『GⅠオールスター競輪』15日開幕 埼玉県県営競技事務所の笠原英之所長に聞く

2023.08.14

夕刊フジ 8月14日発行号掲載

 

日本の公営競技である競輪が再び盛り上がりの気配を見せている。

2022年の車券(勝者投票券)総売り上げは1兆797億8428万8600円で2003年以来、19年ぶりに1兆円を超えた。

15日からは埼玉県所沢市の西武園競輪場で「第66回オールスター競輪」(GⅠ)が開催される。

主催する埼玉県県営競技事務所の笠原英之所長に話を聞いた。

 

 

オールスター競輪は、ファン投票で選出されたS級トップレーサー135選手が優勝賞金5700万円をかけて熱戦を展開する。

また、同様にファン投票で選ばれたガールズケイリンベスト7で争われる「ガールズドリームレース」が17日第11R、8-14位の「アルテミス賞レース」が16日第11Rで行われ、男女ともにスター選手が真夏の西武園に集結する。

 

昨年の65回大会も同場で行われており「オールスター競輪といえば西武園とお客さまに認識していただければ」と笠原所長は熱く語る。

「2年連続でGⅠであるオールスターを西武園で開催できることは光栄です。昨年は西武園で14年ぶりのGⅠ開催でほとんどゼロからの状態でしたが、今年は昨年の経験を生かせます」。

 

昨年はコロナ禍のためいろいろな制限もあったが「今年は何の制限もないので昨年以上に盛り上げたい。われわれが盛り上げれば選手のみなさんも素晴らしい走りをしてくださると考えています」

 

笠原所長は今年4月に着任したばかり。

過去に公営競技に関わったこともなく、競輪はまさに未知の世界だったが「着任してからの4カ月間、本場開催はもちろん、他場の開催にも行き、競輪を観戦しました。レース展開がわかるようになってくると競輪の奥深さも感じます」と今では競輪に魅了されている。

 

所長自身が全くの競輪素人だっただけに、面白さを感じてもらえれば新規ファンは着実に増えると痛感している。

「競輪は今、ネット投票が伸びていて売り上げも上がっているが、やはり競輪場に来ていただいて競輪ファンになっていただきたい」と力を込める。

 

競輪の売り上げが好調な要因の一つに無観客、車券はネット販売のみという深夜開催の「ミッドナイト競輪」の実施が上げられるが、今回はトップ選手が集結するオールスター競輪。

生観戦してもらう絶好の機会であり、来場を促すための各種施策を用意した。

 

 

今大会ではオールスター競輪アンバサダーとして元K―1世界王者でタレントの魔裟斗を起用。

笠原所長は「魔裟斗さんは幅広い年代にファンがいる。格闘技好きな方が競輪に目を向けてくだされば」と狙いを話す。

 

7月17日には魔裟斗が解説を務めた「K-1WORLD GP2023」両国国技館大会でオールスター競輪のPRを実施。

 

K-1 ラウンドボードのPR

 

ラウンドボードにはオールスター競輪のロゴが掲出されたほか、ガールズケイリンの新井美菜(埼玉)が第16試合の勝者である与座優貴にトロフィーを手渡すなど、オールスターを存分にPRした。

 

「K-1 WORLD GP 2023」の新井美菜

 

さらに魔裟斗は自身のユーチューブチャンネルで西武園バンクを見事に疾走する動画を公開。最終日(20日)にトークライブを本場で行う。

 

この他にも、西武園競輪場への来場で楽しめる各種施策が用意され、食の目玉は金沢カレーでおなじみの「ゴーゴーカレーグループ」とのコラボ。

平原康多や太田りゆら埼玉支部の選手が「夏に食べたいもの」とのアイデアを出し、埼玉県伊奈町にある日本薬科大学の監修で東洋医学の観点を盛り込んだ、栄養豊富で夏でも食欲が湧くオリジナルメニュー「オールスターGO!GO!カレー」を開発した。

オールスター開催期間中に西武園競輪場限定で各日100食が販売される。

 

オールスターGO!GO!カレー

 

さらに、毎年秋に県内で行われる「アニメ・マンガまつりin埼玉」(通称・アニ玉祭)とのコラボも昨年に引き続き実施。

今年はガールズケイリンキャラクターコンテンツプロジェクト『リンカイ!』を巻き込んで「リンカイ! Realきゃんぷ」と銘打って元ガールズケイリン選手の高木真備氏がリンカイ!の人気声優陣に競輪をレクチャーする。

 

 

西武園競輪場は、駅から近いアクセスや西武園ゆうえんちに隣接していることなどの強味を生かして、競輪非開催日には競輪以外の目的でも活用されている。

場内には「サイクルシアター」と呼ばれる立見席を含む収容人員約600人の多目的スペースがある。

楕円に広がるすり鉢状のシアター会場はどこの座席からでもステージが見やすく、一体感が味わえる。

各種研修会や講演会、発表会・音楽ライブ・握手会・サイン会・物販販売会などにも活用されており、7月にもアイドルグループ「OCHA NORMA」の3rdシングル発売記念イベント(ミニライブ&ファン交流)が行われ、約600人のファンが訪れにぎわった。

 

また、7月15日から17日の3連休には場内のロビーなどを活用して主に地元住民を対象としたお祭り「納涼祭」が行われた。

ベトナム在住で世界的な活躍を続ける人気DJ、KAZHOさんによるパフォーマンスを目玉に各種屋台も出店。

家族連れらが、隣接する西武園ゆうえんちで打ち上げられる花火を鑑賞しながら夕涼みする光景も見られた。

 

納涼祭 DJKAZHO

 

更に恒例行事として、競輪ファンと未来の競輪選手を発掘するべく「プロ選手から学ぶ! 競輪と自転車競技!」という体験型イベントを開催している。

小学生とその保護者約50人が参加し、アスリートとしての競輪選手の魅力、競技用自転車の構造、選手の講義やレース映像で競輪やその他自転車競技についての知識などを現役競輪選手が参加者に伝授。

参加者は西武園バンクを歩いて、傾斜や距離を体験し、選手による模擬レースをバンク内から観戦して実際のスピードも肌で感じることができる。

 

 

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