夕刊フジ　６月１１日発行号掲載

「第７５回高松宮記念杯競輪」（ＧⅠ・令和６年能登半島地震復興支援競輪、大阪・関西万博協賛）は今年も大阪府岸和田市の岸和田競輪場で１１―１６日の６日間の日程で開催される。前半３日間（１１―１３日）でガールズケイリンの「第２回パールカップ」（ＧⅠ）も同時に行われる。

大会の見どころや岸和田競輪の魅力を岸和田けいりんＰＲ大使の白井美早子さん、岸和田市公営競技事業所・松下貴志所長に語っていただいた。

白井さんインタビュー

岸和田けいりんＰＲ大使に今年４月、元ガールズケイリン選手の白井美早子さんが就任した。

白井さんは２０１２年７月に１０２期生として京都籍でデビュー、同年１１月に大阪に移籍した。昨年１２月３０日の松阪がラストランになり、今年１月選手登録が消除された。

「引退したタイミングで競輪を広めたい、ＰＲ活動をしていきたいと思っていたところに今回のＰＲ大使のお話をいただきました」

　デビュー当日の白井美早子さん

先月１９日にはＪリーグ・ガンバ大阪のホームグラウンドであるパナソニックスタジアム吹田で今大会のＰＲを兼ねたイベントに参加した。「岸和田競輪のブースを出して大会の告知動画を流しながら大阪支部の選手にご協力いただいて、ワットバイクという選手が練習で使うインドアバイクをお客さまに体験していただきました」

同時に競輪に関するアンケートも実施した。　「ほとんどのお客さまが『競輪選手を生で見るのが初めて』『大阪府内に競輪場があることを知らない』『競輪はネットで観戦したことがあるけど、競輪場には行ったことがない』という方が多数いらっしゃったので、今後の活動としては競輪場に来ていただく、もっと競輪選手の魅力を知っていただくことですね。興味を持ってくださっているのは肌で感じられたのでこれをどうやって今後につなげていくのかが課題です」

白井さんはガールズ１期生として業界をけん引し、もちろん、ＰＲ活動にも積極的に参加してきた。「現役時代はイベントに出演しても予想行為は当然、することができませんでした。引退して今はレースの解説や予想もさせてもらっています。今はお客さまに少しでも多く、車券を購入していただけるように購買意欲を高められるように〝２車単の穴目〟をつけ加えるようにしています。それが当たると達成感を感じますね」

　パナソニックスタジアム吹田でＰＲした大阪支部の選手たち

元所属選手である白井さんから見た岸和田競輪の魅力とは。

「今は業界を代表する選手である古性選手が岸和田に在籍しているのが一番の魅力だと思います。お客さまはもちろん、関係者の熱量も変わってきますよね。施設面は３年前にリニューアルされました。本場開催中と土、日、祝日に開かれるキッズルームはお子さま連れのお客さまに好評です。Ｋスポットという大阪支部の選手の貴重なグッズや過去に行われた高松宮記念杯のユニホームなどが展示されているスペースもあります。ＦⅠの本場開催時には現役の大阪所属選手が登場し、お客さまと交流しています。普段、お客さまと選手は接することがなかなかないので、直接選手と話すことができる機会を提供しているというのも魅力の一つですね」

白井さんが岸和田の将来を背負って立ってくれると注目している選手は。

「男子なら１１３期の福永大智選手ですね。今年デビュー７年目を迎えて２月の全日本選抜でＧⅠデビューを果たし、今回がＧⅠ３回目の出場です。戦法の特徴としてはラインを大事にしていて、スプリント能力が高いのでダッシュ力を生かした走りで仲間の選手の期待に応えてくれます。ガールズは今、養成所に入っている酒井亜樹候補生。元ＢＭＸの選手でドゥールース（日本競輪選手会大阪支部が立ち上げた法人団体）出身なので面識があります。ナショナルチームにも所属して日本記録も出して能力の高さは文句なし。古性選手もＢＭＸ出身なので選手になってからの大活躍が期待できますね」

大阪支部の福永大智選手

岸和田けいりんＰＲ大使として、また引退した元ガールズ選手として今後はどんな活躍を考えているか。

「まずは競輪を知らないお客さまに競輪を知っていただいて、車券を購入していただきたいです。あと、まだ女性のお客さまが少ないと感じているので競輪場に来ていただけるきっかけを作りたいです。１回だけじゃなく、継続してお越しいただけるように頑張りたいです」

松下所長インタビュー

　岸和田市公営競技事業所・松下貴志所長

――昨年は、ガールズ初のＧⅠ大会であるパールカップが新設され、高松宮記念杯競輪も６日制に生まれ変わっての開催でした

「昨年４月に現職に就任して初めての宮記念杯でした。古性選手が初戦で落車してどうなることかと思っていたら、優勝して感動したのを今でも鮮明に覚えています。そこまでの２カ月ではお客さまがあまり入ってないなあと思っていたのですが、さすがに宮記念杯は大勢のお客さまに来場していただきうれしかったです」

――今年の見どころは

「大会連覇中の古性選手が３連覇なるか、です。古性選手なら達成してくれると思っています。イベントは昨年同様、競輪のスポーツ性を重視し、アスリートのトークショーです。元阪神タイガースの岩田稔さん、五輪イヤーですので元競泳選手で金メダリストの北島康介さんが出演します。北島さんは公営競技でのイベント出演は初めてとのことで、表彰式でもプレゼンターとして登壇していただきます。また４月にＰＲ大使に就任していただいた白井美早子さんも実況中継番組やイベントでフル稼働してくれますのでそちらもお楽しみください」

――岸和田競輪の将来像は

「施設面では現在、選手宿舎が敷地外にあるので現在、ＢＭＸコースがあるバック側に新しい宿舎を建設し、ＢＭＸコースは今、駐車場のあるところへ移してすべてが場内に備わるように計画しています。ハード面を充実させて、古性選手のような業界を代表する選手を岸和田から輩出し続ける環境づくりもしていきたいです。早ければ５年後に着手したいです。また、毎年、８月中旬に開催しているお祭り『ふぁみりー夕涼み会』は昨年で１８回目を迎え、毎年４０００人ほどのお客さまにお越しいただいております。地域の皆さんともこれまで以上に交流していきたいです」