『ガールズグランプリ』も経験したママさんレーサー 長澤彩選手(福岡・106期)

2025.05.07

男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。

 

今回は福岡県・106期、現在36歳の長澤彩選手にインタビューしました。

小学生の頃にバレーボールを始めて、高校3年生で『春高バレー』に出場。卒業後は美容専門学校へ進学し、名古屋市を中心に展開する美容室に就職しました。

就職先の社長がキッカケとなり、ピストバイクに乗り始めます。2012年からガールズケイリンが始まることを知ると挑戦を決意。2014年に106期としてデビューしました。

“元美容師”という異色の経歴ながら『ガールズケイリンコレクション2017京王閣ステージ』でビッグレース初制覇。『ガールズグランプリ2017』にも出場し、2018年・2019年には『アルテミス賞レース』連覇を達成しました。

プライベートでは2017年に佐藤健太選手と結婚。2021年には第一子となる女の子を出産し、出産から約5カ月でガールズケイリンに復帰。2024年1月には復帰後初優勝を果たし、現在も好成績を残しています。

 

 

 

娘と過ごす時間

2021年に娘を出産して、今年で4歳になりました。女の子は口が達者なので、娘とはよく言い争いになります(笑)。

“仕事”と子育ての両立は大変なこともたくさんありますが、子どもが生まれて人生が豊かになりました。毎日が楽しいです。

1年くらい前から私の“仕事”が分かるようになってきたみたいです。帰宅すると、「ママ、速かったね」や「いちばん(1着)だった?」と言われてドキッとすることもあります(笑)。1着をたくさん取って帰りたいと思いますね。

娘はいろんなことに興味があるようですが、特に工作が好きみたいです。今はYouTubeを参考にユニコーンを作ろうとしている最中で、一緒に木の枝をたくさん拾ってきました。

 

 

最近はオシャレな選手も多くて、美容にもすごく詳しいので、自分が“元美容師”だとあまり言いたくないんですけど(笑)。私もファッションや美容ごとが好きですね。

美容室やネイルへ行ったり、最近は買い物にも出かけられるようになったり、息抜きになっています。自分の時間も大切にしたいなと思います。

 

 

夫への感謝

岐阜県各務原市(かかみがはらし)出身です。小さい頃から明るくて活発なタイプで、小学2年生の頃からは姉の影響もあってバレーボールを始めました。高校3年生の時に県大会で優勝して『春高バレー』にも出場しました。

 

 

高校卒業後は、もともと興味があった美容師になろうと思って、名古屋市にある美容専門学校に進学して、美容室に就職。就職先の社長が趣味でピストバイクやロードバイクに乗っていたんです。それで私も興味本位で乗り始めてみると楽しくて!大会にも出場するようになりました。

 

 

そんな中で、2012年からガールズケイリンが始まることを知り、直感で「やりたい!」と思ったことを覚えています。ずっと“プロスポーツ選手”への憧れがありました。

美容師という仕事も大好きでしたが、「何かにもっと一生懸命打ち込みたい」という気持ちもあったんです。「挑戦するなら若いうち」だと思い、この世界に飛び込みました。

競輪学校(現・日本競輪選手養成所)は1度落ちてしまいましたが、仕事を辞めて1年間しっかり練習して、106回生の技能試験に合格することができました。

 

 

夫(佐藤健太選手)からはレース展開の考え方やメンタルの保ち方など、たくさんのことを教わり、私の足りない部分を補ってもらいました。

だからこそ、“ガルコレ”(『ガールズケイリンコレクション2017京王閣ステージ』)や2018年と2019年の『アルテミス賞レース』で優勝できましたし、『ガールズグランプリ2017』にも出場できたと思います。

正直、当時の夫はめちゃくちゃ厳しくて、思い出しただけでも嫌になるくらいなんですけどね(笑)。すごく感謝しています。

 

2020年の『ガールズドリームレース』を走った後、“違和感”があったのですが、中3日で富山開催を走った後に検査したところ、妊娠が分かりました。産休中は、ガールズケイリンを客観的に見ることができたので学ぶことも多かったです。

2021年4月に娘を出産して、9月に復帰しました。妊娠中も階段の昇降運動や軽くウエイトトレーニングをしたり、固定バイクには乗ったりしていたものの、出産後はイチから体を作り直すところからのスタートでした。

体の感覚は出産前と比べるとまだまだ戻っていません。娘が第一優先なので、自分の思い通りに計画が進まないことは当たり前です。

日々、葛藤はありますが、その中で少しでも良い走りができるように考えて練習に取り組んでいます。まずは1着を増やすことが目標です。決勝進出を逃さず、成績を上げていけるように頑張りますので、応援してもらえるとうれしいです!

 

 

長澤彩選手のプライベートQ&A

Q:好きな色

A:ピンク。もともと好きではなかったのですが、娘の影響もあって今では私も好きな色になりました。

 

Q:好きなアーティスト

A:Saucy Dogと優里が好きです。

勝負曲は優里の『ピーターパン』。「気持ちを強く持てよ」と背中を押してくれる曲です。

 

Q:好きなYouTube

A:ヘアメイクアップアーティストの小田切ヒロさんの『HIRO BEAUTY CHANNEL』!

小田切ヒロさんのキャラクターがすっごく好きなんです(笑)。元気になります!暇があれば見ています。

 

Q:好きな芸能人

A:ロバートの秋山竜次さんと、鈴木亮平さん。

 

Q:仲の良い選手

A:106期の同期たち。その中でも、アマチュアの時から一緒に練習してきた高橋梨香さんとは特に仲良しです。

 

Q:挑戦したいこと

A:編み物。最近、ガールズ選手の中で流行っているんです。私も娘に何か作りたくて、編み物キットを買ってきました!

 

Q:今欲しいもの

A: 時間と1着。切実な願いです(笑)。

 

Q:行ってみたい場所

A:世界幸福度ランキングで8年連続1位のフィンランド。素敵な国なんだろうなあと憧れています。

 

Q:尊敬する人

A:福岡県の大ベテラン・紫原政文さんです。常にモチベーションが高く、お話しさせていただいていると競輪が好きだという気持ちが伝わってくるんです。57歳になった今でも前線で戦われている姿は、本当に尊敬します。

もう一人は、北津留翼さんです。娘と名前が一緒なんですよ。北津留さんは苦しい練習やレース後でもすごく楽しそうなんです。しかも、すごい人なのにめちゃくちゃ謙虚なところも尊敬しています。

 

 

長澤彩 Aya Nagasawa

 

1988年6月11日生まれ、岐阜県各務原市出身

身長164.4cm

登録地は福岡県、ホームバンクは久留米競輪場

 

2008年 名古屋市内の美容室に就職

2012年 退職後、日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)の試験に合格

2014年 106期としてデビュー

2017年 『ガールズケイリンコレクション2017京王閣ステージ』優勝

2017年 『ガールズグランプリ2017』出場

2018年・2019年 『アルテミス賞レース』連覇

2021年 第一子を出産・現役復帰

2024年 復帰後初優勝

 

■詳しいプロフィールと出走情報はコチラ

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