『ガールズグランプリ』の賞金も1億円にしたい! 中村由香里選手(東京・102期)
2024.11.27
男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。
今回は東京都・102期、現在43歳の中村由香里選手にインタビュー。
中村選手は小学校の教員から転身した、ガールズケイリン1期生。2012年にデビューし、2年目には頂上決戦『ガールズグランプリ2013』を制覇。13年目の現在も前線で活躍を続けるレジェンドの一人です。
モットーは、教員時代に子どもたちから学んだ「日々成長」。中村選手が実現したい選手としての夢やガールズケイリンの将来像とは?熱い思いを語ってくれました。
子どもたちの“輝く姿”に感化されて
通っていた保育園や学校の先生が大好きだったので、高校生の頃から教員を目指すようになりました。大阪教育大学に進学して、地元・大阪市の教員採用選考テストを受けて小学校に就職しました。
ガールズケイリン選手になってから「日々成長」というモットーを掲げているんです。
これは教員時代、子どもたちの日々の成長を毎日感じていた経験からです。例えば「新しく漢字を覚えられた」、「なわとびで二重跳びができた」など、子どもたちは新たに何かができるようになったり、目標を達成するたび、私に笑顔を見せてくれました。
そんな姿を見ていて「輝いている」と感じる一方で、「私は今、成長できているかな?」と自分に問いかけてみると、そうではなくて。子どもたちのように何かに挑戦して、達成する喜びを感じながら、もっと笑顔で輝ける人生を送りたいと思うようになりました。
教員になって7年目の秋(2010年)に、2012年からガールズケイリンがスタートするニュースをたまたま知ったんです。趣味でロードバイクに乗っていて、ちょっとした大会に出ていたこともあり、自転車に親しみもあったので「これだ!挑戦したい!」と瞬間的に思ったことを覚えています。
その時は6年生の担任をしていたので、3月に送り出すのと同時に私も退職し、翌年の1月に行われる競輪学校(現・日本競輪選手養成所)の試験に向けて練習に専念しました。
「一度きりの人生を思い切り楽しみたい」という思いが強かったので教員の仕事を手放すことの不安はなかったです。でも、新たに始まるガールズケイリンという未知の世界に挑戦することに対しての不安はありましたね。
10周年を迎えられた感謝の気持ち
競輪学校を卒業する時に関係者の方から「ガールズケイリンは3年から5年で無くなってしまうかもしれない。(続くかどうかは)あなたたちの頑張り次第」と言われました。
ガールズケイリン1期生・102期は8割以上がもともとの仕事を辞めて挑戦した“転職組”。「人生を懸けてここに来ているので、なんとしてでもガールズケイリンを成功させたい」という気持ちから、同期には特別な団結力があったと思います。
デビュー後はレースを走るだけでなく、開催前に競輪場近くの商店街でチラシを配ったり、レース後のお客様のお見送り、ラジオ局での宣伝活動など、いろいろな取り組みをしました。
1年目は京王閣競輪場、平塚競輪場、松戸競輪場の3場だけでの開催でしたが、だんだん開催してくれる競輪場が増えていきました。
2015年には小倉競輪場で行われたオールガールズ開催で、『ミッドナイト競輪』史上1日あたりの最高の売り上げを記録したんです。私たちが売り上げに貢献できるようになってきたんだということを実感しました。
ガールズケイリン10周年記念開催の『ALL GIRL’S 10th Anniversary』の時には、後輩たちから「1期生が土台を作ってくれたから今がある」という感謝の言葉をもらって。もちろんうれしかったですが、私は逆に「後輩たちがたくさん入ってきてくれて、年々ガールズケイリンを良いものにしてくれたから10周年を迎えられた」と感謝の気持ちでいっぱいでしたね。
2013年の『ガールズグランプリ』優勝時。「本当にうれしかったです。特別な経験をさせてもらいました」
まだまだ発展途上!
2023年度からはガールズケイリンにもGⅠができました。賞金も上がってはいますが、それでも男子の賞金とは“桁がひとつ違う”くらいの差があります。
その差を埋めていき、最終的には『ガールズグランプリ』の優勝賞金を『KEIRINグランプリ』と同じく1億円にすることが目標です!
夢がありますよね!実現できれば、ガールズケイリン選手になりたい人ももっともっと増えると思います。
そのために、より質の高いレースをお見せして売り上げを増やすことはもちろん、自分にできることは何でもしていきたいです。
私自身の大きな目標は“還暦レーサー”となることです。他の職業が60歳や65歳で定年を迎えるように、ガールズケイリンでも同じく全うできることを証明したいと思っています。
そのためにコンディションを崩さないよう規則正しい生活を心がけることや、若い選手に脚力だけで勝つのは難しいので研究を怠らず、総合力で太刀打ちできるように頑張ります!
私は教員とプロスポーツ選手になるという2つの夢をかなえられました。ガールズケイリン選手という素晴らしい職業に就けて、毎日感謝の気持ちを胸に生きています。
お客様の応援や支えがあって、ガールズケイリンは13年目を迎えられました。ですが、まだまだ発展途上。日本中で認知され、憧れられるプロスポーツになっていけるよう、ファンのみなさんにもぜひ応援いただきたいです。
私たちと一緒に、ガールズケイリンの未来をつくっていきましょう!
中村由香里 Yukari Nakamura
1981年3月9日生まれ、大阪府大阪市出身
身長166.7cm
登録地は東京都、ホームバンクは京王閣競輪場
2003年 大阪市内の小学校に就職
2010年 教員を退職し自転車の練習に専念
2011年 競輪学校に入学
2012年 ガールズケイリン1期生としてデビュー
2013年『ガールズケイリンコレクション2013高松ステージ』でビッグレース初優勝
2013年『ガールズグランプリ2013』優勝
2014年『ガールズケイリンコレクション2014取手ステージ』優勝
2022年 歴代ガールズグランプリ覇者を中心に選出された『ティアラカップ』に出場し2着
■詳しいプロフィールと出走情報はコチラ
ここ2年ほど、好きなミュージシャンのライブへ行くことがオフの楽しみです。
ピアノやヴォーカル、作詞作曲もしているHiromuというアーティストを追いかけているんです。いわゆる“推し活”ですね!
Hiromuが加入しているLab-Leon(ラボレオン)というグループや、Wu-Xing(ウーシング)というラテンジャズのグループが好きで、ライブに行くといつも元気づけられます。
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