【デイリースポーツ・KEIRIN屋】ヨガインストラクターから転向・アニー紗世子に注目

2026.06.18

今回のKEIRIN屋は1日に始まった133、134期の選手候補生募集に合わせて、異業種から競輪選手に挑戦した選手に注目。

ヨガインストラクターからガールズケイリンの選手に転向したアニー紗世子(31)=和歌山・130期・L1=は今年5月のルーキーシリーズでデビューしたばかり。3走目に初1着をゲットし、3場所目には決勝にも進出した。

自転車競技未経験から全く違う世界に飛び込んだ理由などを存分に話してもらった。

(取材、構成=森田新吾)

 

 

「近くに競輪場があることは知っていましたけど、どんなことをしているかは知りませんでした。何か観客席があるな…くらいで、調べたりすることもなかったですね」。

これまでのアニーの人生に『競輪』は必要なものではなかった。だが、ヨガインストラクターとして働いていたところに、日本競輪選手会和歌山支部長の稲毛健太が訪れたことが転機となった。

 

「レッスンに来てくださって、しばらくしてから声をかけてくれたんです」。

当初は迷うどころか「冗談と思いましたよ。『何を言っているんですか』って返答しました」とキッパリ拒否。その後も「絶対にしないです」と拒絶していた。

 

だが、稲毛は素質を見抜いたのか勧誘を続けた。結局、折れた形でガールズケイリンへの転身を決めた。

「ヨガをやっているから、体幹とかがしっかりしている…などの理由で誘われたと思っていました。でも、つい最近(稲毛に)聞いたら『ダイエットがてらに勧めた』って。私、その時期に少し太っていたので…」と笑う。

だが、この発言は稲毛の照れ隠しだろう。ヨガで鍛え抜かれた体幹はガールズケイリンに適していると思えたのは違いない。

 

 

日本競輪選手養成所では思うような成績を挙げられなかったが、ルーキーシリーズの1場所目で敗者戦ながらも1着をもぎ取った。

「あんなの偶然ですよ」と謙遜するが、勝負どころで空いた内をしっかり突いて、最後に直線で踏み直すところはベテラン顔負けのさばきだった。

3場所目の熊本では決勝に進出。初めて手にした賞金で「親と食事に行きました。焼き肉です。私が食べたかったのもあるんですけどね」と親孝行をしたそうだ。

「ここ2年間は無収入でしたから、両親には助けてもらいました」。これからはもっと親孝行をするために稼ぎに稼ぎまくるつもりだ。

 

これまで異業種から競輪界に転身を多く見てきたが、ヨガインストラクターは初めて。アニーは「まさか自分が…と思いましたが、今は頑張れています」と笑う。

自身の目標として掲げる選手は「太田りゆさん。強いですし、おしゃれですし」。だが、今後はアニー自身が目標にされる選手へ成長してもらいたい。

 

■略歴

アニー紗世子(あにー・さよこ)

本名はカラギアニス紗世子アントワネット。

1995年5月19日生まれ、31歳。和歌山県出身。和歌山大卒。172センチ。

2025年に日本競輪選手養成所に130期生として入学。在校時の成績は15位。

今年5月に松山のルーキーシリーズでデビューし、3走目に初1着。3場所目の熊本で初めて決勝に進出した。

通算成績は1着1回、3着3回(9走)。師匠は石塚輪太郎(105期)。

 

記者メモ

登録名は本名からかなり短縮されて6字。

「アニーはニックネームなんですよ。今までもそう呼ばれてきましたが、名の紗世子と一緒に呼ばれるなんて今まではなかったです」。

エキゾチックな雰囲気だが、生まれも育ちも和歌山とあって、話すと「○○しやんと」など和歌山弁が飛び出す。

養成所時代から読書が大好き。だが、最近は編み物にハマっている。

「昨年の秋頃から始めたんです。最近はギアのケースを作りました」と記者に披露した。

 

 

最後にヨガで一番好きなポーズを尋ねると「逆立ちです」。

アニーの写真を見て一念発起した記者は自宅に帰って30年ぶりくらいに逆立ちしたが、頭に血が上って生きた心地がしなかった。

(関西競輪担当・森田新吾)

 

異業種から競輪に転向した主な選手

武田豊樹(茨城)スピードスケート(ソルトレークシティー五輪代表)

吉沢純平(茨城)スケート・ショートトラック(バンクーバー五輪代表)

西谷岳文(京都)スケート・ショートトラック(長野五輪金メダル)

原大智(宮城)フリースタイルスキー・モーグル(平昌五輪銅メダル)

松谷秀幸(神奈川)プロ野球・ヤクルト投手

伊代野貴照(奈良)プロ野球・阪神投手

萱島大介(大分)プロ野球・阪神内野手

宮崎一彰(高知)プロ野球・西武内野手

野口裕史(千葉)ハンマー投げ(15年日本陸上選手権優勝)

稲垣裕之(京都)海上自衛官

皿屋豊(三重)公務員(伊勢市役所)

岡村育子(埼玉)ホッケー(北京五輪代表)

中村由香里(東京)教員

渡辺ゆかり(山梨)スピードスケート(ソルトレークシティー、トリノ五輪代表)

猪頭香緒里(岡山)プロスノーボーダー

長沢彩(福岡)美容師

尾崎睦(神奈川)ビーチバレー

 

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