日刊スポーツ「Girl’s Collection 2019」 坂口聖香選手編
2019.11.20
取材中の会話の中に「レースが好き」「レースが楽しい」というフレーズがよく出てきた。
坂口 自転車が好き、というよりレースが好き。
レースは自分がやれることを表現できるし、勝った時に「やってきて良かった」というのを感じられる。
私がこれまでやって来たことを考えれば、表現する手段が自転車だったんです。
ケイリンのプロとしてまもなく4カ月がたつ。
彼女に今後の目標を聞いた。
坂口 いろんなことにチャレンジしたいし、競技と両立もしたい。
それぞれの経験がどちらにも生きてくると思う。
これ!とは決めず、いろいろ吸収して自分の将来につなげられるように。
レース内容についてこんなことも口にした。
坂口 ケイリンは頭脳戦でもあると思う。
力も必要だけど、頭を使ってレースを分析し、組み立てられる選手を目指したい。
116期では吉岡詩織、藤田まりあ、久米詩の3人がすでに優勝者となった。
坂口 同期の活躍は励みになるし「自分もいつかは」という気持ちになる。
周りに流されず、自分の持ち味が絶対にあると思う。
あきらめないで心が強い選手になりたいですね。
目標とする選手を聞くと、真っ先に妹楓華だと答えた。
続けて「常にきょうだいのことを優先に考えてくれた」という両親への感謝を口にした。
日々のレースを心から楽しめた時に、初優勝という「やってきて良かった」瞬間が訪れるはず。
それも、そう遠くない未来に。
色紙に「初優勝!」と願いを込めた(協力=向日市・ちゃばなCafe)
【妹で112期坂口楓華選手のコメント】
真っすぐ
ズバッと言ってしまう私とは正反対の性格。
穏やかで大人の対応をするし、思っていても我慢をしてしまうタイプ。
それでも、やると決めたらとにかく真っすぐに、少し熱中しすぎて見ていると危なっかしいくらいのところもあります。
以前シクロクロスをやっていた時はすごく熱中していてかっこよかった。
ケイリンでも集中力が出てくれば、もっと成績も良くなってくると思います。
【師匠・武田哲二選手のコメント】
センスある
妹の楓華がデビューした時にアマチュアの選手もみていて、その時一緒に練習していたのが聖香。
シクロクロスなどで活躍していたのは知っていたし「お姉ちゃんもどう?」と声をかけた。
自転車のキャリアはあるし、世界で活躍したセンスもある。
ただケイリンは別。
目標を自分で立て、自問自答するのがこの世界。
まだまだこれからだし、強くなるに越したことはないが、ファンに応援される選手になってほしい。
【プロフィール】
坂口聖香(さかぐち・きよか)
1996年(平8)2月5日、兵庫県生まれ。
14年にユース五輪のロードタイムトライアルで1位。15、16年にはシクロクロス全日本選手権を連覇し、世界の舞台でも活躍した。
18年に競輪学校(現:日本競輪選手養成所)に入学。
116期生在校5位(60戦9勝)で卒業。通算成績は24戦1勝。総収得賞金は192万8400円
163cm、57kg。血液型B。
【取材・構成=オカダ】
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