクインする人気選手となりました。

今年前半に選手生活の中で最も苦しい時期を経験したといいます。インタビューでは、自身を支え、背中を押してくれるファンへの感謝の思いがあふれていました。

 

 

 

これ、いいな!

小さいころから走るのが得意でした。中学は陸上部が無かったので剣道部に入りましたが、高校では陸上部に入部して短距離種目とやり投げをやっていました。

通っていた(茨城県立)竹園高校は進学校で、ほとんどの生徒が大学に進学します。私は体育教師になることを目指していたので、体育系の大学を受験したのですが落ちてしまって。浪人して勉強しながら、高校の陸上部の練習に参加して体を動かしていました。

 

ある時、陸上部の顧問の先生から「競輪選手みたいな体つきだ」と言われたんです。私は知らないことがあればすぐ“検索”するタイプなので、先生の言葉が気になって競輪選手について調べてみました。そこで初めて女子の競輪があることを知りました。

「これ、いいな!」って、ピンときたんです。もともとは体を動かす仕事をしたかったから体育教師を目指していましたし、プロスポーツ選手への憧れもありました。ガールズケイリン選手は自転車競技の経験が無くても挑戦できる職業。すごく魅力的に思えましたね。

 

ガールズケイリン選手になる方法も“検索”して、福島や兵庫にある『競輪選手を養成する道場』に行ってみました。その道場で「自宅近くの競輪場に連絡して、師匠についてもらって、練習を始めるのが一番メジャーなルート」だと教えてもらい、やっと取手競輪場にたどり着きました。

“初めての取手競輪場”に、どんな格好をして行ったらいいのかもわからなかったので、失礼のないようキレイめなワンピースで訪ねたら、ビックリされたことを覚えています(笑)。

 

 

浪人して合格した大学もありましたが、逃げ道を作らないためにも辞退して、4月から本格的に取手競輪場で練習を始めました。

女子で唯一、アマチュアに藤谷はるな(110期・2021年引退)がいて、一緒に練習できたことが心強かったです。はるなとは同じタイミングで競輪学校に合格することができました。

 

藤谷はるなさんと

 

 

何かを変える勇気

今年の前半はデビューしてから一番苦しい時期になりました。2月に胃腸炎とコロナになってしまい、体重が1週間で3キロほど減って、成績がガクンと落ちてしまったんです。自転車が進まなくなって、自転車の乗り方すらよくわからなくなってきて、イップスのような状態になっていました。
※突如自分の思い通りのプレーや動きができなくなる症状のこと

そんな低迷していた時期に『女子オールスター競輪(GⅠ)』のファン投票があり、「今年は(上位に選ばれることは)無理かな」と思っていたのですが、9位(6,156票)に選んでいただけて。「調子を落としている場合じゃない。何かアクションを起こそう」と、投票してくださった方々に背中を押される気持ちでした。

 

これまで「何かを変えてみよう」という気持ちにはなれなかったんです。変えることで、逆によくない方向にいってしまうことも怖かったですし。でも今回、いろいろなことを見直すキッカケとなりました。

減ってしまった体重をただ戻すだけでなく、筋肉量を増やしながら戻せるようにウエイトトレーニングにしっかり取り組むようになり、自転車のセッティングも吉田有希くんに相談して変えてみました。

そのおかげで、すごく良い感覚で走ることができたんです。だんだん調子が戻ってきて、今はさらに浮上していけるよう練習しています。

 

 

何かを変える勇気が出たこと、調子を取り戻せたこと、『女子オールスター競輪(GⅠ)』に出場できたこと、すべてがファンの方々のおかげだと思っています。改めて私はファンの力に支えられている選手だということを実感しました。

いつも温かい応援をいただき本当に感謝していますし、レースやイベントに出演した時に声をかけてもらえるのもすごくうれしいです。決勝で車券に貢献することが今の一番の目標です。

 

デビューしたころは「30歳くらいまで続けたいな」と思っていたんですが、気づけばそろそろ30歳になってしまいますね(笑)。今は成績を戻すのに必死で、「いつまで選手を続けるか」なんて考えているどころではありませんが、燃え尽きるまでやり切りたいと思います。

みなさんぜひ、推せるうちに推してください!(笑)。

 

 

荒川ひかり Hikari Arakawa

 

1994年12月24日生まれ、茨城県つくば市出身

身長158. 4cm

登録地は茨城県、ホームバンクは取手競輪場

 

2015年 競輪学校(現・日本競輪選手養成所)に入学

2016年 110期としてデビュー

2018年 和歌山開催で初優勝

2021年 ファン投票上位で『ガールズドリームレース』に初出場

 

 

最近の趣味は、地元の友達と一緒に楽しむキャンプ。

 

 

きれいな水辺の景色や雰囲気が好きなので、湖畔に行くことが多いです。すごくリフレッシュできますね。

その土地の地酒を飲みながら、お酒に合うおいしいゴハンを食べて、夜はたき火を見ながらゆっくり過ごす時間が、最高です!

 

■荒川選手の詳しいプロフィールと出走情報はコチラ

 

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