【夕刊フジ】18日開幕!!GⅡ「ウィナーズカップ オランダ王国友好杯」

2023.03.16

夕刊フジ 3月16日発行号

 

 

日本一の源泉数、湧出量を誇る温泉都市である大分県別府市。

毎年、800万人を超える観光客が訪れる観光都市である。

 

市内にある別府競輪場はそれがゆえに〝おもてなし〟感が満載のレクリエーション施設である。

4年ぶりに開催されるビッグレース「GⅡ第7回ウィナーズカップ~オランダ王国友好杯~」(3月18日から21日)を控えた別府市公営事業部公営競技事務所・溝部進一所長にインタビューを敢行した。

 

 

2006年に完成したメインスタンドは清潔で築16年とは思えない美しさ。

 

 

車券発売機前には「ここは空港の中?」と勘違いするような装いのアテンダントが本場開催、場外発売を問わず常駐している。

券売機前で何か迷っているお客さんを見かければすかさず駆け寄り、サポートする。

 

別府競輪アテンダント

 

「空港をイメージしているんです」と溝部所長は語る。

確かに、ゴミ一つ落ちていない床、アテンダントの制服、広めの椅子などの快適さが美しさで世界中から注目される日本の空港に似ている。

 

アテンダントは「マークシート記入に慣れないお客さまが、窓口を独占してしまうようなことがないようにアドバイスします。車券を購入しておつりを取り忘れる人も多く、それをいち早くアテンダントが見つけます」と全方向に目を向け、お客さんを全力でかつ、スマートにサポートしている。

 

無料で入場できる1階部分でもこの快適さ。

有料となる上階はさらにラグジュアリー感が出る。

特別室のある4階はエントランスに別府名産である竹細工が飾られ、最高級のプラチナ、ゴールドルームはバンク全景と別府湾の絶景を眺めながら豪華なソファでゆったり観戦できる。

 

特別室入口

プラチナルーム

 

ウィナーズカップ開催にあたり、昨年秋には一部リニューアル工事を実施。

バンクを改修し、敢闘門は別府湾からのライジングサンとオランダをイメージし、オレンジ色にライトアップ。

 

別府競輪場 リニューアルした敢闘門

 

メインスタンド1階の初心者ガイダンスコーナーもさらに気軽に立ち寄れる場所へとアップグレードした。

 

「競輪場にはまだまだ古い、汚い、怖いのイメージを持っている方が多い。でも今は清掃も消毒も行き届いていて、働いている人もきれいな制服を着ていて丁寧な人ばかり。普段、あまり行かないところだからこそ、なおさら行ったときの印象が強くなる。第一印象が大事ですね」

 

別府競輪場 初心者ガイダンスコーナー

 

2019年は2月にGⅠ全日本選抜競輪、年度替わりの7月にGⅡサマーナイトフェスティバルを行った。

現在の別府競輪は年間100日開催を誇る。

「ビッグレースをはじめ、本場開催をすることが一番のファンサービスと考えています」

 

別府競輪場では「婚活」や「マルシェ」などのイベントも頻繁に行われている。

「別府にはいろんなイベントをやりたいという団体がたくさんある。こちらが主催するというよりも、そういう方たちにスペースを提供しています。それをきっかけに新しいお客さまが競輪場にやってくる、競輪場に来たことのない方たちが気軽に来られるような雰囲気も作りたいですね」

 

競輪ファン向けには100日開催、積極的なビッグレース誘致。

競輪目的ではない人にもいろいろな仕掛けで競輪場に集まってもらう。

 

「別府は観光地でいろんな名所があるが別府といえば『別府競輪場があるよ』っていってもらえる、ランドマーク的な存在にしたい」と溝部所長は抱負を熱く語った。

 

補助事業

1950年の開場時から毎年、その収益の一部を競輪事業の特別会計から別府市の一般会計へ繰り出している。

 

現在までの累計金額は約460億円。

今年は約6億円でPCR検査センター運営費や小、中学校の給食費半額補助の財源に充てられる。

 

「一昔前は本場開催をすると赤字ということもあったが今はネット販売が好調なため、高い収益を確保することができている」

 

また、別府競輪は独自の「別府競輪地域振興事業補助事業」も行っている。

収益の一部を別府市民に広く見える形で還元し、社会貢献を果たすとともに競輪事業のイメージアップを図るために実施されている。

 

スポーツの振興、教育、文化交流、市民生活の向上などに関する取り組みを行う団体に対して500万円を上限とした補助金を交付する。

 

別府競輪地域振興事業補助事業

 

 

今大会の冠は「オランダ王国友好杯」。

オランダは鎖国時代に西洋の国で唯一、交易が認められた国であり、日本とオランダの友好の歴史は大分から始まったといわれている。

 

1999年、日蘭交流400周年記念事業のため、当時のオランダ王国大使から「オランダはスポーツとして自転車レースが盛んな国である」との紹介があり、当時の大分県知事が大分県でも別府競輪場で自転車競技が行われていると紹介した。

 

当時、ウィレム=アレクサンダー皇太子殿下(現オランダ国王)が自転車競技に興味を示し、2000年に「ケイリン」が五輪種目に採用されたこともあり、記念事業の一環として「別府競輪オランダ王国皇太子杯」が開催された。

現在は皇太子が国王になったため「オランダ王国友好杯」に名称が改められた。

 

ウイナーズカップポスター

 

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