リニューアル玉野競輪場で「サマーナイトフェスティバル」開催

2022.07.15

【夕刊フジ 7月15日発行号掲載】

 

今年3月にリニューアルオープンした岡山県玉野市の玉野競輪場に13年ぶりにビッグレースがやってくる。

「第18回サマーナイトフェスティバル」(GⅡ)は16~18日の3連休で行われる。

 

S級S班9選手を筆頭とするトップレーサーの走りや同時に実施される「ガールズケイリンフェスティバル」の熱きガールズの戦いも魅力だが、場内にある日本初のスタジアム一体型ホテル「KEIRIN HOTEL10」、新装したメインスタンドなどみどころが盛りだくさんだ。

 

 

玉野競輪場は今年3月にリニューアルオープンしたばかり。

「玉野競輪は築約50年で老朽化が著しかった。メイン、コーナースタンドを解体し、新たにメインスタンドを建設し、施設をコンパクト化しました」と玉野市競輪事業課・中村典男課長は語る。

 

中でも目玉は日本初となる競輪場内に建てられた「KEIRIN HOTEL10」だ。

 

 

今年は3年に一度の「瀬戸内国際芸術祭」の開催年で「芸術祭が行われる島々への発着港となるのが玉野市にある宇野港。これまでは宿泊施設が充実していなかったので玉野はただの通過点になっていた。このホテルができたことによって滞在もしてもらえる」と競輪客以外の利用も見込まれる。

 

また、日本初の施設は話題性も非常に高く「各種メディアに取り上げていただいて宣伝効果は抜群だった」。

 

ホテルは本場開催中は選手宿舎としても利用されるため、一般客の受け入れ数が減るのもあるが「サマーナイト開催中は販売開始、即満室になりました」と大好評だ。

 

 

玉野競輪は2020年から株式会社チャリロトに運営を委託している。

契約は20年。

他場では長くて5年、見たことのない長期契約だ。

「収益を保証してくれ、安定的な運営ができることからです」。

毎年度、3億円以上の収益が保証されている。

 

「メインスタンドは玉野市、ホテルはチャリロトの資金で建設。当初の計画ではホテルも玉野市の資金だったので財政的にも助かりました。また、ホテル、レストラン等で地元の雇用促進にもつながり、ホテルの固定資産税の収入も大きいです」。

メインスタンド内にはキャッシュレスの投票所を設置した。

「今後、キャッシュレスのお客様がさらに増えるでしょう。民間ならではの創意工夫ですね」

 

 

玉野競輪場の収益は毎年、玉野市の一般会計に繰り入れられている。

令和2年度には4億5000万円、3年度には3億円を繰り入れた。

「現在の玉野市は公共施設の再編成中。消防署、給食センター、玉野市本庁舎の整備やごみ処分場の建設などに充てられています」と市民生活の充実にも役立っている。

 

現在の玉野競輪場は第1期工事が終了した状態で「外向けの投票所を充実させたり、バンクの改修など」の第2期工事も予定されている。

また、チャリロトと手を組み「旧選手宿舎を解体し、周辺を整備していきたい。花火大会、自転車部の合宿やパラリンピックの練習、eスポーツの誘致なども考えています」。

 

昨年10月に就任した柴田義朗市長は「自転車の街づくり」が公約。

玉野市としては「サイクリングイベント、サイクリングツアーなどのコースの設定」なども視野に入れている。

 

 

【KEIRIN HOTEL10(ケイリンホテルテン)】

 

競輪は主に9人で争う。

お客さまが10番目の選手になった気持ちで過ごせる空間を目指すためにネーミングされた。

 

全149室のうち、126室がバンク側にあり、レースとともに瀬戸内海の美しい風景が楽しめる。

5階以上にはテラスがありさらにバンクを身近に感じられる。

 

 

部屋は1部屋2人利用のコンパクトなタイプを中心に最上階8階には4人がゆったりすごせる2室限定の半露天風呂付きセミスイートルームがある。

 

展示施設「KEIRIN GALLERY」を2階に常設。

競輪に関する基本情報から地元・岡山の選手を紹介する『FUTOMOMO HEROS』、選手の身体能力をリアルに感じることができる体験コーナーなどが用意されている。

 

KEIRIN HOTEL10オリジナルグッズも多数展開。

さまざまなクリエーターとコラボしたキャップ、Tシャツなどアイテムは10種類以上。

 

エントランスのショップでの販売のほか、今後はネットでも購入が可能になる。

 

 

【スタジアムレストラン『FORQ』】

 

 

ホテルとつながったスタンド棟2階にあり、瀬戸内の食材を使ったスパイス料理やオリジナルスイーツが提供される。

窓側はバンクに向かった座席でレースを観戦しながらの食事ができる。

ホテル宿泊者、競輪観戦者だけでなく近隣や観光客でも利用できるカジュアルなレストランを目指す。

 

 

一昨年夏には吉本興業が地域発信型映画の取り組みで、玉野市、玉野競輪場を舞台に映画「たまの映像詩集・渚のバイセコー」を制作。

尼神インターの渚ら多数の吉本芸人に加え、三宅伸ら地元の現役競輪選手も出演した。

 

今回のサマーナイトフェスティバルでも、16日の14時から岡山放送(※放送終了後、Tverなどで配信あり)で「空気階段のバイセコー~こんなスポーツほかにないじゃろ!?~全力疾走で競輪の魅力をお伝えしますSP」として、空気階段、尼神インター渚、三宅伸らが出演する特番が放送されるほか、最終日の18日の20時からBSよしもとで「競輪LIVE! チャリロトよしもと サマーナイトSP」を放送。

 

番組レギュラーの相席スタート山添寛、森咲智美らがゲストのFUJIWARAとともに決勝を予想する。

 

 

玉野競輪場では1993、94、2000年にふるさとダービー、2005年西王座戦、2010年東西王座戦の過去5回、ビッグレースが開催されている。

 

13年ぶりの今大会は地元・岡山県からは当初から出場が決定していた柏野智典(岡山)に加え、12日に岡山への移籍が公示された隅田洋介、繰り上がりでの参戦が決まった片岡迪之の3人が出場する。

 

地元勢に対して中村課長は「中四国地区のS級S班の松浦悠士(広島)、清水裕友(山口)や先行型の町田太我(広島)、太田竜馬(徳島)、犬伏湧也(徳島)らと連携して活躍してほしいですね」と期待を寄せる。

 

    この記事が気に入ったら
    いいね! してね。

    その他のスペシャル

      おすすめの記事