GⅠ優勝で“地元グランプリ”出場をつかみ取る! 松井宏佑選手(神奈川・113期)

2025.02.19

男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。

 

今回は神奈川県・113期、現在32歳の松井宏佑選手にインタビューしました。

北海道の出身で幼少期からスピードスケートを始めた松井選手。大学時代は全日本ジュニア選手権大会で総合3位、世界ジュニア選手権大会ではチームパーシュートで4位という実績を残しました。

大学留年が転機となり競輪選手として2018年にデビュー。2020年には『ヤンググランプリ(GⅡ)』を制覇しました。GⅠ決勝にはこれまで4度進出しており、『KEIRINグランプリ2023』では補欠選手になるなど、グランプリ出場まであと一歩のところまできています。

今年は、地元・平塚競輪場でグランプリが開催。『KEIRINグランプリ2025』への出場を目指すトップ選手です。

今回のインタビューでは、大好きなファッションのこと、自転車のルーツ、競輪選手になったキッカケなどを話してくれました。

 

 

 

息抜きは酒です!

最近は銀座のDover Street Market(ドーバーストリートマーケット)で買い物をすることが多いです。

コムデギャルソンのデザイナー川久保玲がディレクションをするロンドン発のセレクトショップなんですが、海外ブランドから日本発のドメスティックブランドまでハイセンスなものを取り扱っているので、よくチェックしに行きます。

 

攻めている感じのデザインの洋服が好きで、COOTIE PRODUCTIONS(クーティープロダクションズ)AURALEE(オーラリー)は気に入って着ています。

“クーティー”は足が太い僕でも履きやすいパンツがあったり、シルエットが自分の体型に合っているように感じます。オーラリーは生地がめちゃくちゃ良くて、色使いもかわいらしいものが多いので好きです。

 

今まではあまり興味が無くて避けてきたアクセサリーも、最近はワンポイントでシルバー系のものを付けるのも良いかなと思っていて。クロムハーツあたりを狙っています!

 

“Maison Margiela×GENTLE MONSTER”のサングラス

 

車はSUVが好きです。旧車の“初代レンジローバー”に乗りたいんですが…。走っている途中に壊れても困るので、今は実用性を重視してランドローバーのディフェンダーに乗っています。

バイクはカワサキのW800も持っているので、暖かい時期には気晴らしに出かけることもあります。W800はデザインがシブくてカッコいいですよね。

 

息抜きは、酒です!最近は家でもよく飲んでいます。ワインを1本飲んで、ガーっと寝て、朝はもともと強いので起きてすぐに動き出せます(笑)。

 

 

 

自転車のルーツ

北海道の斜里(郡)で育ち、実家は寺です。物心ついた頃から地元の少年団でスケートをやっていました。

冬は毎日リンクで練習をして、夏は野球など体を動かして遊んでいましたね。

 

中学の時、実家(寺)の手伝いで、夏のお盆の時期に「お参り」で地域の家を回っていたんです。

暑いなか袈裟(けさ)を着て、自転車で畑の真ん中を爆走し坂道をダッシュしていました。この経験が僕の自転車のルーツになっています(笑)。

 

高校からは地元を離れました。スピードスケート強豪校の駒大苫小牧高校から専修大学に進学し、ナショナルチームの強化指定選手にも選ばれました。

当時は、スピードスケートでオリンピックを目指すことしか考えていませんでした。

 

 

大学4年生の時に留年して、スケート部にいられなくなってしまったんです。「大学を退学して実業団でやらないか?」と声をかけていただいたのですが、大学を卒業したかったのでお断りしました。

「もう一度スケートをしたい」と思う気持ちと「留年しているようじゃスケートでもダメだ」という両方の気持ちがあって…。

「実家に帰って“坊さん”になるための修行でもするかな…」と漠然と考えていた時期もありました。そんな時に競輪と出会ったんです。

 

競輪選手には地元が同じ武田豊樹さんがいらっしゃって、スピードスケートから転身して活躍されていることを知っていたので、気になってはいました。

SNSで元競輪選手の方が営まれている居酒屋があると知り、行ってみたんです。

そのオーナーから「競輪をやってみたらどうだ」とめちゃくちゃ口説かれましたが、その日は朝まで死ぬほど飲んで帰りました(笑)。

何度か店に通って話を聞いているうちに、「1回だけ(日本競輪学校の)試験を受けてみようかな」という気持ちになって。練習を始めて5カ月ほどで技能試験に合格して、2018年にデビューしました。

 

一度はスケートで諦めた『オリンピック』という夢をつかめるなら!と自転車競技のナショナルチームにも所属しました。

2022年9月に自転車競技は引退しましたが、そこで培ったトレーニングなど、競輪で生かせていることがたくさんあります。

 

 

 

地元開催のグランプリ

2020年11月の『競輪祭』で初めてGⅠ決勝に上がることができました。

「GⅠ決勝で郡司(浩平)さんの前を走る」という目標も叶えられた上、郡司さんはそのレースでGⅠ初優勝を飾ったんです。すごくうれしかったですし、一皮むけたことを感じた瞬間でした。

その後の『ヤンググランプリ(GⅡ)』で優勝できたことも、自信になりましたね。

 

昨年は「一番の目標」と位置付けていたのが地元開催の『オールスター競輪(GⅠ)』でした。調子が良い状態で決勝まで上がれましたが、結果は4着。ここぞという勝負強さが足りないことを実感しました。

今年は“地元グランプリ”の出場を目指します。獲得賞金で決めるのではなく、GⅠタイトルを取ってグランプリ出場をつかみ取りたいです!

 

神奈川の選手たちの仲の良い雰囲気は、ファンの方々にも伝わっているんじゃないですかね?

だからこそ“絆(きずな)”は強いですし、それが今の“南関東”の勢いにもつながっているんだと思います。

競輪には“絆”や“仲間のためにも”という気持ちを持って戦う側面があります。そんな人情にあふれる魅力的なスポーツで、僕は『最高の職業』に就くことができました。

これからも応援よろしくお願いします!

 

 

松井宏佑 Koyu Matsui

 

1992年9月24日生まれ、北海道斜里郡清里町出身

身長166.0cm

登録地は神奈川県、ホームバンクは平塚競輪場

 

2012年『全日本ジュニアスピードスケート選手権大会』総合3位

2012年『世界ジュニアスピードスケート選手権大会』チームパーシュート4位

2017年 日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)入学

2018年 113期としてデビュー

2019年『トラックワールドカップ第1戦』ケイリン3位

2019年『モスクワグランプリ』ケイリン優勝

2020年『朝日新聞社杯競輪祭』で初のGⅠ決勝進出

2020年『ヤンググランプリ2020(GⅡ)』優勝

 

■詳しいプロフィールと出走情報はコチラ

 

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