40歳で『グランプリ』初出場! おごらず朗らかで周囲からも慕われる岩本俊介選手(千葉・94期)

2025.06.25

男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。

 

今回は千葉県・94期、現在41歳の岩本俊介選手にインタビューしました。

学生時代は陸上競技の100mで活躍し、大学3年・4年時には関東インカレを連覇した実力者。陸上を続けたい気持ちの一方で職業として生活することは現実的でなく、自転車競技未経験でも挑戦できる競輪の道を選びました。

2008年にデビューし、2011年に初めてGⅢ優勝、GⅡ決勝進出を達成。昨年5月には『日本選手権競輪』で初のGⅠ決勝進出を果たし、結果は準優勝。獲得賞金を大きく積み上げたことで、40歳にして『KEIRINグランプリ』に初出場しました。

今年は競輪界トップ9のS級S班となり、ビッグレースでも好成績を残しています。

おごらず朗らかで周囲からも慕われる岩本選手。家族を大切に思う、素敵なパパでもありました。

 

 

 

愛娘

休みの日に家族と出かけるのが一番の気分転換です。娘が学校に行っている間に、奥さんとショッピングがてら2人で食事をしたりしています。特別どこかに出かけるわけではないんですけどね。

娘はいま小学3年生。元気いっぱいでパワーが半端じゃないんです。アスレチックや公園で1日中走り回っているので、僕はクタクタです(笑)。

つい最近、娘にお願いして東京国立博物館でやっていた『浮世絵現代』という展示に付き合ってもらったんです。そしたら「全然面白くない」って言われて…。ゆっくりと見る間も無く上野動物園に連れて行かれました(笑)。

 

 

ミリタリー系のアイテムが好きで、“軍パン”やコート、ブーツを集めています。ブーツは、アメリカのブランド『Red Wing(レッドウィング)』のものをよく買います。日本で作られた革製品も好きですね。同じ趣味を持つ千葉の野口裕史さんとはよく情報交換をしています。

好きなものを買い集めていたら、家の中に置くスペースが無くなってきて…。娘からも「パパ、またそんなに買って!ママに怒られるよ」と言われているので、どう説得しようか考えているところです(笑)。

 

岩本選手「カバンのパスケースには、ファンの方がグランプリ出場記念で作ってくれた“お札(ふだ)”を入れています」

 

 

えらいことになっちゃったな

高校から陸上部で100mを走っていました。陸上競技を続けるために城西国際大学に進学し、3年生と4年生の時に『関東インカレ』で100mを連覇。大学卒業後も陸上競技を続けたい気持ちもあったんですが、陸上競技では生活していけないことも分かっていました。

友人だった藤田大輔が自転車競技未経験で競輪選手になったことを知っていたので、大学3年生の終わりには僕も競輪の道に進もうと決意しました。僕にとっての就職活動が、競輪学校(現・日本競輪選手養成所)の受験だった感じです。

適性試験で合格して2008年にデビューしました。

 

昨年は『ダービー(GⅠ・日本選手権競輪)』で予選から3連勝して、決勝で2着になりました。調子も良かったですし、普段積んできた練習が生きたという開催でしたね。

初のGⅠ決勝だったこともあり、一気にレベルアップしたように見えると思うのですが、僕としては色々と準備してきたからこそ残せた結果だと思っています。

『ダービー』が終わって賞金ランキングが一気に上がり、周りからも『グランプリ』出場を期待する声が聞こえるようになってきて。そんな中、奥さんだけが冷静で「そんなに簡単じゃないでしょ」と言われました。

 

『グランプリ』が決まる最後のGⅠ『競輪祭』で決勝に乗れず、他の選手の結果次第という状況でした。決勝は和田(健太郎)さん、山賀(雅仁)さん、根田(空史)と食事をしながらスマホで見ていたのですが、食べ物が全くのどを通りませんでしたね(笑)。

決まった瞬間は4人で盛り上がりましたが、あまり実感はありませんでした。みんなと別れた後、一人でコンビニに夜食を買いに行きながら、「えらいことになっちゃったな」と思ったことを覚えています。

 

『KEIRINグランプリ2024』の共同会見にて

 

初めての『グランプリ』。レース当日の雰囲気はすごく印象に残っています。

大勢のお客さん。バンクにこだまするくらいの大声援に体が震えました。あのモノ凄いパワーを感じられることは、人生でそうは経験できないことです。

「南関東勢の一人としてここに来られて良かった」

「競輪選手をやっていて良かった」

そう思いながら、客席を見ていました。

僕が『グランプリ』に出られたことで、家族みんなが興奮して期待や希望を持つことができたのも良い経験になったと思います。

 

『KEIRINグランプリ2024』の出場全選手。黄色のユニフォームの5番車が岩本選手。

 

今年はS級S班として走っています。嫌なプレッシャーを感じるかなと構えていたのですが、そんなことは全然ありませんでした。

最強の人が“赤パン”を履いているわけではないので、想像以上にお客さんが優しくて、「岩本、なんとかしがみついて頑張れよ!!」って、温かい声援をいただけることばかりなんです。周りの選手も同じように背中を押してくれるので、一層やる気が出ます。

 

お客さんは僕の車券を買ってくれますし、南関東勢のぐんちゃん(郡司浩平)深谷(知広)(松井)宏佑など強い選手の“番手”という大切な位置を任されます。しっかり役目を果たさなければいけないという思いです。

車券に貢献できるように一生懸命練習して、これからも変わらず一戦一戦を大切に走っていきます!

 

 

岩本俊介選手のプライベートQ&A

Q:愛車

A:トヨタの『クラウンスポーツ』と『スープラ』。日本車、最高です!

もともと車は好きなほうだったので、若い頃はベンツに乗ったり、外車を買い替えていた時期もあったんですが、そんなことをしていたなんて後悔しています(笑)。

 

Q:好きな曲

A:坂本龍一さんの『戦場のメリークリスマス(Merry Christmas, Mr.Lawrence)』や『energy flow』をよく聴きます。

あと、学生の頃からアジカン(ASIAN KANG-FU GENERATION)も好きです。

 

Q:好きな漫画

A:最近読んでジーンときたのは『事情を知らない転校生がグイグイくる。』という漫画。いじめられている女の子が、転校生の存在によって明るい性格になっていく、みたいなストーリーで、すごく良いですよ。

本も漫画も好きで、僕はアナログ派なので、いつも『BOOKOFF(ブックオフ)』で買っています。

 

Q:美容へのこだわり

A:汚らしいオヤジにならないように、清潔感には気をつけています。顔の脱毛に何回か行って、だいぶヒゲが薄くなりました!

娘には常々「どうせお前、俺のこと気持ち悪いって言うんだろ…」って話しているんですが、「まだ大丈夫」と言われています(笑)。

 

Q:宝物

A:今乗っている『ケルビム』のフレーム。

5年くらい乗っていますが、落車しても全然壊れないんです。良い成績を残し、たくさん賞金を稼いでもらい、岩本家を支えてくれた大切なフレームです(笑)。

いつか壊れてしまっても、家のどこかに飾ろうと思っています。

 

 

岩本俊介 Shunsuke Iwamoto

 

1984年4月13日生まれ、千葉県成田市出身

身長178.0cm、登録地は千葉県

 

2008年 94期としてデビュー

2011年 『共同通信社杯春一番』で初のGⅡ決勝進出

2011年 取手記念in松戸でGⅢ初優勝

2024年 『日本選手権競輪』で初のGⅠ決勝進出・決勝2着

2024年 『KEIRINグランプリ』初出場

 

■詳しいプロフィールと出走情報はコチラ

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