「突っ張り先行で勝ち切ること」S級S班・新山響平選手(青森・107期)

2025.07.23

男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。

 

今回は青森県・107期、現在31歳の新山響平選手にインタビューしました。

兄・新山将史選手の影響で高校から自転車競技を始めた新山選手。大学へ進学しましたが、早く競輪選手になりたいという思いから大学を中退してプロの道を選びました。

2015年のデビュー後は、わずか1年でGⅢ優勝。GⅠ決勝進出も果たしました。2022年には『朝日新聞社杯競輪祭』でGⅠ初優勝を成し遂げ、『KEIRINグランプリ』に初出場。現在は3年連続でS級S班に在籍しているトップ選手です。

誰も前に出さない“突っ張り先行”で見る者を引きつけ、今年はファン投票で3位に選ばれました。

穏やかで優しい人柄も魅力。プライベートの過ごし方についても聞いてみました!

 

 

 

『石』にハマって『隕石』も買ってみました

プライベートの時間はほとんど、子どもと遊んでいます。6歳の娘、2歳と1歳の息子の3人なんですが、公園へ行ったり、家の中でゲームをしたりと“いっぱいいっぱいで”遊んでいます(笑)。でも、本当にかわいいですね。

娘は口も達者になってきて、怒ると言い返してくるので、いつもけんかになります(笑)。息子2人はすぐ抱っこをして甘やかしてしまうので“パパっ子”です。

 

吉田(拓矢)とは家族ぐるみで仲良くしています。こういうことがあまり無いので楽しいですね。

一緒に出かけると、僕たちはすぐお酒を飲みます(笑)。沖縄旅行では「ハッピーアワーで無料なんで」と誘われて夕方から飲んで、ディズニーランドの時は「ビールを買いましょう」って、売り場を探し回ったり。

2人でいる時は、競輪界の噂や最近あった面白い話など、他愛もなさすぎる話をしています(笑)。

吉田は良いライバルであり良い友人です。

 

吉田拓矢選手(新山選手撮影)

 

興味を持ったものは収集してしまいます。広く浅く触れるタイプで、割とすぐ飽きるので、後からめちゃくちゃ邪魔になるんですけどね(笑)。

少し前まで『石』にハマっていて、『水晶』や『アメジスト』、『隕石』などを買ってみましたが、今はもう引き出しに眠っています…。

たまに出して眺めていますが、まあまあ高かったので、魔除けや浄化など神秘的なパワーがあると思いたいです(笑)。

 

ロードレースの番組をよく見ているんですが、最近はロードレース用の機材が欲しくなって少しずつ集めています。平坦・登り用の車輪や、「カッコいいな〜」と思ったプロチームのウェアをすぐに“ポチったり”(笑)。ロードレースの大会も出てみたいです!

 

 

 

師匠のひと言で心のつっかえが取れた

叔父2人が競輪選手で、一度見た叔父のレースはすごく印象に残っていましたが、競輪のことはほとんど知りませんでした。

中学までやっていた野球が大好きで、将来は野球で食べていきたいという思いもありましたが、そこまでの技量は無かったですね。

競輪選手になった兄の影響で、僕も同じ道を選んで高校から自転車競技を始めました。やってみると自転車競技が楽しくて、もう少し続けたかったので日本大学に進学しました。

でも、同級生たちが高校を卒業して競輪選手になることの焦りやテレビで見ていた競輪選手たちと早く戦えるようになりたいという思いが募ってきて。1年生の途中で中退しました。

 

2022年のGⅠ『朝日新聞社杯競輪祭』優勝時

 

2023年に初めてS級S班になりました。

“SS”の選手はどんなレースでもだいたい3着までに入っているイメージがありましたし、僕もそういう選手になりたいと思っていました。

それまでは“先行”で好き勝手やってきたんですけど、「勝たなくてはいけない」というプレッシャーを感じていたと思います。

結果を求めて“位置取り”もしてみましたが、上手く走れないし、どう走っていいか分からなくて、けっこう早めに壁にぶち当たりましたね(笑)。

良い着順でもスッキリしないような、やりきれていない感じがありました。

 

師匠の坂本勉さんと食事する機会があって、相談してみると「今までやってきたことが実を結んで“SS”になったわけだし、お客さんも響平が“先行”する姿を見たいんじゃない?」と言ってくれたんです。心のつっかえが取れたと思えた瞬間でした。

それからは内容を重視して、以前と同じように“先行”にこだわり、「自分の走りをした」と納得できるレースをしようと切り替えられたことで、モチベーションも成績も上がっていきました。

これまでは「全レース、突っ張ってなんぼ!」。最近は「突っ張って、勝ち切ること」を意識してレースに臨んでいます。

 

 

自分のスタイルを崩さず3年連続で“SS”として戦えていること、そして『グランプリ』に出られることもうれしいですが、目標であるGⅠ優勝は2022年から達成できていません。

欲を言えば『ダービー(日本選手権競輪)』での優勝を目指していますが、今年は達成できなかったので、次の『オールスター競輪』での優勝が目標です。

お客さんには結果が悪くても、「次、頑張れ!」と言ってもらえることが多く、いつも背中を押されています。トップで戦い続けることができるように、これからも頑張ります!

 

新山響平選手のプライベートQ&A

Q:性格を一言で表すと

A:めちゃくちゃマイペース。

時間にルーズすぎてヤバいです。集合時間ギリギリに「いけるな〜」と思って家を出るんですが、全然間に合ってない、みたいな(笑)。直したいんですけどね…。

吉田と旅行に行った時も、吉田家はちゃんと時間を守っているのに、僕だけ全然守らないで申し訳ないなと思いました(笑)。

 

Q:好きな漫画・本

A:最近は『ハイキュー!!』が面白かったです。漫画は幅広いジャンルを読みますが、特に“スポ根”系の話が好きです。

好きな本は、『限界? 気のせいだよ!』。

佐藤慎太郎選手著書

 

Q:愛車

A:今は、ベンツの『ゲレンデヴァーゲン』とトヨタの『ランドクルーザー300』。

これまではポルシェの『カイエン』、ベンツの『GLE』など、SUVしか乗ってきませんでした。7月に納車されるレクサスの『LM』をファミリーカーにする予定です。

 

Q:見た目へのこだわり

A:ひげ。洋服を買って着てみた時に「なんか違うな」と思って。ひげを生やしてみたら「これこれ、この感じ!」としっくりきたんです(笑)。ひげもファッションですね。

みんなにひげを「それ」って言われるんですが、余計そりたくなくなります(笑)。

洋服は、ブランドのものや高いものは買わなくなってきました。最近、買い物はもっぱらZOZOTOWNです。

 

Q:尊敬する人

A:母親。僕の実家は農家だったんですが、農作業をしながら子ども3人を育て上げてくれました。自分が父親になった今考えると「大変だったんだろうなあ」と思うので、尊敬しています。

実家は葉たばこを育てていたんですよ。収穫した葉を乾燥させて、梱包して出荷していました。青森は、結構葉たばこの農家が多いと思います。

 

 

新山響平 Shinzan Kyohei

 

1993年11月2日生まれ、青森県八戸市出身

身長172.0cm、登録地は青森県

 

2011年 アジアジュニア自転車競技選手権 チームスプリントで優勝

2012年 日本大学に入学

2015年 107期としてデビュー

2016年 『朝日新聞社杯競輪祭』で初のGⅠ決勝進出

2022年 『朝日新聞社杯競輪祭』でGⅠ初優勝

2022年 『KEIRINグランプリ』に初出場

 

■詳しいプロフィールと出走情報はコチラ

 

    この記事が気に入ったら
    いいね! してね。

    その他の推すスメ!選手インタビュー

      おすすめの記事