10月2日から松戸競輪場で開催「第1回オールガールズクラシック(GⅠ)」

2023.09.30

夕刊フジ 9月30日発行号掲載

 

「第1回オールガールズクラシック」(GⅠ)が10月2日から4日までの3日間、千葉県松戸市の松戸競輪場で開催される。

シリーズを通して出場選手全員がガールズという史上初のGⅠ大会を控え、施行者である松戸市の経済振興部公営競技事務所・岡田卓所長と染谷覚専門監に開催への意気込み、競輪と市民との関わりなどをインタビューした。

 

昨年、誕生から10年を迎えたガールズケイリンだが、女子選手によるレースはかつて女子競輪として1949年から64年まで行われていた。

松戸競輪では、男子選手による競輪だけではなく『女子アスリートによる競輪レースも今後、お客さまに楽しんでもらえるのではないか』と考え、2007年に「LOVE9」という女子競輪レーシングチームを結成。

本場開催時にエキシビションレースを実施していた。

 

Love9 レース

 

「LOVE9」は最盛期には15人で活動。

メンバーに自転車競技の経験はなかったが日本競輪学校(現・養成所)での訓練を経て、エキシビションレースができるまでに仕上げられた。

レースは9人で実施され〝競輪〟と同じくラインを組んで行われた本格的なもの。

そして「LOVE9」はレースで魅せるだけでなく、場内ステージでは「踊って」「しゃべって」「歌って」と来場者を楽しませた。

 

Love9 ダンス

 

ガールズケイリンは昨年、復活から10周年を迎え「プロスポーツ競技の真ん中へ」をコンセプトにリブランディングが行われた。

それにより年末の「ガールズグランプリ」を頂点に「オールガールズクラシック」「パールカップ」「競輪祭女子王座決定戦」のGⅠ3大会が新設された。

 

「ガールズケイリンが発足から10年たち、ついにガールズ選手のみによるGⅠ大会が松戸で開催できることはガールズケイリン復活に力を注いできた当場としては感慨深いです。さらにガールズケイリンを一般の方に幅広く知らしめ、より一層発展し、業界全体がさらに進展してほしいと考えています」(岡田所長)

 

競輪業界はネット投票が好調で売り上げは右肩上がり。

その反面、本場への入場者数は減りつつある。

「競輪の醍醐味を知っていただくためにも本場に来場していただき、スター選手によるスピード感、車輪の音、パフォーマンスなど迫力あるレースを生で観戦していただきたいです」と岡田所長は本場への来場を呼び掛ける。

 

「そのためには松戸は集客力の高い場という利点を生かし、ビッグレースの誘致を積極的に行い、迫力あるレースをお客さまに提供するとともに一般の方々にも親しみやすく、楽しめる競輪場づくりをし、競輪を幅広く周知できる競輪場とならなければならないと考えています」

 

 

◆ 社会貢献

 

松戸競輪は1950年の開設以来、200億円以上を市の一般会計に繰り出してきた。

「コロナ禍で窮屈な思いをした市民の皆さんにストレスを発散してもらおうと考え、今年は1億円を松戸市花火大会イン2023に財源として繰り出しました」(岡田所長)。

 

 

また、近年では松戸市は保育に力を注いでおり、「松戸手当」(保育施設従事者支援補助金)という待遇があまりよくないとされる保育士への手当てにも充てられている。

低給料が原因で松戸市から他市へ流出する保育士の離職防止や定着化に役立っており、待機児童はゼロを誇る。

 

競輪場は財政面で市民に貢献しているが、貢献といった意味で松戸市を一躍、有名にしたのは1969年10月、市役所に当時の市長・松本清氏(ドラッグストア・マツモトキヨシ創業者)が設立した「すぐやる課」だろう。

いわゆるお役所仕事を打破し、市民サービスの向上を目的として日本初の即応部門として全国的に報道された。

 

染谷専門監は2016~17年の2年間、すぐやる課に在籍。

ハチの巣駆除や軽微な道路補修など多彩な経験をし、松戸市の市民と行政の近さを肌で感じたという。

 

 

◆ 場内施設

 

松戸競輪場はJR常磐線・北松戸駅から徒歩約3分と抜群にアクセスがいいことも特長だが、スタンド施設の充実もそのひとつだ。

 

3Fの特別観覧席(728席)は全席卓上モニターが完備され、グループで楽しめる桟敷席(2ブース)は靴を脱いで畳、じゅうたんの上でくつろげる造りで人気だ。

 

 

また、最上階のロイヤルルーム(60席)は全国屈指の豪華さを誇る。

ゴールを見下ろす窓際でレースを観戦し、後部にあるゆったりとしたソファで車券検討ができる。

 

 

場内には一度は見ておきたい芸術作品も多い。

特観席入口(屋内)には「日月万丈富岳」(絹谷幸二作)、入り口外側にはロシア出身のアーティストで昨年、松戸市で創作活動を行っていたアンドレイ・ビエルゲル氏の煙をモチーフにした大きな絵画があり、こちらはスマホで専用のリンクを開き、カメラをかざすとAR(拡張現実)によって立体的に煙が出ているように見える。

 

「日月万丈富岳」(絹谷幸二作)

 

アンドレイ・ビエルゲル氏の作品

 

一般席でも2階には世界のビールを販売する売店『With Dream』が設けられるなど、アフター5を楽しむ多くの観客でにぎわっている。

 

 

◆ イベント情報

 

今回のオールガールズクラシックはビッグレースには珍しい月~水曜日の日程だが「平日開催でお客さま来場促進企画には大変苦労しましたが、年齢を問わず楽しんでいただける親しみやすい競輪場作りを主眼にしました」(岡田所長)と多彩なイベントが用意されている。

 

初日(2日)にはサンリオキャラクターとの撮影会、ほいけんたお笑いライブ、2日目(3日)は完熟フレッシュ、ぱーてぃーちゃんお笑いライブ、最終日(4日)にはバンク内でhitomiのスペシャルライブが行われる。

また、場内に特設会場を設置し、BMXライダーによるパフォーマンスも実施される。

 

レース実況にも女性を起用する。

元ガールズケイリン選手で現在は主に小松島競輪場で実況をしている岩原紗也香さんが3日間全レースを担当し、花を添える。

 

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