「80歳まで現役でいること!」ガールズケイリンのレジェンド 石井寛子選手(東京・104期)
2024.10.23
男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。
今回は東京都・104期、現在38歳の石井寛子選手にインタビュー。
2013年にガールズケイリン2期生としてデビューし、12年目に突入。デビュー年から2022年まで、年間女王決定戦の『ガールズグランプリ』に10年連続で出場。今年は1月にガールズケイリン史上初の600勝を達成し、9月にはガールズケイリンの開催が行われている全ての競輪場(42場)での優勝を達成するなど、数多くの偉業を成し遂げてきたレジェンド選手です。
2023年は『ガールズグランプリ』出場に届かず、悔しい1年となりました。当時の心境や、現状と今後への思いとは?そこには挑戦をやめない姿がありました。
途切れた『ガールズグランプリ』の出場
デビューから10年連続で『ガールズグランプリ』に出場できていました。
私は1年を通して、調子を大きく崩すことなく走り切ることが得意なんです。そうやって、普段の開催でコツコツと賞金を積み上げて、賞金ランキングで上位の7選手に入って『ガールズグランプリ』の出場権を獲得してきました。
2023年度からガールズケイリンでもGⅠ開催が始まり、3開催あるGⅠで優勝した選手が『ガールズグランプリ』の出場権を獲得できるようになりました。
いままでと違う点は、GⅠ開催に向けて調子のピークを持っていくことが大切だということ。ガールズケイリン全体としてみるとGⅠ新設はすごく良いことだと思いますが、個人的にはレース体系が変わってしまうことへの不安がありましたね。
しかも昨年は、普段の開催でも1着を取ったり優勝できないことが多い1年でした。
『ガールズグランプリ』の出場選手は、11月に小倉競輪場(福岡県)で開催される『※競輪祭女子王座戦(GⅠ)』の終了後に決まります。
※2022年までは『ガールズグランプリトライアルレース』
2022年までは賞金ランキングも上位で小倉(競輪場)に入り、「おそらくガールズグランプリには出場できるだろう」と思って開催に臨んでいました。
昨年は賞金ランキング6位で小倉に入りましたが、決勝に進出できず私より(賞金ランキングが)下位にいた選手が優勝したことで、『ガールズグランプリ』出場を逃してしまいました。
決勝進出を逃した時は「どうしよう…」と真っ白になって。いま考えると「どうしてもガールズグランプリに出たい!」という思いが足らず、気持ちで負けていたんだと思います。
競輪の良いところは、すぐに次のレースがあること。落ち込んでいても引きずることなく、「また来年頑張ろう」と気持ちを切り替えられたことで、最終日に1着を取ることができたんだと思います。
1着を取り戻すこと
今年4月の『オールガールズクラシック(GⅠ)』は調子が良かったのですが決勝に進出できず、その後は暑くなるにつれて思うような走りができていませんでした。
そんな中でも『女子オールスター競輪(GⅠ)』はファン投票で6位(8,116票)に選んでもらえて。なんとしても走りで恩返しをしたいという気持ちで臨みましたが、初日は7着…。「やってしまった。せっかく選んでもらったのに…」と、自分のふがいなさでファンの方たちに申し訳ない気持ちでした。
「自分はどんなレースをしたいのか?」何度も何度も考えて、2日目は、しっかりとレースの動きを見て、良い位置を取ることができて、1着でゴールすることができました。
ゴールした瞬間は涙が止まりませんでしたし、「たくさんの人の応援に背中を押されて取れた1着」だと心から思えましたね。
一つ壁を乗り越えられたという気持ちと同時に、今後のレースが大切だと気の引き締まる思いでした。
勝ってうれしくて泣くことはたくさんありますが、デビューしてから負けて悔しくて泣いたことは一度もないんです。悔しすぎて涙も出ないという感じなんですけどね(笑)。
負けた時は「なぜ負けたのか?」と、原因を徹底的に追及するようにしています。最近は、加齢による視力低下を指摘されたので、検査をしてサングラスを変えました。
まわりのスタッフなどにも話を聞いて、それを学んで、取り入れようとすると、やることがいっぱいあって毎日時間が足りないし、クヨクヨなんてしてられないんですよ!(笑)
今年の残りの目標は、まずは1着を取り戻すことです。「どうしたら勝てるのか」を常に考えて、失敗したらまた立て直して、1着を取り戻して優勝回数を重ねていくことで、その先に『ガールズグランプリ』が見えてくると思います。
大きな目標は「80歳まで現役でいること!」どんどん強い若手選手が出てくるので、時代の流れをしっかり捉えて対応して、経験を生かした自在な戦い方でチャレンジしていきたいと思います。
自分一人ではここまで来られていないので、関わってくれた人への感謝の思いばかりですし、私が頑張れる理由はどんな時でも応援してくれるファンの方たちがいることです。
ファンのパワーって、本当にすごいですよ!みなさんがいるから、私は一生選手を続けたいと思えます。
いつもありがとうございます!これからもよろしくお願いします。
石井寛子 Hiroko Ishii
1986年1月9日生まれ、埼玉県春日部市出身
身長160.2cm
登録地は東京都、ホームバンクは京王閣競輪場
2013年 ガールズケイリン104期としてデビュー
2013年 『ガールズケイリンコレクション2013京王閣ステージ』でビッグレース初制覇
2013年 『ガールズグランプリ』初出場
2017年 『ガールズグランプリ』5回目の出場で初優勝
2018年 『ガールズケイリンフェスティバル』初優勝
2019年 『ガールズドリームレース』初優勝
2024年 ガールズケイリン史上初となる通算600勝を達成
■石井寛子選手の詳しいプロフィールと出走情報はコチラ
最近、バンドの「Mrs.GREEN APPLE」が“推し”です!
ウォーミングアップの時などに“ミセス”のライブDVDや映像を見たりして、テンションを上げてレースに臨んでいます!
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