【夕刊フジ】GⅡ「共同通信社杯」が16日開幕 名古屋競輪組合の原誠事務局長が名古屋競輪を語る

2022.09.16

夕刊フジ 9月15日発行号掲載

 

名古屋競輪場では2年ぶりとなるビッグレース、GⅡ「共同通信社杯」が16日から開催される。

先月からはナイター開催も始まり、モーニングからミッドナイトまで幅広い開催形態となった名古屋競輪。

これまでの取り組みや今後の展開について、主催する名古屋競輪組合の原誠事務局長に話を聞いた。

 

名古屋競輪組合 原誠事務局長(左)と渡辺正司事業部長

 

 

名古屋競輪は名古屋市と愛知県で構成される一部事務組合である名古屋競輪組合が主催しており、トップである管理者は河村たかし名古屋市長が務める。

 

公営競技の一番の役割である地域財政への貢献について同組合の原誠事務局長は「1949年の開場以来、合計で550億円を超える金額を市、県に配分し、地方財政に貢献してきました。

市は老人福祉、県は浄化槽の設置に活用されたと聞いています」と話す。

 

また、地域のお祭りやイベントなどへ積極的な参加や協力、管理事務所棟内にある体育館を開放するなど地域住民との密接な関係も築き上げている。

 

また、「日本競輪選手会愛知支部はファンサービス、福祉活動に積極的。日本で一番と言っても過言ではない」と原事務局長が言うように、山田圭二支部長を筆頭にトップ選手が子ども向けに自転車乗り方教室を定期的に行ったり、児童養護施設との交流を続けている。

 

世知辛い話ではあるが、最近の小学校では自転車に乗れないことで仲間外れにされたりすることもあるらしい。

自転車に乗れるようになれば、いじめにつながる要因を減らせると選手会愛知支部では特に力を入れている。

 

「自転車教室では全く乗れなかったお子さんも2時間程度で乗れるようになります。まずはペダルをはずした自転車にまたがるところから始めるという競輪選手ならではの教え方が斬新です」(原事務局長)と評判もいい。

 

先月に開催された「名古屋けいりん夏祭り2022」もバンク走行体験会、賞品が当たる1着当てレース、現役選手と一緒に踊る盆踊りなど大盛況だった。

名古屋の看板レーサー・吉田敏洋は「初めて競輪場に来たというお子さん連れ、カップルからまた競輪場に来たいと言ってもらった。

一人でも多くの人たちがこんな風に思ってくれれば」と感想を語った。

 

 

第7回までは単発レースだった共同通信社杯が現在の4日制で行われるようになったのが、1996年の名古屋大会。

「まさに共同通信社杯誕生の地と言っても過言ではない」と名古屋競輪組合の渡辺正司事業部長は語る。

「渡辺部長は名古屋競輪の生き字引」と原事務局長は言う。

 

現在、同組合には構成団体である名古屋市の職員が異動で着任するが、渡辺部長は名古屋競輪組合採用の職員で、この道一筋36年の大ベテラン。

全国的に競輪は市、県などの主催者が多く、渡辺部長のようなプロパーの存在は貴重だ。

 

今大会でも経験を生かし、国内トップの広さを誇る選手宿舎をすべて2人部屋に改修。

選手管理棟内も球技場などを活用し、控室でも選手が密にならないように配慮するなど「コロナでの欠場を出さないために万全の対策を取った」と準備万端だ。

 

まもなく定年を迎える渡辺部長に名古屋競輪での印象に残った出来事を聞くと、「15年くらい前、ロイヤルルームで一日競輪を楽しんでもらう初心者教室が盛んだった。そこで競輪を覚えた〟卒業生〟が先月の初ナイターに来てくれた。

その教室で知り合って結婚して今は子どもが2人いる夫婦も観戦にきてくれる。これからの若い職員にも後につながるようなことをやってもらいたいですね」と後進に期待した。

 

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