「第33回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」17日開幕 弥彦競輪の栁川治美所長に聞く

2024.10.16

夕刊フジ 10月16日発行号掲載

 

「第33回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」(GⅠ・大阪・関西万博協賛)は17日から20日までの4日間、昨年と同じく新潟県の弥彦競輪場で開催される。

就任後、2回目となるGⅠ開催を直後に控える弥彦村産業部公営競技事務所の栁川治美所長に今大会、弥彦競輪の未来について語っていただいた。

 

弥彦村産業部公営競技事務所・栁川治美所長

 

栁川所長は2022年4月に同職に着任し、今年で3年目を迎える。昨年はGⅠ開催も初めて経験した。

「本当に多くのお客さまが全国各地から来てくださっていたので、いつもとは全然違った光景を見ることができました。イベントがあるとステージ前はもうギュウギュウに人が集まってくださっていて。以前もGⅠ、記念(GⅢ)などのお手伝いで来たことはあったのですが、見る立場が変わって不安やら心配やらたくさんあってあっという間に4日間、過ぎてしまいました。あんなにたくさんのお客さまに盛り上げていただいて本当にうれしかったです」

 

それから1年が過ぎ、再びGⅠ大会を迎える。

「開催が近づいて緊張感がありますが、また、昨年同様に多くのお客さまにお越しいただいて、本場の空気感を感じながら、トップレーサーの走りを見て感動していただきたいです」

 

弥彦競輪場

 

コロナ禍も落ち着き、弥彦にも観光客が戻ってきている。

「一昨年にそれまで2カ所(宝光院側、神社側)だった入場口に加え、鹿苑側入場口という弥彦神社に観光で訪れた方が通る場所に新たな入場口を作りました。『こんなところに競輪場があるの?』と気づいて入ってくださる方が増えましたね。私がたまたま通りかかったときにご夫婦が『ここは入れないよね』とお話ししていたので『無料なんでぜひどうぞ』とご案内したこともあります。『新潟県に70年以上住んでるけど、競輪場に入ったのは初めて』と喜んでくださっていました」

 

競輪開催の目的は財政への貢献が第一だが、弥彦競輪ではそれに加えて〝競輪場の多目的利用〟を狙って競輪開催以外にもさまざまな施策を行っている。

2022年から行われているのは「弥彦村納涼音楽祭」。今年も8月に行われ、3回目となる今回は島谷ひとみ、木山裕策ら著名なシンガーがバンク内に設置された特設ステージで熱唱したほか、バンク内側に設けられた特設ステージを飛び出し、バンク上でもパフォーマンスを展開。観客は超至近距離で鑑賞することができた。入場は無料。

 

 

9月には「星降るやひこけいりん場」と題したアウトドアイベントも開催。バンク内の芝生部分にはテントサウナと水風呂が設置された。

「お父さんはサウナと水風呂とイスで整って、一緒にやってきたお子さんは昼間は太陽観察、日が暮れてからは星座観察。ちょっと離れたところではまき割り体験や焼きマシュマロなども楽しんでいました」。

参加費はこちらも無料(一部の特別イベントを除く)の太っ腹企画だ。

 

星降るやひこけいりん場 バンク内に建てられたテントサウナと弥彦村公式キャラクターミコぴょん

 

本場開催時に行われた「美活」も好評なイベントだ。女性限定イベントで、参加者はまず、競輪の楽しみ方を元ガールズケイリン選手の田中麻衣美さんからレクチャーを受け、車券を購入する。ハズレてもそのハズレ車券は同時に行われているワークショップの参加券に生まれ変わる。

 

美活イベント

 

先月29日の開催では、サンキャッチャー制作、マッサージ、占い、お菓子作りなどが実施された。

「今年は3回行ったんですが、前年開催のアンケートに『ランチもあったらうれしい』という回答があったので今年度はランチも提供しました」という超お得イベントだ。

 

 

イベントを見た弥彦村の本間芳之村長は「競輪場にも女性専用スペースがあったらいいのでは」と話したそうで、「残念ながら今はないんですが、できるだけ近いうちに女性専用スペース、作りたいです」と競輪場ではあまり見かけない女性専用ルームができる可能性大だ。

「競輪場って来づらいイメージがあると思うので、無料でイベントを行うことに意味があると思います。こんな楽しいところなら次はレースのあるときに来てみようか、というきっかけになりますからね」

 

弥彦競輪は8月、プロサッカークラブのアルビレックス新潟とオフィシャルクラブパートナー契約を結んだ。

「同じ新潟県のプロスポーツつながりということでファンの皆さんたちもお互いに盛り上げていこうという感じです。アルビレックスファンの方が数多く、弥彦競輪のXをフォローしてくださったりしています。相乗効果で両者ともファンが増えてくれるとうれしいです」

 

今回の活動の一環として、現役時代アルビレックス新潟などで活躍し、現在はアルビレックス新潟で執行役員・営業本部長として活動している野澤洋輔さんが寬仁親王牌開催を控えた弥彦競輪場を訪問。

「選手も登場!【突撃取材】弥彦競輪に営業部野澤が迫る‼」と題した動画がアルビレックス新潟の公式YouTubeで公開されている。

動画では、野澤さんが地元の佐藤政利選手(日本競輪選手会新潟支部長)からレクチャーを受け、実際にバンク走行にチャレンジしたほか、元競輪選手の池端将巳さん(新潟・79期)が店主を務める弥彦競輪場内の飲食店「ラーメン輪」での食レポなど、弥彦競輪の魅力が詰まった内容になっている。

 

池端将巳氏のラーメン店を訪れた野澤洋輔氏

 

野澤さんは19日にも公開予想会のゲストとして来場。当日は弥彦競輪とアルビレックス新潟のコラボトートバッグのプレゼント(先着1000人)も予定されている。

 

さらに今大会は野澤さんの来場以外にも〝新潟色〟が前面に打ち出されている。

「初日(17日)は開会式で新潟県出身のシンガーソングドライバー・中澤卓也さんが国歌独唱。最終日(20日)には佐渡を活動拠点としている太鼓芸能集団『鼓童』が昨年に引き続き、パフォーマンスします。鼓童の皆さまには表彰式のプレゼンターも担当していただきます」

 

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