【サンスポ】東京五輪カウントダウン企画「TOKYO2020+1」と「サイクルnavi」がコラボ!

2021.06.25

※この記事は、2021年6月18日にサンケイスポーツに掲載されたものです

 

 

【TOKYO2020+1 カウントダウン】×【サイクルnavi】

 

サンケイスポーツの東京五輪カウントダウン企画「TOKYO2020+1」と、自転車を特集する企画「サイクルnavi」がコラボ。

 

自転車トラック種目の東京五輪代表が6月17日までにサンケイスポーツの取材に応じ、男子ケイリンの脇本雄太(32)=日本競輪選手会=が日本勢初の金メダルを誓った。

 

競輪界のトップ選手として挑んだ2016年リオデジャネイロ五輪で惨敗。

初出場の舞台で感じた「競輪」と日本発祥の「ケイリン」の違いを克服し、悲願の五輪王者を射程に捉える。

 

(取材構成・サンケイスポーツ武田千怜)

 

 

日本ケイリンの悲願 脇本、初の金へ

◆リオは予選敗退

 

発祥国の意地がある。

〝競輪界最強レーサー〟と称される脇本は、「ケイリン」での金メダル獲得に強くこだわる。

 

「僕の場合はケイリンへの思いが強い。自国開催の舞台。日本発祥のケイリンで金メダルを取ることが一番の目標です」

 

2000年シドニー五輪から採用されているケイリンは日本で生まれた種目。

だが、日本男子は2008年北京五輪で永井清史が獲得した「銅」が唯一のメダルだ。

 

過去に6人が挑んだが、苦戦を強いられてきた。

競輪で2018年から3年連続獲得賞金1億円超えの脇本もその一人。

2016年リオデジャネイロ五輪に出場したが、1回戦、敗者復活戦で敗れ、予選すら突破できなかった。

 

五輪のケイリンでは、プロの競輪選手が力を出し切れない。

主な原因は「競輪」と「ケイリン」の違いにある。

 

「ケイリン」で使用するトラック(走行路)は、「競輪」とは1周の長さや傾斜角度といった規格が異なる。

日本の選手は〝五輪規格〟に慣れていないため、結果がついてこなかった。

 

「『五輪で勝とうと思ったら、五輪に準じた規格の場所で練習した方が強くなる』とブノワHCに言われた。

この人は五輪について真剣に考えている。

信じてやろうと思った」

 

勝つために必要な要素は〝五輪規格〟に慣れる「環境」。

2016年10月に短距離ヘッドコーチ(HC)に就任したブノワ・ベトゥ氏の指示で、脇本は2017年1月に東京五輪の会場である「伊豆ベロドローム」近くの静岡・伊豆の国市に拠点を変更。

「ケイリン」に軸足を置いた。

 

脇本雄太(右は小原佑太)※the cycling association of Hong Kong China

 

 

◆銘を『執着心』

 

競技に専念するため、収入源である本業の競輪の出走数を大幅に削減。

2019年は5レースに絞るなど「6分の1しか走っていない」。

 

東京五輪の金メダルに照準を定め、〝4カ年計画〟で鍛錬。

成果は結果として表れ、昨年の世界選手権では男子ケイリンで銀メダルを獲得した。

 

東京五輪前最後の国際大会参戦となった5月のネーションズカップ香港大会では、ケイリン、スプリントで銀メダルを獲得し、予行演習を済ませた。

 

脇本は「最近、『勝負心』から座右の銘を変えました。

五輪で金メダルを取りたいという意味で『執着心』。

リオがふがいない成績だったので、今回はしっかり成績を出していい報告をしたい」。

 

「ケイリン」の壁をぶち破り、日本勢初の金メダルをつかむ。

 

 

 

【プロフィル】

脇本雄太(わきもと・ゆうた)

 

1989(平成元)年3月21日生まれ、32歳。

 

福井市出身。福井・科学技術高で自転車競技を始めた。

2008年に競輪デビュー。

 

2016年リオデジャネイロ五輪男子ケイリン代表。

2017年のW杯チリ大会で日本勢14年ぶりの優勝。

2018年パリ大会でW杯通算2勝目。

昨年2月の世界選手権で銀メダルに輝いた。

 

本業の競輪ではGI通算5勝。

 

180cm、72・4kg。太もも周りは60cm。

 

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