「グランプリは最高やぞ」古性さんの言葉を励みに 窓場千加頼選手(京都・100期)

2025.08.06

男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。

 

今回は京都府・100期、現在33歳の窓場千加頼選手にインタビューしました。

父は2023年に引退した窓場加乃敏さん。身近だった父と同じ職業を選んで2011年にデビューしました。

デビュー後も“それなり”にやっていた窓場選手を変えたのは、同期・古性優作選手の活躍でした。「このまま競輪生活を終えていいのか?」と自問し、競輪への取り組み方を変えたことで、昨年は『ウィナーズカップ』で初のGⅡ決勝進出、『オールスター競輪』で初のGⅠ決勝進出を果たして準優勝。さらに年末には佐世保記念でGⅢ初優勝を飾るなど、飛躍の1年となりました。

非常に快活な人柄の窓場選手。オフはいろいろと楽しんでいるようです。

 

 

 

“推し活”

オフはなるべく自転車から離れるようにしています。2〜3日、がっつり時間を作って自然の多い場所で過ごすことが好きですね。

海釣りが好きで、つい最近は京都の丹後で知人の漁師さんに漁に連れて行ってもらいました。釣った魚をその場でさばいて食べると、本当に美味しいですよね。

愛犬のミニチュアダックスフンドと遊ぶことも毎日の癒しです。散歩したり、一緒に遠出したりもします。

 

 

7月は『ツール・ド・フランス』の放送を張り付いて見ていました。ロードレースも大好きなんです。ベルギーの『スーダル・クイックステップ』というチームのティム・メルリール選手がカッコよくてファンです。

ミーハーなんで同じモノが欲しくなって、自転車やシューズ、ジャージなどのグッズも買ってしまいます(笑)。“推し活”に近いですね!

次の『オールスター競輪』にも、『スーダル・クイックステップ』のジャージを持っていきます(笑)。

自転車は、ロードバイク、マウンテンバイク、シクロクロスバイクなど競輪用以外に4台持っています。一番高いもので、150万円くらいですね。自分でも“自転車好き”だと思います。

 

 

一昨年、去年とたくさん賞金を稼ぐことができたので、欲しかった自転車の部品を全部買えました。「こんなに幸せなことがあるんや!」と、すごくうれしかったです。

SRMという自転車に取り付けるパワーメーターも買って、それを扱うためにプロのコーチングも受けました。

SRMを使ったトレーニングの効果もあって、去年は調子が良かったんだと思います。

ただ、研究すればするほど「最後は気持ちが大事なんじゃないか?」という根性論に行き着いてしまって…。最近は迷走していますが、強くなるためにいろいろと試しながらやっていきたいと思います。

 

 

古性さんの存在

父が競輪選手だったので父のレースを家で見ていましたし、競輪選手が自転車競技で戦う大会がある時には競輪場にも見に行っていました。

小学生の頃は野球、中学は妹の影響でバドミントン部でした。

高校からは身近だった自転車競技を選び、高校3年間は部活仲間にも恵まれて、自転車競技をのびのび楽しくやっていた感じでしたね。競輪学校(現・日本競輪選手養成所)は高校3年生の時に合格しました。

 

デビュー後は8カ月ほどで特別昇級してS級で“それなり”に戦っていましたが、30代に差しかかった頃、同期の古性(優作)さんがGⅠ(『オールスター競輪』)と『KEIRINグランプリ』で優勝したんです。

衝撃でした。競輪学校の頃から何事にも真摯に取り組んでいた古性さんと、いつも“それなり” にやっていた僕と「10年間でこんなにも差がつくのか…」と痛感しましたね。

「このまま競輪生活を終えていいのか?」と思ったんです。「今が最後のチャンスだ」という思いで、競輪への取り組み方を変えました。

 

去年は全ての特別競輪に出場でき、波にも乗れて、自分のテンションもどんどん上がっていくような1年でした。

3月の『ウィナーズカップ(GⅡ)』で、特別競輪の決勝に初めて乗れたのが転機になったんです。

レースは、脇本(雄太)さん・古性さんと連携して、脇本さんが優勝。僕は9着でしたが、やり切った思いやお客さんの歓声が聞こえて、「コツコツと頑張れば、こんなに素晴らしい景色が見られるんだ」と感じることができました。

 

『ウィナーズカップ』決勝レース後。写真左から古性優作選手、窓場選手、脇本雄太選手

 

レース後には古性さんから「GⅠの決勝は、もっと最高やぞ」って言われたんです。気持ちが高まりましたね。

8月の『オールスター競輪(GⅠ)』で決勝に乗ることができて、結果は古性さんが優勝、僕が準優勝のワンツー決着でした。

その時の「グランプリはもっと最高やぞ」という古性さんの言葉がまた、今の僕の励みになっています。

 

今年前半は気管支炎になってしまい、欠場が続いてしまいました。でも、しっかりと休んだので『オールスター競輪』には万全な状態で向かえます。相性の良い開催ですし、もう一度決勝に乗れるよう頑張りたいです。

GⅠで優勝できるよう日々コツコツと努力し、毎レースを大切に走っていきたいと思います!

 

窓場千加頼選手のプライベートQ&A

Q:性格を一言で表すと

A:飽き性。熱しやすく冷めやすい。

 

Q:宝物

A:集めた自転車と、脇本(雄太)さんからプレゼントしてもらった『ディオール ブック トート』。

「仕事用に」と、脇本さんの奥様が選んでくれたそうです。すごくうれしかったです。オシャレですよね。引退するまで使います!!

 

 

Q:最近見た映画

A:『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』。子どもに混じって大人1人で見るのが恥ずかしいので、レイトショーで見ました(笑)。

“鬼滅”の原作もめっちゃ好きです。漫画は何でも好きですが、特にジャンプ系をよく読みます。

 

Q:愛車

A:トレーニング用のトヨタと、レースに行く時に乗るレクサスのコンパクトなSUVを持っています。

車に全然興味が無いので、屋根があってエアコンが効けばなんでもいいです(笑)。

 

Q:好きなYouTube

A:やってみたいゲームの実況動画をよく見ます。

狩野英孝さんのゲーム実況、面白いですよね。

 

Q:やってみたい仕事

A:銭湯経営と、漁師と獣医。銭湯と釣り、動物が好きなので(笑)。

京都には町銭湯が多くて、よく行っています。

 

Q:行ってみたい場所

A:ロサンゼルス。生の大谷(翔平)さんを見てみたいです。

 

Q:見た目へのこだわり

A:できるだけ若く見えるように気をつけています(笑)。油断するとすぐに老ける年齢になってきたので…。

今年から初めて日焼け止めを塗るようになりました。シミ対策です(笑)。

 

Q:今欲しいもの

A:GⅠタイトル!

 

Q:尊敬する人

A:両親。競輪選手として、いつになったら父を超えられるのか分からないくらい、僕にとって大きな存在です。

母も芯のある生き方をしている人だと思うので、2人を尊敬しています。

 

 

窓場千加頼 Madoba Chikayori

 

1991年9月19日生まれ、京都府長岡京市出身

身長174.3cm、登録地は京都府

 

2009年 インターハイの1kmタイムトライアルで3位

2011年 100期としてデビュー

2024年 『ウィナーズカップ』で初のGⅡ決勝進出

2024年 GⅠ『オールスター競輪』準優勝

2024年 佐世保記念『九十九島賞争奪戦』でGⅢ初優勝

2025年 300勝を達成

 

■詳しいプロフィールと出走情報はコチラ

 

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