7月15日〜17日開催 GⅡサマーナイトフェスティバル・魅力たっぷり!函館競輪場特集

2023.07.14

夕刊フジ 7月14日発行号掲載

 

夏は競輪場、冬はスケート場として市民の憩いの場となっている函館競輪場。

競輪界の真夏の夜の祭典GⅡ「第19回サマーナイトフェスティバル」(SNF)&「ガールズケイリンフェスティバル」が15~17日の3日間、開催される。

ナイター競輪発祥の地である函館でSNFが行われるのは2021年以来、2年ぶり5回目。

主催する函館市競輪事業部の扇谷圭一部長に函館競輪の魅力や特長について話を伺った。

 

扇谷所長

 

「夜景とナイター競輪の親和性」持ち味に

扇谷部長はSNF開催を直前に「ビッグ開催であるサマーナイトフェスティバルをナイター競輪が代名詞である函館で開催できることは光栄」と語る。

 

「トップレーサーが函館に一堂に会して素晴らしいレースをしてくださることを期待しています。

5月に記念競輪を開催した際にも多くのお客さまがいらしてくださいました。

今回は函館にとってコロナが5類に移行して初めてのビッグ開催ですので全国からお越しいただくお客さまに喜んでいただけるイベントをたくさんご用意しています。

また、各種メディアでの発信もありますのでご来場できないファンの方々にも函館のサマーナイトを実感していただきたいです」

 

函館競輪場は1950年に開場。

現在までに累計で294億円を函館市の財政に繰り入れている。

そのお金は道路整備や文教施設、公営住宅、社会福祉施設建設などに充てられている。

「一番わかりやすいのは函館競輪場で冬に開催している函館市民スケート場ですね。この整備の財源になっています」。

 

雪のため、冬場は競輪開催を行っていない。その間、バンクを活用して氷を張ってスケート場を市の教育委員会が運営している。

「中学生以下無料で利用できます。函館市民の冬場の限られたレクリエーション施設ということもあり、多くの方に利用していただいています」。

 

函館市民スケート場

 

競輪場の前の道は「競輪場通り」の名称。

競輪にはなじみのない人もスケート場に行くために通行するため、競輪場の認知になっているという。

 

「現在はモーニングからミッドナイトまでいろいろなレースが行われ、各競輪場はそれぞれの持ち味を打ち出しています。

函館は夜景の街として知名度が高いので『夜景とナイター競輪の親和性』をアイデンティティー、持ち味と考えています。

ナイター競輪といえば誰もが函館競輪を思い出すようにこれからもナイタービッグレースの誘致を行っていきます」

 

コアップガラナ×函館けいりん第19回サマーナイトフェスティバル開催記念ボトル

北海道民がこよなく愛すご当地飲料「コアップガラナ」が函館競輪場とコラボ。

「コアップガラナ×函館けいりん第19回サマーナイトフェスティバル開催記念ボトル」が現在、函館近隣で販売されている。

 

コアップガラナ

 

「ガラナエキスを通常の2倍配合し、ジュースというよりもエナジードリンク寄りの商品に仕上げています。

地元企業コラボ商品なので地元のメディアに多く取り上げていただいて注目を集めています」(扇谷部長)。

 

北海道以外ではなじみのあまりないガラナドリンクだが歴史は古い。

ガラナエキスは古来アメリカの先住民族が疲労回復や滋養強壮として食していた。

ガラナはカフェインより代謝がゆっくりと進むため、穏やかで持続的な興奮作用が得られ、習慣性ができくいことからエナジー系素材としていろいろな食品に応用されているという。

 

SNF開催中には選手会ブースで現役選手が手売りを行う。

記念ボトルのラベルを函館競輪場に持参した人の中から抽選で200人にオリジナルクオカード(500円分)または函館競輪グッズが当たる抽選会も実施される。

 

GEKIOSHI7

競輪界初の試みとして注目されたのが「GEKIOSHI7」(エントリーはすでに終了)。

選手指名ゲームで出場102選手(男子81人+ガールズ21人)から「推し」7人を指名。

その7選手が1-3着に入るとポイントをゲットでき、開催3日間の合計ポイントを参加者同士で競うシステム。

競馬で行われているペーパーオーナーゲーム感覚で楽しめる。

 

優勝賞金は30万円、準優勝10万円、3位5万円、4・5位3万円、6-10位2万円、11-20位1万円で賞金総額は100万円。

他500位まではクオカードが当たる豪華な内容になっている。

 

 

「青森のイベントでPRブースを出したのですが、競輪を知らない方もおもしろそうだからやってみようとエントリーしてくれました。

新規のお客さま獲得だけが目的ではないんですが、結果的に裾野が広がってプラスになったと感じています」

 

ホワイトガールズプロジェクト

「ホワイトガールズプロジェクト」(WGP)はガールズケイリンの北海道所属選手を養成、誕生させるため、日本競輪選手会北海道支部を中心とした函館競輪が2016年に立ち上げたプロジェクト。

これまでに9人が養成所を受験し、7人(現役は4人)がプロデビューを果たしている(1人は在所中、1人は来年再受験予定)。

 

そのWGPからまた一人、期待の新星が現れた。

神戸暖稀羽(かんべ・ののは)=北海道=は2003年生まれの19歳で今年5月にプレデビュー、7月に本デビューをする124期。

 

神戸暖稀羽

 

北海道岩見沢市出身の神戸はガールズケイリン選手を目指すべく、実家を離れ、自転車部のある函館市の函館大谷高校へ進学した。

自転車部は施設が整っているとの触れ込みだったが「私が入学する前にワットバイクが全部、壊れちゃったんですよ。モニターも全くつかなくて」の憂き目に遭遇。

 

そこで1台約40万円のワットバイクを自力で購入するために母のアイデアで「最北端の函館競輪場からプロ競輪選手を目指す! 道産子女子高生が親元を離れて挑戦」と銘打ってクラウドファンディングを行い、話題となった。

見事に目標金額を達成し、自分専用のワットバイクをゲット。

2020年、高2からWGPに参加。

一歳上の畠山ひすい(北海道)とともに練習に勤しんだ。

 

2021年全日本自転車競技選手権500メートルTT2位、スプリント2位など活躍し、養成所には1回目の試験で入所を果たした。

「高校時代からダッシュには自信があった。問題は持久力」。

それを克服するために、養成所では先行にこだわり逃げまくってきた。

そのため、在所成績は23人中16位と低いが、卒業記念レース、プレデビュー初戦の四日市で決勝進出を果たしており、まさに実戦向きだ。

 

19歳と若く、伸びしろだらけ。「明るくて元気いっぱい」(函館市競輪事業部・扇谷圭一部長)とスター要素も満載だ。

 

また、今年の4月には「ホワイトガールズプロジェクトU18」(アンダー18)も立ち上がった。

中学2年生以上の将来、養成所受験を目指す人を練習生として受け入れる。

「若い段階からガールズ選手を目指す気持ちがある人なら最大で約5年間競輪場で練習できる。基礎的なものをたくわえて受験に挑めます」(扇谷部長)。

 

すでに問い合わせも多数あり、選手会が地元の自転車部のある学校に呼び掛けも行っている。

「学校では陸上部だが、自転車もやってみたいという方も歓迎です」。

身体能力に自信のある女子高生にとっては願ってもないプロジェクトだ。

 

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