【新春特別対談】熊谷芽緯選手×宇野紅音選手×谷元音羽選手

2024.01.02

左から、熊谷芽緯(くまがい・めい)選手、谷元音羽(たにもと・おとは)選手、宇野紅音(うの・あかね)選手

 

 

明けましておめでとうございます。

新年恒例の日刊スポーツとのコラボ企画【新春特別対談】です!

 

今年はガールズケイリン124期の熊谷芽緯(くまがい・めい)選手(岩手県)、宇野紅音(うの・あかね)選手(岐阜県)、谷元音羽(たにもと・おとは)選手(鹿児島県)の登場です。

 

 

昨年3月に日本競輪選手養成所を卒業した、デビュー1年目のルーキーたち。

互いを「めいちゃん」(熊谷選手)、「あーちゃん」(宇野選手)、「おとちゃん」(谷元選手)と呼び合う、養成所時代から仲良しの同期3人組です。

 

 

熊谷芽緯選手 Mei Kumagai

2003年11月6日生まれ(20歳)

岩手県所属、ホーム競技場は紫波自転車競技場

 

宇野紅音選手 Akane Uno

2003年12月20日生まれ(20歳)

岐阜県所属、ホームバンクは岐阜競輪場

 

谷元音羽選手 Otoha Tanimoto

2004年3月5日生まれ(19歳)

鹿児島県所属、ホーム競技場は鹿児島県根占自転車競技場

 

 

谷元選手「会う前から知ってはいたんですけどね」

 

熊谷:初めて振袖を着ましたが、慣れなくて、なんだか照れくさいです(笑)。

 

谷元:私とめいちゃんは(成人式の)前撮りもしてないし成人式にも参加予定が無いので、この取材が記念になりました!

 

宇野:私は黒と赤の振袖を着て前撮りをしたので、気分を変えて黄色の振袖にしました。

今回は仲のいい同期と一緒に撮影できて、うれしいです!

 

 

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宇野:私たちは3人とも高校時代から自転車競技をしていたんです。2人とは自転車競技のジュニアの強化指定選手を決める合宿に参加したことをきっかけに知り合いました。

 

谷元:私は中長距離種目をやっていました。自転車競技をやっている高校生は、Instagram上でつながっていたりするので、会う前から知ってはいたんですけどね。

 

熊谷:2人のことは全国選抜大会やインターハイで結果を残していて、「すごいなあ」と思っていました。

2人ともあまりしゃべらないイメージだったんですが、実際に会ってみると特にあーちゃんは、よくしゃべる人でびっくりしました(笑)。

 

おとちゃん(左)とあーちゃん(右)

 

宇野選手:2021年『全国高等学校選抜自転車競技大会』500mタイムトライアル3位。

熊谷選手:2020年『全日本自転車競技選手権大会』ジュニア・ケイリン3位、2021年『全日本自転車競技選手権大会』ジュニア・スプリント3位。

谷元選手:2020年『インターハイ代替大会』2km個人追抜き2位、2021年『日本高校選手権』同種目3位

 

 

宇野選手「賞金をもらった瞬間、うわ!!って実感する」

 

熊谷:ガールズサマーキャンプ(現:トラックサイクリングキャンプ)に参加してみて、ガールズケイリンを職業にしたいと思いました。

大学進学も考えたのですが、「お金欲しい!」と思って(笑)、日本競輪選手養成所の受験を決めました。

 

 

谷元:私は小学生の頃、両親に小倉競輪場に連れて行ってもらったんです。そこで見た競輪を「すごいな」と思って、自転車競技に興味を持ちました。

3歳上のお兄ちゃん(谷元奎心選手・117期)がデビューしたことで、競輪選手がより身近な職業になったことも大きかったです。私も自然と「ガールズケイリン選手になる」と思っていました。

 

宇野:自転車競技を知ったのは、『弱虫ペダル』がキッカケでした。アニメにハマって、自転車を買ってもらったことが始まりです。

『弱虫ペダル』はロードレースが題材ですが、実際に自転車競技をやってみると、自分が“短距離種目向き”なことがわかって、「じゃあ、(将来は)競輪選手かな」と思いました。

高校1年生の時、おじいちゃんに岐阜競輪場に連れて行ってもらって、ガールズケイリンのレースを見たんです。すごくカッコよくて、選手を目指そうと決意しました。

大学進学は全く考えず、早く選手になってお金を稼ごう!という思いでしたね。

 

 

谷元:お金を稼いで、親や愛犬にいろんなものを買ってあげられるようになったので、「選手になって良かったな〜」と思います。

親からは「この靴が欲しい」って、ネットショッピングの“スクショ”が送られてくるんです(笑)。それをプレゼントしたりしました。

 

宇野:賞金をもらった瞬間、「うわ!!」って実感するよね。

こんなに稼げるとは思っていなかったから、うれしいし(ガールズケイリンを)やってよかったと思います。

 

熊谷:「金銭感覚が狂わないように」と気をつけていたんですが、最近ちょっと危ないです…。

昨日、3人で渋谷と原宿へ買い物をしに行ったんです。グッチのバッグを買っちゃいました!!

2人に“のせられた”こともありますが(笑)、選手になって一番高い買い物です。

 

宇野:私はグッチでカーディガンを買いました。値段が書いていなかったので、店員さんに聞いてみたら、26万円って!めいちゃんのバッグよりも高かった(笑)。

「たっか!ヤバい、どうしよう!」とあせりましたが…。

気に入っちゃったし、頑張っているし、一つくらい高いものを買ったほうがモチベーションも上がるかなと思って、買っちゃいました!

 

谷元:私は16万円の洋服が気になりましたが、冷静さを取り戻して買いませんでした(笑)。

でも、競輪選手って夢ありますよね。

 

 

 

熊谷選手:「先輩たちの切り替えがすごくはっきりしていることに驚きました」

 

宇野:(日本競輪選手)養成所の練習は、めちゃくちゃキツかったです。大変でした。

でも、同期のみんなと仲が良かったので、救われましたね。練習を終えて宿舎に帰ると毎日楽しかったです。

 

 

熊谷:みんな話しやすいし、“年上の同期”も優しくていい人ばかりでした。雰囲気も良くて、居心地良く過ごすことができました。

 

谷元:高校生活の延長のような感じで楽しかったです。

何かあるたびに「今日このあと、会議ね!」って集合をかけて、みんなでしょうもない話をしたり、休み時間にはあーちゃんによるスパルタダンスレッスンが開かれたり(笑)。

 

宇野:コロナ禍だったので、夏季や冬季も帰省ができませんでしたが、帰るほうが面倒くさいなと思うくらいでしたもん(笑)。

養成所で年を越すのも楽しそうだなって思っていました。

 

谷元:元旦だけ消灯時間を遅くまで延ばしてくれて、みんなでカウントダウンしたことも良い思い出です。

 

 

宇野:最初に走った『競輪ルーキーシリーズ2023』は開催中の過ごし方もレースも慣れていないし、同期だけで戦うので変に疲れるというか…。

本格デビューしてからのほうが、リラックスして臨めるようになりました。

 

熊谷:デビューして、先輩たちの“オンとオフの切り替え”がすごくはっきりしていることにも驚きましたね。

レースが始まる直前は、普段の優しい雰囲気とは全然違って、目つきも変わっていたりするので、最初はびっくりしました。

 

宇野:先輩たちと一緒に走るようになって、“位置取り”などシビアにレースに取り組んでいることを実感しました。

でも、それに遠慮して「(並走せずに)ここで引こう」と思うのは違うし、そうなったらダメだなとも思います。

 

谷元:レース中は先輩たちから、ものすごいオーラを感じるんですよね。私は並走するのが苦手なので、迫力負けして引いてしまうんです…。今後の課題の一つでもあります。

以前、ガールズの先輩に「勝ちたい気持ち、闘争心をもっと出したほうがいい」とアドバイスをもらったんです。

私のレースを見てくださって、「こんな練習がいいんじゃないか」と教えてくれました。本当にありがたかったです。

最近は、いただいたアドバイスをレース中に試すことができるようになってきて、考える余裕が出てきたように感じています。

 

おとちゃん(左)とめいちゃん(右)

 

宇野:私は最近、レースにも慣れてきてコンスタントに決勝に乗れるようになってきました。

自分の持っている力をレースで発揮できるようになってきたので、このまま頑張ります。

※10月の前橋開催から7開催連続で決勝に進出中(2023年12月26日現在)

 

熊谷:私は“先行”で勝てるように一歩ずつ積み重ねているところです。まだまだ時間はかかりそうですが、頑張ります。

もっと気持ちを強くしていきたいです。

 

 

2024年の抱負

 

谷元:予選から確定板(3着以内)に乗れるように、しっかり練習したいです。

鹿児島のガールズケイリン選手は南円佳さんと私だけ。一人で練習することも多かったので、最近はお兄ちゃんのいる防府競輪場で練習させてもらっています。

自分ができることを精一杯やって、レベルアップしていきたいです。

そして、車券に貢献できるように頑張ります。ぜひレースを見に来てください!

 

 

宇野:今年の抱負は、「思い立ったら、すぐ行動」です。

昨年は練習メニューやポジション(シッティング)などで「これをやったほうが良いんじゃないか?」と感じても、“迷い”が出てしまいました。

今年は「迷わず一度やってみる」。挑戦する一年にしたいです!

そして、決勝でも常に確定板に乗れる選手だと思ってもらえるように、自力を出して頑張ります。

 

 

熊谷:“優勝”が目標です!先行で1着を取って、優勝できるように頑張ります。

応援よろしくお願いします!

 

 

 

2024年、熊谷芽緯選手、宇野紅音選手、谷元音羽選手のさらなる活躍に注目しましょう!

 

 

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