まずはガールズケイリン選手として、しっかりひとり立ちすること 太田りゆ選手(埼玉・112期)
2024.11.06
男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。
今回は埼玉県・112期、現在30歳の太田りゆ選手にインタビュー。
学生時代は陸上選手。東京女子体育大学に入学するも家庭の事情から競技継続を断念しました。“稼ぐ”という目的で、全く無縁だったガールズケイリンへの挑戦を決意。
その才能はすぐに開花し、競輪学校(現・日本競輪選手養成所)在学中に自転車競技のナショナルチームからスカウト。その自転車競技で今年のパリオリンピックに出場し、『ケイリン』では9位という結果を残しました。
憧れだったオリンピックはどんな舞台だったのでしょうか。8年間の自転車競技生活を振り返るとともに、今後の目標を語ってもらいました。最後のプライベートトークも必読です!
チャンピオンズリーグへの参加
競輪学校時代にナショナルチームの選手と同じハイパフォーマンスディビジョン(HPD)でトレーニングを行うようになりました。
卒業目前にはアジア選手権に日本代表として出場させてもらい、それが私にとって初めての海外で、初めて出場した国際大会でした。
競技会場の天井には出場国の国旗が掲げられていて。その景色を見て、「自転車競技でオリンピックを目指そう」と決意しました。
落選した2021年の東京オリンピックは、これまで見てきた国際大会とは“別もの”でした。そのレベルの高さにビックリしたのと同時に「次は絶対に出たい!」という思いも強くなったんです。
パリオリンピックまでの期間が3年だったことも、強く決意できた要因のひとつでしたね。
東京オリンピック後の※チャンピオンズリーグに参加できたことも良い経験になりました。約2カ月いろいろな国を転戦している間は、外国人選手とともに食事やパーティをすることがたくさんあったんです。
強い選手たちがオフを楽しんでいる姿を見て、オンとオフを上手に切り替える大切さを学びましたし、「みんな同じ人間。全く別のステージにいるわけではないんだな」と思えるようになりました。
※2021年に新設された自転車競技トラック種目のプロリーグ
2022年と2023年はアジア選手権の『スプリント』を連覇できました。“アジアチャンピオン”になれたことが自信になって、ネーションズカップや世界選手権でも上位に入れることが多くなりました。
オリンピックの舞台
パリオリンピックに選ばれたときの喜びは一瞬で、それよりも「夢見ていた舞台に立つことが実現する」という気の引き締まる思いでした。
パリは、町の至る所にオリンピックの旗やポスターなどが飾られていて、「みんな聞いて!あたし、これに出るんだよ!」って言って回りたい気分になりましたね(笑)。
レース前は「何がなんでもやってやる!」という決意が固まり、「怖い」や「逃げ出したい」という緊張はなく、ただただ集中していました。あんな感覚になったのは、オリンピックが初めてでした。
『ケイリン』の1回戦でバンクに上がった時の景色も、鮮明に覚えています。私の名前を呼んで応援してくれる声が聞こえてすごくうれしかったですし、「この空気感、歓声、拍手、緊張感を味わうためにここまで来たんだな」って、ジーンときました。
1回戦敗者復活戦は自信を持って臨んで1着になれました。準決勝で6着となり、メダルを取れなかったという悔しさはありましたが、思いっきり走った結果なので、後悔はありません。
『スプリント』(1回戦敗者復活戦で敗退)でも自分の力を出せましたが、まわりの選手が本当に強かったです。
オリンピックで自転車競技を引退することは決めていたので、閉会式ではいろんなことを感じました。
閉会式の前まで自転車競技は行われていたので、チームメイトやスタッフもみんな、悔しい気持ちもある中でもムリに笑顔をつくっていて。楽しいだけの閉会式ではありませんでしたが、ずっと一緒に戦ってきたメンバーと最後にいい景色を見られました。
オリンピックは世界中のアスリートが“最高の状態”でやってきて、みんながその頂点を狙って戦うという最高の舞台でした。
その緊張感から逃げずに、「楽しめばいいや」という考えではなく「絶対どうにかする」という強い気持ちで戦えたことが、すごくうれしかったです。
自転車競技を始めて、この8年間で私の人生はめちゃくちゃ変わりました。選手としてだけでなく、人としてもレベルアップができたと思います。
現在はジュニア選手の育成や自転車競技を広めるための活動も積極的に行っています。自転車競技がもっともっとメジャーな競技になってほしいですし、選手の練習環境もさらに良くなってほしいです。
そういう改善が今後のオリンピックでのメダル獲得につながると思いますし、その結果、ガールズケイリンの知名度も上がって、賞金アップや選手の地位や名誉の向上にもつながっていけばいいなと思っています。
ガールズケイリンに専念
まずはガールズケイリン選手として、しっかりひとり立ちすること。来年は『ガールズグランプリ2025』の出場権を獲得することが目標です。
競輪と別の仕事を両立する“デュアルキャリア”や、引退後の人生のことも考えていろいろなことに取り組んでいきたいです。
私は、スピードや迫力のある走りに自信がありますが、それにこだわるのではなく、勝つためであればどんな戦い方でもしていきたいと思います。車券に貢献し、お客さんの期待に応えられる競輪選手になれるよう精一杯頑張ります!
太田りゆ Riyu Ota
1994年8月17日生まれ、埼玉県上尾市出身
身長165.6cm
登録地は埼玉県、ホームバンクは大宮競輪場
2017年 競技:アジア選手権 チームスプリントで3位
2017年 競輪:112期としてデビュー、デビュー戦で完全優勝
2019年 競技:トラックワールドカップ ケイリンで銀メダルを獲得
2022年 競技:アジア選手権 スプリントで優勝
2023年 競技:アジア選手権 スプリントを連覇
2024年 競技:パリオリンピック ケイリンで9位
2024年 競技を引退しガールズケイリンに専念
■詳しいプロフィールと出走情報はコチラ
プライベート
パリオリンピックが終わってから、ずっと楽しみにしていた東京ディズニーシーの新エリア『ファンタジースプリングス』に行ってきました!
私は小さい頃からディズニー作品が大好き。ストーリーや音楽が良くて、その中でも『リトル・マーメイド』、『アラジン』、『モアナと伝説の海』が好きですね。実写版も大好きなので、何度も何度もしつこく見ています(笑)。
最近は『ONE PIECE』のアニメも見始めました。各キャラクターが仲間になった経緯を知れて面白いです!“空島編”がお気に入りです。
どんなに忙しくても、“ビジュアル管理”には手を抜きません!「誰かに見せたい」とか「キレイだと思ってもらいたい」という気持ちもありますが、一番は自分のテンションを上げるためです(笑)。
美容院、まつエク、ネイルのほか、お肌の管理のためにエステにも通っています。まつエクは、3本1束のエクステをつける“3Dラッシュ”をしていて、私がつけるのは両目で120束。
まつ毛がたくさんある時ほど、私のボルテージも高いんだと思ってください(笑)。
最近は資生堂の“SHISEIDO”ブランドにハマっていて、スキンケアからメイク用品までライン使いすると、かなり調子がいいです!
ファッションも大好きで、TPOに合わせていろんな洋服や小物を楽しんでいます。
足の太さや筋肉のついたボディラインを隠すのではなく、生かしつつスタイルがなるべく良く見えて、きれいに着られる服が好きです。買い物に行って試着をすると、だいたい店員さんに「何をしている方ですか?」って聞かれるので、いつも自己紹介をしています(笑)。
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