【夕刊フジ】静岡競輪場で「KEIRINグランプリ2021」開催

2021.12.27

夕刊フジ 2021年12月27日発行号

 

12月30日「KEIRINグランプリ2021」開催

静岡競輪 グランプリへの思いと将来像とは

 

優勝賞金1億円をかけて今年のベスト9がしのぎを削る「KEIRINグランプリ2021」(GP)が30日、静岡競輪場(静岡市駿河区)で開催される。

静岡競輪場でグランプリが行われるのは2018年以来3年ぶり2回目。

ビッグレース開催の準備に余念がない静岡市公営競技事務所・石橋芳行所長にグランプリへの思い、静岡競輪の将来像などを語ってもらった。

 

 

静岡競輪は今や、来場者数、場外売り上げでトップを誇る日本一の競輪場である。

「静岡県は地図で見ると横に長く、西には浜名湖ボート、浜松オートがあり、東には伊東競輪があって静岡競輪はちょうど真ん中に位置します。その両方からお客さまがいらしてくださいます」と石橋所長。

 

来場者数が多いのは「沼津など遠方からの無料バス運行」「往年のスターショー」「バンク内大型モニターでの清水エスパルス試合パブリックビューイング」など、ファンサービスが多種多様で充実していることにも起因している。

 

「エスパルスの試合放映は競輪を知らない方、親子連れさんなどもいらっしゃり『競輪場ってこんなにキレイなんだ、また来たい』とお子さんが言ってくれたりします」。

 

しかし、現在はコロナ禍のため、長距離無料バスは運行中止、イベントも大がかりなものはできていない。

「3年前は東京で恒例の前夜祭、ファンパーティーと題して開催直前に静岡駅前のホテルでお客さまを招待して盛大なパーティーもやったんです。今回は何もできず寂しい限りです」

 

コロナ禍の影響はそれだけではない。

グランプリは通常、28日から他場、専用場外で前売りを行っているが今年は前日の番組確定後のネット、電話投票のみになる。

理由はレースカットの可能性があるからだ。

 

現在、選手はPCR検査を受けて陰性を確認してからの競走参加のため、途中欠場があったときの補充が基本的には行われない。

そのため、大量落車などで欠場があると車立てを減らし、それでも追いつかなければレース数を減らしている。

 

「最終日30日が11R制でなくなるとグランプリが第10Rになってしまいます。そのため、前売りが実施できなくなったんです」。

昨年の平塚大会では前売りが4億7000万円程度あった。

その金額の行方が気になるが「現在はネット投票が好調なのでそちらに流れてくれるといいですね。売り上げ目標は120億円です」と石橋所長は力強く語った。

 

静岡競輪は静岡市の一般会計にここまで約983億5000万円を繰り出している。

今年度も4億円を予定しており「もう少しで1000億円達成」だ。

道路都市計画に479億円、教育事業に299億円使われており市役所内では「稼いでいるのは競輪だけだよ」と声をかけられることもある。

「競輪場はギャンブル場のイメージだが売り上げが社会貢献につながっていることをもっとアピールしていく必要がある」が今後の課題だ。

 

石橋所長は「お客さんを入れての開催が基本。生の競輪を見てほしい」がポリシー。

コロナ禍が明けたら来場者向けのファンサービスをさらに充実させていきたいと言う。

 

3年前にグランプリを開催する際に12月後半の夕方では暗いので照明を設置。

そのおかげでナイター開催もできるようになり、2020年からはナイター開催も行っている。

 

 

「夜だと昼とは違い、若いカップルの姿も目立ちます。昼間の100円のおでん、100円のおむすび、無料の飲み物でくつろぐ従来のお客さまも大事にしつつ、新しい客層も開拓できそうです」。

そして将来的には繰出金1000億円達成のために黒字経営を続ける必要があり多くの収益が見込まれる無観客のミッドナイト開催も視野に入れている。

 

石橋所長は「グランプリは3から4年ペースで行いたいですね。施設は完璧ですし、トイレもすべてリニューアルしました」と言い、準備は万端だ。

 

今年のGP、YG、GGPは残念ながら静岡の選手の出場はかなわなかった。

「深谷(知広)選手が静岡競輪場によく来てくれてナショナルチームの練習方法で選手を指導してくれているんですよ。これが静岡選手の底上げになってくれそうです」と深谷の愛知から静岡への移籍が明るい材料になっている。「ガールズも今回は補欠ですが鈴木美教、久米詩らが頑張ってます。彼女たちは非常に協力的でイベントなどに積極的に参加してくれます」。

来年以降のGPシリーズでは静岡の選手の活躍の予感大だ。

 

3年前の12月30日は2万人を超える観客が静岡に詰めかけた。

今回は28、29日は滞留人数5000人の制限、30日は事前応募の当選者に入場は限定されるが、「テレビ地上波での中継もありますし、インターネット配信等も充実していますのでそちらでもお楽しみください」。

 

グランプリは静岡市をPRする最高の機会ということでCTC(電話投票センター)のキャンペーンで総額500万円の静岡名産のプレゼントも行われる。

本場ではもちろん、場外、自宅でも楽しめる企画に乗っかろう。

 

 

 

◆KEIRINグランプリシリーズとは

3カテゴリーのチャンピオン決定戦。

12月28日に『ガールズグランプリ』、29日に『ヤンググランプリ』、そして30日に優勝賞金1憶円を懸けた『KEIRINグランプリ』が開催される。

また、S級選手による3日間制レース『寺内大吉記念杯競輪』も開催される。

 

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