平原さんがしてくれたことを今度は僕が後輩に 吉田拓矢選手(茨城・107期)

2025.06.11

男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。

 

今回は茨城県・107期、現在30歳の吉田拓矢選手にインタビューしました。

父と叔父が元競輪選手という競輪が身近な環境で育ちました。2人の弟も現役競輪選手として活躍しています。

2015年のデビュー後は同期一番乗りでS級に上がり、2017年にはGⅠで初の決勝進出。2021年にはGⅠ初優勝を飾り、26歳で『KEIRINグランプリ』に初出場。若くしてスター街道を歩んできたトップ選手です。

5月には最高峰のGⅠ『日本選手権競輪』を制覇し、4年ぶりの『KEIRINグランプリ』出場権も獲得しました。

さらなる活躍に注目が集まる吉田選手。麻雀や家族旅行など、プライベート話も必見です!

 

 

 

麻雀は競輪に通ずる

麻雀(マージャン)が好きです。(佐藤)慎太郎さんが「麻雀は競輪に通ずる」と言っていたので、興味を持ち3年くらい前に始めました。

最初はアプリでやってみたのですが、やっぱり雀荘(じゃんそう)で打たないとダメだなと思って(笑)。茨城の先輩の芦澤辰弘さんや鈴木謙太郎さんと初めて雀荘に行ったら、見事にハマっちゃいました(笑)。

慎太郎さんや脇本(雄太)さんなど、麻雀好きの選手たちと一緒に打つこともあります。今では慎太郎さんの言っていたことも納得できるようになりました。攻めている時は、勢いに乗って突っ込んでいってしまう感じとか(笑)。レースでの心理戦も麻雀と通ずるところだと思います。

 

茨城の選手たちと

 

茨城の選手とは先輩・後輩ともに仲が良く、普段から食事へ行ったりしています。1月にはみんなで宮古島合宿に行ってきました。(岩崎)ゆみこYouTubeにその時の動画を上げていますよ。

 

宮古島合宿にて

 

新山(響平)さんとは家族ぐるみで仲良くしています。“ダービー(GⅠ『日本選手権競輪』)”の次の日から、新山家と一緒に沖縄旅行をしました。みんなでディズニーランドに行ったりもしているんですよ。

子どもや奥さん同士も仲が良いので、ありがたいですね。僕たちは酒を飲んだり(笑)。いつも楽しく過ごしています。

 

ウチは2歳と4歳になる男の子がいるんです。いつもおもちゃを色々買わされているんですが、最近は『ベイブレード』や『スイッチ(Nintendo Switch)』で一緒に遊ぶようになりました。

子どもたちは僕が競輪選手だということをまだ分かっていませんが、いつか分かった時には自慢してもらえるくらい、強い選手であり続けたいです。それが僕の目標でもあります。

 

 

GⅠは何回でも優勝したい

父親と叔父が元競輪選手で、弟2人も競輪選手です。父親とは、昔から今でも競輪の話は全くしないんです。だから父親や叔父の職業に憧れて、同じ道に進んだわけではありませんでした。

僕は5歳から水泳を習い始めて選手コースに進み、小学6年生の頃はJOC ジュニアオリンピックカップのフリーリレーとメドレーリレーで2位になりました。

中学でも水泳を続けていたのですが、面白くなくて…。辞めるためには両親を「高校から別のことをやりたい」と説得するしかなかったので、自転車競技を始めたという不純な動機でのスタートでした(笑)。

でも、いざ自転車競技を始めてみると、めちゃめちゃ面白かったので競輪選手を目指すようになりました。

 

2021年に『競輪祭』で初めてGⅠ優勝できましたが、すぐ翌月には『グランプリ』があったので、初タイトルを実感する間も無く、何がなんだか分からないまま過ぎ去ったような感じでしたね(笑)。精神的にもまだまだ未熟だったと思います。

 

2021年11月の『競輪祭』優勝時

 

2022年はどこかでS級S班への重圧があったんだと思います。積極的に動いて、力を出し切るという「自分のやりたいレースがしたい」という思いと、「“SS”だから勝たなきゃいけない」という気持ちとのジレンマに悩むことが多くて。勝つことができた時も「うーん」とスッキリしないことが多かったですし、結果的にGⅠでも1回しか決勝に上がれませんでした。

今思うと、「勝たなきゃいけない」という気持ちが余計でしたね。

 

2023年は『オールスター競輪(GⅠ)』決勝での失格で、後半戦は走ることもできませんでした。復帰後もイマイチ良い状態ではありませんでした。

そんな状況を打開したのが、平原(康多)さんが優勝した去年の『ダービー(日本選手権競輪)』決勝だったんです。自分のことのように本当にうれしくて、良いキッカケになりました。

その翌年(今年)の『ダービー』で僕が優勝するなんて、出来過ぎですね。

眞杉(匠)の頑張りがあってこその結果(優勝)なので、「ダービー王になったぞ!」みたいな気持ちはありませんでした。だからこそ、今も平常心でいられているのかなと思います。

 

今年5月の『日本選手権競輪』優勝時

 

これまでを振り返って、満足したことは一回もありません。常に「まだまだ頑張らなきゃいけない」と思いますし、GⅠは何回でも優勝したいです。

“グランプリ”は僕の中で「1年間頑張ったからもらえるご褒美」だと思っています。

 

競輪を教えてもらった師匠のような存在の平原さんが5月に引退されました。平原さんがしてきてくれたように、今度は僕が後輩たちに示しをつけて、引っ張っていかなきゃいけないなという気持ちです。

これからも一走一走、一生懸命頑張るだけです。応援よろしくお願いします。

 

 

吉田拓矢選手のプライベートQ&A

Q:愛車

A:『(日産)GT-R』を持っていますが、車庫に眠っています(笑)。

車への興味も前ほど無くなり、最近は『テスラ』の電気自動車ばかり乗っています。

 

Q:ペット

A:猫が1匹います。スコティッシュフォールドです。とてもかわいいです!

 

 

Q:好きなブランド

A:『Maison Margiela』。財布やバッグなどは“マルジェラ”のものを使っています。

 

Q:好きな漫画

A:最近だとサッカー漫画の『アオアシ』が面白かったです。

少年漫画が大好きです。王道ですが『ONE PIECE』も好きです。

 

Q:好きな番組

A:Netflixの『ツール・ド・フランス: 栄冠は風の彼方に』。

ドキュメンタリー番組をよく見ます。

 

Q:やってみたい仕事

A:サラリーマン(笑)。「世の中のサラリーマンは、普段どんなことをやっているんだろう?」って、全然想像がつかないので気になります。職種は、営業がいいです!

 

Q:行ってみたい場所

A:ロサンゼルスやニューヨークに行ってみたいです。清水(裕友)さんのアメリカ旅行話を聞いて、「いいな〜」と思っています。野球観戦をしたり、街並みを歩きたいです。

 

 

吉田拓矢 Takuya Yoshida

 

1995年5月7日生まれ、茨城県つくば市出身

身長171.5cm

登録地は茨城県、ホームバンクは取手競輪場

 

2013年 全国高校選抜自転車競技大会・ポイントレース優勝

2013年 JOCジュニアオリンピック・ポイントレース2位

2015年 107期としてデビュー

2021年『朝日新聞社杯競輪祭』でGⅠ初優勝

2025年 GⅠ『日本選手権競輪』優勝

 

■詳しいプロフィールと出走情報はコチラ

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