【デイリースポーツ・KEIRIN屋】佐藤慎太郎、燃える!6年連続GP出場へ最後の大勝負
2024.11.15
2024年11月15日 デイリースポーツ掲載記事
今回のKEIRIN屋は「慎太郎チャンネル」の拡大版。
2019年にKEIRINグランプリ初優勝。そこから5年連続で佐藤慎太郎(48)=福島・78期・SS=は競輪界最高峰の9人が出場できる年末の大舞台に駒を進めてきたが、今年は大ピンチ。GⅠ・競輪祭(19~24日・小倉)で大勝負に挑む。
今年の戦いぶりを自らで振り返りながら、今後へ向けての抱負を存分に語った。
(聞き手=森田新吾)
佐藤のKEIRINグランプリ(GP)初出場は03年。そこから4年連続で出場したものの、その後は12年連続で不参加。それでも13年ぶりに出場した19年はVゴールを気分よく駆け抜けた。
19年のグランプリを優勝して胴上げされる佐藤慎太郎
GP覇者の座に就いてからはずっとトップクラスでの戦い。GⅠ、GⅡで優勝を飾っていないが、安定したレースぶりで獲得賞金上位者としてGP出場を決めてきた。
ただ、今年は例年と変わらない感じで稼いでいるが、全体的に賞金が上がったために獲得額が6500万円超でも13位に甘んじている。6年連続で大舞台へ出場するにはGⅠ・競輪祭が最後の勝負。優勝できればもちろん、決勝に進出して2着なら相手次第でチャンスはあるが、いずれにせよ厳しい条件だ。
まずは今年前半を振り返る。「やるべきことはやっている。自分なりに限界…いや、それ以上にトレーニングもこなしてきた」と状態面は万全だったが「成果が出なかったですね」とこぼす。
19年からの5年間は、その年の序盤にGⅠ、GⅡで決勝の表彰台に立って賞金を大幅に積み上げ、後半は安全圏に入りつつ、しっかり稼いでGPに出場していた。
だが、今年は「そのイメージで前半を戦った。スケジュールを詰めて走ったけど、かみ合わなかった。周りの強さか、それとも自分の老化なのか分からないけど、思うような感じで走れていなかったことは事実」と振り返る。
7日に48歳を迎えた。プロ野球選手なら現役でいられる年齢ではないし、佐藤が愛する阪神タイガースは44歳の藤川球児が監督に就任。年齢による衰えはあって当然だ。
ただ、佐藤にはそれをはね返す力がある。自身のイラストが施されたTシャツは「限界?気のせいだよ!」との文字がプリントされている。佐藤の年齢を感じさせない動きが形容されている。
「とにかく諦めない。目の前のレースに挑むには持てる力以上に発揮をするように考えている。一日一日を無駄に過ごさないよう、悔いなく(練習などを)やっている」。
この男に限界はない。あっても気のせい。「全力を尽くすだけなんですよ」。自分がトップクラスとして走るため、それがファンの期待に応える源になっている。
「限界?気のせいだよ!」と気合を入れる佐藤慎太郎
取材中、何度も出た言葉がある。「きょうという日は一日しかないですからね」。当たり前のようでなかなか口にできない言葉だが、佐藤が言うと重みがある。
とにかく一日たりとも無駄にしたくない。その気持ちがあるからこそ限界を超えた力を出せる。
GP出場、そしてGⅠV2へ。スピード、パワーを超越した力を競輪祭で存分に駆使する。
KEIRINグランプリ2024出場条件
優勝賞金1億4000万円をかけて9人で争うKEIRINグランプリ2024の出場選手選抜方法は①今年のGI優勝②パリ五輪ケイリン金メダリスト(選考時S級S班かS級1班に在籍)③選考期間(1月~競輪祭最終日)の選考用賞金獲得額上位。
現時点で出場確定は①に該当する郡司浩平、平原康多、北井佑季、古性優作の4人。②に該当する選手はおらず、③では清水裕友、眞杉匠が安全圏に入っており、残り三つのイスを巡り、賞金ランク7位の新山響平以下で競輪祭で激しく争う。
佐藤慎太郎は同13位。競輪祭で決勝2着なら相手次第で③に該当して出場できるが、狙うのはもちろん優勝。GⅠ覇者としてグランプリ出場を目指す。
佐藤慎太郎 プロフィール
佐藤慎太郎(さとう・しんたろう)1976年11月7日生まれ。
48歳。福島県塙町出身。学法石川高卒。165センチ、80キロ。
日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)78期生で1996年8月に平でデビュー。
主な獲得タイトルはKEIRINグランプリ2019(19年立川)、GⅠ・全日本選抜(03年高知)、GⅡ・共同通信社杯(04年高松)、GⅡ・ふるさとダービー(05年武雄)。
通算獲得賞金は17億3743万21円(14日現在)。
記者メモ
佐藤は阪神タイガースファンとしても知られている。記者も根っからの虎党。取材中はよくタイガース談義に花を咲かす。
昨年はアレ(リーグ優勝、日本一)できたが、今年は2位でクライマックスシリーズもファーストステージで敗退してしまった。
「佐藤輝や森下がよく打ったのは良かったよね。でも、岡田監督がいなくなるのは…」と名将退任に寂しさを感じているようだ。
来季は藤川球児監督。佐藤より四つも年下だが「現役時代はすごいピッチングでファンを魅了した選手ですからね。監督としてもすごいはずですよ」。
一方、48歳の慎太郎は現役バリバリ。次の競輪祭では賞金を思い切り稼いでグランプリ出場を手に入れてほしい。そして、来年もS級S班を維持した慎太郎と虎談義をしたいものだ。
(関西競輪担当・森田新吾)
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