【夕刊フジ】生まれ変わった弥彦競輪場 GI「第30回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」21日開幕

2021.10.19

夕刊フジ 2021年10月19日発行号

 

 

神聖かつ、美しく。

生まれ変わった弥彦競輪場

GI「第30回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」21日開幕

 

 

競輪のGⅠ「第30回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」は21日から24日までの4日間、弥彦競輪場(新潟県弥彦村)で開催される。

 

弥彦で親王牌が行われるのは6年ぶり6回目。

 

主催者である弥彦村公営競技事務所・斎藤雄希所長(49)に弥彦競輪場の現状、開催への思いを聞いた。

 

弥彦競輪 斎藤所長

 

風光明媚な競輪場である。

 

それもそのはず、弥彦競輪場は万葉集にも歌われる古社である弥彦神社の境内にあり、背後には杉が生い茂る弥彦山がそびえている。

 

 

弥彦神社では競輪選手は安全走行と好成績を、競輪ファンは車券が当たりますようにとお願いするため、競輪場に入る前にお参りする姿がよく見られる。

 

競輪場の前身である弥彦神社陸上競技場は日本で初めての400m走路を備えたグラウンドとして1919年(大正8年)に完成した。

 

場内には当時の大日本体育協会長だった嘉納治五郎が記した「弥彦神社競技場碑」もある。

 

弥彦神社競技場の碑

 

その後、1950年(昭和25年)に戦後復興の資金を調達するために弥彦競輪場が開設された。

 

 

そんな弥彦競輪場で6年ぶりに親王牌が開催される。

 

「毎年、GⅠ開催を希望していたがなかなかかなわず…。今年、開催することができるのは施設を全面的にリニューアルしたことが評価されたんでしょうかね」と斎藤所長。

 

日本唯一の村営競輪であり、小林豊彦村長(76)が設備に投資を積極的に行っている。

弥彦では2017年からミッドナイト競輪の開催も始まった。

 

他にもれず、弥彦での売り上げも好調で「施設リニューアルの分はもう回収できました。繰り出し金も1億から3億円に増えてコロナ対策などに充てられています」(斎藤所長)と競輪は人口約8000人の小さな村に多大な利益ももたらしている。

 

弥彦競輪場 宝光院側入場口

 

リニューアル施設の中でも目立つのが宝光院側入場口を入ってまっすぐ進んだところにあるサービスセンター「セダーハウス」である。

 

完成は昨年7月。

弥彦山の象徴である杉(セダー)をイメージして作られた開放感のある空間は収容人数800人、120インチの大型マルチモニター、食堂などを兼ね備える。

 

「自慢はトイレ。特に女子の」と斎藤所長が胸を張る女子トイレはイス付きのドレッサースペースもあり、まるでホテルのような美しさ。

 

公営競技場のトイレはあまりきれいではないという定説を大きく覆す快適なスペースだ。

 

セダーハウスの女子トイレ

 

ビッグレースは無観客開催が続いたが、今回は事前申し込み抽選で当選した2000人が入場可能となる。

 

「事前申し込み終了後にはそれを知らなくて申し込みできなかったお客さまからどうしても見たいから入れてくれないかというお問い合わせを多くいただいております」と斎藤所長は心苦しそうに語るが、それほど注目度が高い裏返しだ。

 

 

昨年、緊急事態宣言が発出され、競輪も7車立てを余技なくされるなど影響が出ている。

 

「昨年の記念競輪は7車立てだったので弥彦競輪場で9車立てのレースは本当に久々でうれしいです」と斎藤所長も色めき立つ。

 

限定ではあるが本場で観戦できる観客には「親王牌は自転車競技色を打ち出している大会ですので東京オリンピック出場選手などの走りを生で味わってください」とPR。

 

また行きたくても行けないファンには「CS放送をはじめ、今はやりの生配信も複数ご用意しておりますのでぜひそちらでもお楽しみください」と準備は万端だ。

 

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