【夕刊フジ】GⅠ「全日本選抜競輪」23日開幕!高知競輪の永野裕尚所長に聞く

2023.02.22

夕刊フジ 2月22日発行号掲載

 

ハイブリッドここに極まれり-坂本龍馬も泳いだといわれる鏡川のほとりにある高知市総合運動場「自転車競技場(高知競輪場)・陸上競技場」は愛称で「りょうまスタジアム」と呼ばれ、競輪場のバンクの中に陸上競技場もある全国でも珍しい複合施設。

そんな高知競輪場で「全日本選抜競輪」(GⅠ)が23日から26日まで行われる。

16年ぶりのGⅠ開催を控えた、高知市商工観光部公営事業事務所の永野裕尚所長に話を伺った。

 

 

日本の競輪場は333㍍(前橋は335㍍)、400㍍、500㍍の3種類の周長がある。

全42場(千葉は除く)のうち、最大周長の500㍍バンクは宇都宮、大宮、高知(熊本は400㍍に改修予定)の3場しか存在しておらず、今となっては貴重な存在だ。

 

高知はバンクの大きさを生かして、その中に日本陸上競技連盟の第2種公認陸上競技場が鎮座。

400㍍×8レーンのトラックと100㍍×53㍍の天然芝フィールドが設置されているほか、バンクの地下にはアップ用の走路も完備されている。

 

陸上競技場では競輪開催のない週末を中心に各種大会が開かれ、平日も練習のために多くの人が訪れる。

 

「バンクの中に階段があって、近所の中高生はそこからトラックに上がってきて練習しています。

毎年、陸上競技の大会と競輪で開催日の調整を行っています」

 

敷地内にある選手宿泊棟は競輪非開催時にはスポーツ合宿での利用が可能なほか、過去には高知最大のイベント「よさこい祭り」時に、なかなかホテルが取れない参加者のための宿泊場所にしたこともある。

 

りょうまスタジアムは「2002年よさこい高知国体」の自転車競技開催に向けて1999年に完成。

今でも立派な施設だが走路は劣化が目立っていたため、今回のGⅠ開催に際して7カ月かけてバンクを改修。

太平洋をイメージした鮮やかなブルーにお色直しされ、選手が登場する敢闘門「FIGHTING GATE」にきらめく電飾も施された

 

 

スタンドについても昨年から部分的にリニューアルされ、1年前に1階中央フロアの喫煙所を縮小し、椅子をすべて刷新。

今年、2階中央エリアが改修され木目調のきれいなフードコートが誕生した。

 

 

4場併売に対応するべくモニター数も増やし「きれいになったと好評です」とお客さんの評判も上々だ。

 

今月1日には新バンクオープニングセレモニーも走路内で行われ、練習で試走した日本競輪選手会高知支部・森岡正臣副支部長は「カントや風向きなどは変わっていないのですが、やはり新しいバンクは走りやすいですね」とさらなる快適さを実感。

 

永野所長は「全日本選抜は全国から一流選手が集結する大会。選手には素晴らしい走りを期待しています。

また、そのパフォーマンスを観戦するファンの方にも喜んでもらいたいです」と大会成功を願う。

 

また、「自転車競技にも注目してほしい。コロナ禍で中止していますが、サイクルフェスタも行って、新しいファンの方にも来場していただきたいですね」。

 

過去のサイクルフェスタではバンクウオーク、自分の自転車でバンクを走れる貴重な機会であるバンク走行体験、地元選手の模擬レースなど誰でも楽しめる催しものが満載で再開が待ち遠しい。

 

 

高知競輪場は1950年に開場。

そこから95年まで約224億円を市の一般会計に繰り入れ教育、福祉など広く使われている。

 

地域貢献はそれだけには留まらない。お隣を流れる高知市の顔ともいえる二級河川「鏡川」の清掃活動に積極的に参加。

2020年から続くコロナ禍では色々な業種が苦境に立たされた。

 

「宴会などが全く無くなり、花卉(かき)業者が苦労されていたので競輪場にお花を飾って、最終日にはそれを花束にしてお客さまにプレゼントしています」。

多くの観客が訪れる今回の全日本選抜でもさらに規模を大きくして多くの来場者に花束を提供する。

 

 

高知市は桜が満開になる毎年4月初旬に「高知城花回廊」という、高知城の追手門から天守閣までのメイン道路を生け花やポット・プランターなどで飾り付けるイベントも行われる。

「地元支援という意味でも今回のポスターデザインは花のデザインにしました」。

 

 

GⅠの文字に寄り添う赤い花は「グロリオサ」という種類で高知県が国内生産7割を占める高知の名産でもある。

「『お花が無料ならもらいに行こう』って来てくださった方が競輪、選手を見てそちらにも興味を持っていただければうれしいです」

 

 

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