【デイリースポーツ・KEIRIN屋】大改革ガールズケイリン・GⅠ新設

2023.01.26

デイリースポーツのコラム「KEIRIN屋」

2023年1月24日(火)掲載記事

 

 

2023年、ガールズケイリンが大きく変わる。

競輪を統括するJKAが昨年12月に改革案を発表。

プロスポーツ競技としての魅力をさらに高め、「プロスポーツ競技のまんなかへ」を新たなコンセプトとしてレース体系、ロゴ、ユニホームを刷新した。

今回のKEIRIN屋では11年目を迎えて、GⅠレース新設など新たなステージに突入するガールズケイリンを特集する。

 

 

今回の改革で最も注目を集めるのが、ガールズでは初となるGⅠレースの新設だ。

これで年末のガールズグランプリを頂点とした新たなレース体系が構築されることになった。

 

新設GⅠはパールカップ、オールガールズクラシック、競輪祭女子王座戦の3つ。

それぞれのGⅠ優勝者にはガールズグランプリ出場権が与えられる。

これまでガールズケイリンのビッグレースは男子のGⅠ開催中に単発レースとして実施されるものが多かったが、新設GⅠはいずれも4レース以上のトーナメント形式で争われる。

 

レース体系が明確になったことで、選手たちは調整がしやすくなる。

昨年末のガールズグランプリで初優勝を果たした柳原真緒(福井)も「(変更は)いいと思う。GⅠを優勝すればグランプリが決まるし、気持ちが入る。今年の目標はGⅠを優勝してグランプリ出場権を取ること」と今回の変更を歓迎する。

 

柳原真緒(左)とプレゼンターの古閑美保

 

GⅠ優勝=ガールズグランプリ出場の構図は実にシンプル。

男子の競輪と同様にGⅠレースを中心に盛り上がっていくことは間違いないだろう。

 

このほか、ユニホームは動的で親しみやすい新たな書体の「KEIRIN」を強調したスポーティーなデザインを採用。

新しくなったロゴとともに今月から使用されている。

 

東京五輪で小林優香(福岡)がガールズケイリンの選手として初めて五輪に出場。

世界選手権のケイリン種目では佐藤水菜(神奈川)が2年連続で銀メダルを獲得するなど、人気だけでなく実力も備わってきたガールズケイリン。

今回の改革が、さらなる発展へつながることに期待したい。

 

昨年末ガールズグランプリ(左が優勝した柳原真緒)

 

記者の目

ガールズのGⅠ新設は明るい話題だが、避けて通れない問題が選手数の確保だ。

現在は175人まで増えたが、絶対数が足りていない。

結婚や出産など男子選手だけの時にはなかったケースもあるが、何よりガールズケイリンの選手になりたい人材が不足している。

 

ガールズの受験倍率は120期が2・1倍、122期が2・5倍、124期が2・3倍。同時募集の男子は119期が4・6倍、121期が5・3倍、123期が5・4倍と、男子に比べて志願者の少なさは明白だ。

 

ガールズケイリンがもっとメジャーになって「ガールズケイリンをやってみたい」と思える環境作りが必要だ。

新設GⅠの優勝賞金はまだ発表されていないが「女子公営競技の中で一番稼げるのはガールズケイリン」と呼ばれるような金額を期待したい。

(関東競輪担当・松本 直)

 

ガールズケイリン新設GⅠとは

◆GⅠ・パールカップ

毎年6月に開催されるGⅠ・高松宮記念杯競輪で実施。

高松宮記念杯と同様に東西別の勝ち上がりで優勝を争うトーナメント。

東日本地区、西日本地区それぞれの平均競走得点上位者を基本とした計28人(東西各14人)が出場。

 

◆GⅠ・オールガールズクラシック

ガールズケイリンで最も格式高いトーナメントとして位置付け、獲得賞金額上位者を基本とした42人が出場。

唯一、ガールズ選手のみによる開催。23年度は10月に実施するが、24年度は開催月を4月に変更する。

 

◆GⅠ・競輪祭女子王座戦

毎年11月に開催されるGⅠ・競輪祭で実施。ガールズグランプリ出場権をかけた年間最後のGⅠ。

選考期間の決勝1~3着回数上位者(単発競走除く)を基本とした28人が出場。

 

ガールズグレードレース表

◆2023年度ガールズケイリン・グレードレース日程

23年4月  FⅡ ガールズフレッシュクイーン

23年5月  FⅡ ガールズケイリンコレクション

23年6月  GⅠ※パールカップ

23年7月  FⅡ ガールズケイリンフェスティバル

23年8月  FⅡ ガールズケイリンコレクション

23年10月 GⅠ※オールガールズクラシック

23年11月 GⅠ※競輪祭女子王座戦

23年12月 GP ガールズグランプリ

24年3月  FⅡ ガールズケイリンコレクション

※は新設競走、ガールズケイリンコレクションは23年度で廃止

 

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