【夕刊フジ】KEIRINグランプリシリーズが静岡競輪場で28日に開幕 静岡市公営競技事務所の三浦章由所長に聞く
2024.12.27
夕刊フジ 12月27日発行号掲載
輪界の大一番「KEIRINグランプリ2024」(GP)は12月30日に今年は静岡県の静岡競輪場で開催される。優勝賞金は過去最高額の1億4000万円(副賞含む)に上がり、注目度もさらに高まる。
施行者である静岡市公営競技事務所・三浦章由所長に年末の大一番を前に静岡競輪について語っていただいた。
―今年は長期間開催を休止して大規模改修を実施されました。どのような工事でしたか?
「アスファルトをはがしてバンクの大改修をしました。大改修は33年ぶりです。あとは選手宿舎ですね。建設から30年ほどが経過して傷んできた空調や水回り、外壁を直しました」
改修後のバンク
―改修も終わりKEIRINグランプリ本番に向けて万全の状態かと思いますが、来場者数の見込みはどうですか?
「静岡でグランプリが開催されるのは3回目です。1回目(2018年)のグランプリ当日は2万2000人ほどお越しいただいたのですが、前回(21年)はコロナ禍で5000人を上限にしなければならず、ちょっとさみしい感じでしたね。今回は1万8000人から2万人程度のお客さまにお越しいただけると想定しています」
―普段からトップクラスの入場者数ですが、その理由は何ですか?
「静岡市は土地が平らで自転車で通勤、通学する方が多く、都市計画の部分でも自転車を活用したまちづくりを掲げています。それで自転車となじみが深く、競輪とも親和性があるのではと思います。県内に公営競技場が4場(静岡競輪、伊東温泉競輪、浜名湖ボート、浜松オート)ありますが、東部、中部、西部とうまく分散しているのも要因かと思います」
―ファンから支持されている静岡競輪場ですが、市民とはどのように関わってきましたか?
「毎年、近隣の小学生が社会科見学に訪れています。今年はバンク改修中だったので、工事現場見学会として実施しました。普段は入れないバンク内にも入っていただきました。2月には『BANK FESTA』というイベントも行って好評を得ました。今回はバンク改修直前だったので、チョークでバンクに絵を描いてもらったり普段はできないこともしました。来年以降も開催予定です」
バンク改修時の地元子供たち見学会
―公営競技開催の目的でもある財政面ではどのような貢献をされていますか?
「収益は一般会計に繰り出して社会福祉、教育関係などに使われています。今年度は6億円を繰り出す予定で1953年からの総額は約998億円になります」
―三浦所長の考える静岡競輪場の未来像を教えてください
「競輪は五輪にも種目があるように、生で見ていただければ面白い競技だと感じてもらえると思います。現場ではスピード感や選手同士がぶつかり合う迫力など、スポーツ面でのおもしろさも感じることができます。ネットでの売り上げが好調で車券の売り上げも増えていますが、一方で競輪場への来場者は減っています。ネットで車券購入を始めた方も競輪場に足を運んでもらえるきっかけになるようなイベントなどを行って来場者を増やしたいですね」
全国でも珍しい取り組みとして静岡競輪では、アニメやアイドルなど幅広いジャンルの〝オタク選手〟を中心に出場レーサーが斡旋(あっせん)される「オタクな鈴木酒店と臥龍梅杯」が開催されている。
前回は昨年11月に行われ、前検日にはおのおのがグッズ持参で撮影に臨み〝推し〟を猛アピール。
大会名にある鈴木酒店は〝オタクな酒屋〟を名乗る静岡市内のお店で、臥龍梅は同市の三和酒造が醸造する日本酒の銘柄。開催中は場内の特設ブースで萌えキャラがパッケージに印刷されたお酒などの販売もされた。
今年度は来年1月19―21日に「オタクなリンカイ!と臥龍梅杯」(FⅠ)として行われる。
オタク選手
全国屈指の来場者数を誇る静岡競輪場だが、さらなる競輪ファン獲得などを目的に今年は新たな取り組みとして、静岡商工会議所青年部の会員を招待した観戦ツアーを場外発売日に実施した。
OB選手による競輪ビギナーズ講座では出走表の見方やマークシートの塗り方など車券購入に必要な最低限のルールを解説。
その後行われたバックヤード見学では、普段入ることのできない検車場や選手宿舎を現役選手が案内し、ローラー台での練習実演なども行われ、娯楽、スポーツと競輪の両面の魅力が学べたと好評なイベントだったようだ。
静岡商工会議所青年部招待イベントの集合写真
静岡競輪場では、多くの人々を収容できる競輪場というロケーションを生かして、子供たちを対象としたダンスイベント「がんばるキッズを応援‼ SHIZUOKAKEIRINダンスコンテスト」を2022年から開催している。
例年、2月のチャンピオン決定戦進出を目指して前年6月から予選が始まる大がかりなもので、ジャッジは毎回2人のプロダンサーが行う。
大会にはキッズ部門(4歳~小6)とティーンズ部門(中・高生)があり、昨年は全国から集まった各36チームが練習の成果を表現した。
今年度も2月にチャンピオン決定戦が行われる。
ダンスコンテストの風景
今年1月には、静岡市内にある、子供を対象とした仕事やものづくり体験ができる施設「こどもクリエイティブタウン ま・あ・る」の館外講座として「静岡けいりん場へ行こう!」と題したイベントも行われた。
当日はOB選手を講師に迎え、現役時代の話を交えて競輪を解説。バックヤード見学には地元の日高裕太選手と杉沢毛伊子選手も参加し、自転車の組み立てやローラーでの練習を実演するなど、子供たちにとって地元のプロスポーツである競輪を身近に感じることができるイベントとなった。
この模様は「ま・あ・る」のホームページ内のプログラムレポートで公開されている。
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