【KEIRIN屋】久米詩 新時代だ!ファン投票4位でガールズドリームレース(8月17日・西武園)出場
2023.08.08
2023年8月5日 デイリースポーツ掲載記事
今回のKEIRIN屋はファン投票で4位に入り、ガールズドリームレース(17日・西武園)に出場する久米詩(23)=静岡・116期・L1=を特集。
父で元選手の康徳さんを追って競輪界に飛び込み、今年は5月にガールズケイリンコレクション(平塚)、7月にガールズケイリンフェスティバル(函館)を制してトップクラスの仲間入りを果たした人気急上昇レーサーを直撃した。
(取材、構成=森田新吾)
中学から高校までの6年間はテニスに打ち込んでいた少女が父を追って競輪界へ。
自転車に取り組んでから6年ほどでトップレーサーへと変貌した。
久米は2018年に日本競輪学校へ入学。
自転車経験なしでも受験できる適性試験で合格を勝ち取った。
在校時の成績は1着6回、2着5回、3着12回で14位。学業優秀賞は手にしたが、競走成績は振るわなかった。
19年7月に奈良でデビュー。
2走目で初1着も、初優勝はそこから2カ月半後に大宮だった。
「やっていることは今も変わっていません」と話すが、地道に底力を上げたことが現在の勝負強さにつながっている。
今年5月、初めてタイトルを手にした。
ガールズケイリンコレクション2023平塚ステージで豪快なまくりを決めた。
最高峰のガールズグランプリを3回制覇した児玉碧衣こそ不在だったが、石井寛子、小林優香、柳原真緒と歴代のガールズGP覇者が顔をそろえる中でVゴール。
表彰式でのシャンパンファイトで出た笑顔はかなりまぶしかった。
5月のガルコレを制して賞金ボードを高く掲げる久米詩
6月、ガールズケイリン初のGⅠ・パールカップが岸和田で開催された。
予選、準決は東西別で実施され、久米は東で無類の強さを見せつけ、連勝で決勝戦へ。
ただ、最後で児玉という高い壁に阻まれた。
「碧衣さんの背中は遠かったです」。
2着でも打ちのめされた感が強く残った。
7月、2つ目のタイトルを手に入れた。
ガールズケイリンフェスティバル2023(函館)。
決勝戦は出走直後に落車があり、約10分後に再発走と変な間が空いたが、動じなかった。
児玉が残り1周前から猛然とスパートすると、久米はうまく追い上げて児玉後位を確保。
直線で差し切って1着。
遠かったはずの児玉の背中をあっさり抜いた。
今年の獲得賞金額は堂々の1位。
次なるビッグレースのガールズドリームレースも狙うは当然優勝だ。
「走れると思っていなかったのでビックリです。
今年になってやってきたことがかみ合ってきました。
いつもなんですけど、私にはファンの声援が力になっています。
ドリームレースも応援をお願いします」。
票を投じた6335人、車券を購入するファンの応援を味方に、夜の西武園でも激走する。
「袖口の柄が好きなんです」とお気に入りのスーツでポーズを取る久米詩
ガールズケイリンファン投票結果
◆ガールズケイリンコレクション2023西武園ステージ・ファン投票結果
①児玉 碧衣(福岡)12,526
②佐藤 水菜(神奈川)8,795
③小林 優香(福岡)7,953
④久米 詩(静岡)6,335
⑤柳原 真緒(福井)6,280
⑥山原さくら(高知)6,059
⑦太田 りゆ(埼玉)6,049
⑧石井 寛子(東京)5,721
⑨日野 未来(奈良)4,344
⑩荒川ひかり(茨城)4,281
⑪奥井 迪(東京)3,224
⑫石井 貴子(千葉)3,181
⑬梅川 風子(東京)2,646
⑭小林 莉子(東京)2,621
⑮尾方 真生(福岡)2,575
⑯坂口 楓華(京都)2,490
⑰石井 貴子(東京)2,250
⑱高木 佑真(神奈川)2,058
⑲梶田 舞(埼玉)2,010
⑳鈴木 美教(静岡)1,996
記者ポケットメモ
静岡県在住者だが、出身は京都府。言葉はもちろん京都弁。
とはいえ「おいでやす」など芦屋雁之助みたいな言葉は使用しない。
激しい競走を終えた後に出てくるのがキュートな京言葉。
これも人気の出た要因だろう。
取材の最後に以前から気になっていた疑問をぶつけた。
「公式などのプロフィルに友人が載っていないのはなぜ?」。
久米は即答した。
「友人をどこからどこまで載せていいのか分からないんです。だから、あえて誰も載せていません」。
続けて「ちゃんと友だちはいますから、安心してくださいね」とキッパリ。
最近はタレントや芸人も久米詩推しが増えてきた。
人気、実力ともうなぎ上りだ。
WHO’S WHO
久米詩(くめ・うた)1999年9月3日生まれ、23歳。
京都府向日市出身。園田学園高卒業。160センチ。
2018年に日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)に116期生として入学。
在校時の成績は14位。
19年7月の奈良でデビューし、2走目に初1着。
初優勝は同10月の大宮。
通算成績は1着134回、2着66回、3着56回(331走)、優勝は28回。
主な優勝はガールズケイリンコレクション(23年5月・平塚)、ガールズケイリンフェスティバル(同7月・函館)。
通算獲得賞金額は5708万3900円(2日現在)。
師匠は南昇さん(25期・引退)。
父は日本競輪選手養成所教官の久米康徳さん(70期・引退)。
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