【夕刊フジ】「第76回日本選手権競輪」いわき平競輪場で開催 本田功所長にインタビュー

2022.05.06

夕刊フジ 2022年5月2日発行号

「第76回日本選手権競輪」(GⅠ・競輪ダービー)がゴールデンウイークの3日から8日までの6日間、福島県いわき市のいわき平競輪場で開催される。
いわき平でダービーが行われるのは1978年以来、44年ぶり2回目。
注目の一戦を前に、就任2年目となるいわき市産業振興部公営競技事務所・本田功所長(開催執務委員長)に話を伺った。

 

 

 

2009年3月にリニューアルオープンした競輪場は「屋外施設としては全国で唯一、内側からお客さまがレース観戦することのできるバンク。
他の競輪場では内側は選手しか入れないですからね」。
ビルの3階程度まで持ち上げて造られたバンクはまるで選手が空中を走っているかのように見えるため『空中バンク』と表される。
競輪ファンにとって一度は行ってみたい場の筆頭に挙げられることが多い。
その特長を生かし、バンク内のカーニバルプラザではビアガーデンの営業やイベントなどを行い、好評を得ている。

 

リニューアルオープンから2年、2011年3月に東日本大震災が起こった。
「いわき市内は甚大な被害でしたが競輪場はリニューアルしたばかりで被害が少なかった。
そこで支援物資受け入れ拠点として、支援の役割を果たしました。
また、他地区から応援に来てくださった3422人の医療関係者などの宿泊施設として選手宿舎を使用していただきました」。
19年の東日本台風でいわき市の平窪地区で河川が氾濫し、水害で大きな被害を受けた際も飲み水の確保、避難所の入浴施設として選手宿舎の大浴場を開放するなどされた。

 

地域に開かれた施設として認知してもらうために「日本パラサイクリング連盟、自転車部のある平工業高校の協力で、特別支援学校の生徒へ三輪ロードバイクのバンク走行体験を行ったところ大好評」。
また、日本競輪選手会福島支部の協力で自転車教室を行うなど競輪だけでなく自転車競技などを通じて地域との絆も培っている。
競輪場の施設利用のみならず競輪の売り上げも「今まで市の財政に約873億円を一般財源に繰り入れている。
消防車両の購入や小中学校のエアコン整備に使われています」と市民の生活に役立てられている。

 

「いわき平競輪場はGⅠ開催が多いが、オールスターのイメージが強い。今回は日本選手権を開催できるのは光栄です」。
オールスターは過去8大会を行っているがダービーは2回目。
日本選手権はGⅠの中でも参加選手数、賞金額が高く、GⅠ6大会中、最高峰のレースと位置づけられている。
連休でもあり多数の来場者が見込まれるが滞留人数4000人で入場制限をするなどコロナ禍のため、万全の態勢で実施される。
「バンクの内側から今までとは違った競輪をぜひ感じてください。
今まで競輪に興味のなかった方もきっと楽しんでもらえると思います」と本田所長は生での観戦を呼び掛けた。

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