【夕刊フジ】22日からGⅠ「第64回競輪祭」開催!小倉競輪場特集

2022.11.22

夕刊フジ 11月19日(土)掲載記事

 

世界にとどろく「キタキューシューシティ」。

日本で開催されたラグビーワールドカップ2019でウェールズ代表、東京2020オリンピック・パラリンピックで各国キャンプを誘致、そして2021世界体操・新体操選手権の招致などで世界中に福岡県北九州市はその名をアピールした。

 

そして北九州市は競輪発祥の地でもある。

「第64回競輪祭」(GⅠ)の開催直前に「スポーツで北九州に元気を!」をスローガンに今年4月に北九州市公営競技局の局長に就任した三浦隆宏氏にインタビューを敢行した。

 

北九州市公営競技局の三浦隆宏局長

 

北九州市には、官営八幡製鐵所から続く日本製鉄九州製鉄所八幡地区があることから、昔からスポーツが盛んな街で、バレーボール、野球、サッカー、水泳など多種多様なスポーツのクラブで多くの市民が汗を流している。

 

「一般的なスポーツは盛んだが、トップクラスを観戦する機会はあまりなかった。スポーツの力でまちの活性化につながれば」と三浦氏は各国キャンプなどの誘致理由を語る。

 

ラグビーW杯と東京五輪の開催が決まった2016年に国際スポーツ大会推進室が発足。

室長を務めていた三浦氏はラグビーワールドカップ2019ウェールズ代表、東京2020オリンピック・パラリンピックの各国キャンプ地誘致、そして世界初のリレー開催となった2021世界体操・新体操選手権の開催にこぎつけた。

 

「それがきっかけで北九州の名前を世界に発信することができた。

また、北九州市民がトップクラスのプレーをナマで見て、大人たちは感動し、子どもたちはその競技をやりたいと思う。

『こういった世界レベルの大会が北九州で開催される』という、それがシビックプライド、北九州の誇りにつながる」

 

また、2023年10月に「ツール・ド・九州2023」の第1回大会が開催されることが決まった。

九州の持続可能な未来のために、九州各地を駆け抜ける新たなステージレースであり、今回は福岡、大分、熊本の3県にまたがるコースで実施されるUCI(国際自転車競技連合)公認のサイクルロードレース。

 

「競輪の発祥地である北九州をぜひスタート地点に」と誘致し、初日(10月6日)は小倉城クリテリウムとして小倉城周辺の市街地がコースとなり、世界から集結する一流選手の走りを多くの人が気軽に観戦できる。

2024年以降の開催も検討されている。

 

三浦氏は公営競技局への配属は今回が初めて。

これまでは納税、防災、スポーツ関連と多岐にわたる部署で活躍してきた。

特にスポーツには造詣が深く前出のツール・ド・九州2023の誘致もしかりで「競輪も自転車競技というスポーツ。そういう意味では縁を感じている」

 

2020年4月8日、緊急事態宣言が出された翌日には急きょ作られた「新型コロナウイルス感染症対策室」にいきなり異動。

「オリンピックが1年延期になって今年は楽できそうだ、と思ったとたんでした」。

 

その際にワクチン接種会場を探し、一度に大勢の人が接種可能な小倉競輪場とボートレース若松が候補に挙がった。

 

小倉競輪場のある北九州メディアドームにお願いしたところ、予定されていたLED設置工事を延期して場所を提供。

「地元の業者さんが大量のLEDの保管場所を確保して約1年間も工事を延期してくださった。おかげで約14万7000件の接種ができた」。

 

ファン以外の市民はメディアドームの存在は知っていてもそこで小倉競輪が開催されていることは知らない人が多い。

接種中も地元選手がバンクで練習をしており「今思えば、競輪のいいPRにもなりましたね。市民の皆さんも親しみがわいたのではないしょうか」

 

小倉競輪場のある「北九州メディアドーム」

 

1998年に竣工した北九州メディアドームは来年25周年を迎える。

「昨年はワクチン接種会場として使用しましたが、運動会での利用や災害の避難所、地域貢献の施設としてだけでなく、イベント、スポーツなどで市民の憩いの場としてみんなが集まってくれる場にしていきたい」。

 

そのためには収益の確保が重要で「売り上げ向上のための戦略を持ち、実行していく必要がある。

小倉競輪では2011年に全国に先駆けてミッドナイト競輪を実施、当初は苦労もありましたが今年11年目を迎えて開催場も39(借り上げ含む)まで増え、売り上げも好調で軌道に乗っている。

ネット販売が主流の現在にマッチしたレースなのが好調の要因でしょう。

調子がいいときこそ5年、10年後を見据えていろいろ手を打っていかないといけない。

今後も、競輪発祥の地としてプライドをもって、競輪業界全体の発展の視点で中央団体、競輪場、民間ポータルと協力し競輪の発展につながる事業にチャレンジしていく」

 

熱戦が繰り広げられる全天候型ドームバンクの小倉競輪場

 

「第64回競輪祭」(GⅠ)は今年も競輪発祥の地、小倉競輪場(北九州メディアドーム)で22日から27日までの6日間、ナイター開催で行われる。

 

競輪全体の売り上げは対前年比約120%で伸びている。

昨年の競輪祭は121億2332万1400円を売り上げたが「今年は130億円が目標」と三浦氏は意気込む。

競輪界全体としては年間1兆円の大台を目指しており「それに貢献したい」とラストスパートに全力を注ぐ。

 

「競輪祭は6つあるGⅠの年間最後の戦い。

選手もグランプリ出場を狙い熱戦を展開し、ファンも競輪発祥の地である小倉に対する思いがある。

それに応えられるようしっかり準備したい」。

 

入場制限(滞留5000人)はあるもののイベントは盛りだくさん。

初日(22日)開会式では歌手・華原朋美が登場し、スペシャルライブ、最終日(27日)にはK―1三冠王者・武尊のバンク内トークショーが行われる。

 

また、最終日第11R発売中(19時36分頃~)には「HPCJC贈呈式」が実施される。

HPCJCは(High Performance Center of Japan Cycling)の略で日本の自転車競技を世界一にすることを目的に日本自転車競技連盟(JCF)トラック競技強化指定選手のトレーニングセンターとして、五輪などの国際大会でのメダル獲得を目指してアスリートを強化、育成する組織である。

 

贈呈式にはトラック種目、日本チームのテクニカルディレクターのブノワ・ベトゥ氏が登壇し、北九州市から約2000万円(HPCJC支援開催の売り上げの一部)が贈られる。

 

「競輪の強みは五輪競技であること。五輪で活躍する競輪選手を見て、競輪場に足を運んでもらえるお客さまが増える相乗効果を期待しています。自転車競技ともいい連携をしたいですね」

 

大会前に競輪祭のPRで夕刊フジを訪問した児玉碧衣選手(右)

 

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