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<後編>今年後半のビッグレースで台風の目になるはずだ!吉村早耶香【松本直のガールズケイリンちょっとイイ話】

特別企画 2023.05.31



“ミスターガールズケイリン”と異名を持つ、デイリースポーツ・松本直記者の人気コンテンツがけいりんマルシェからお引っ越し!

松本記者しか知らないガールズ選手の秘話や“いい話”を紹介します。



<前編>はこちら



日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)卒業後は師匠の村本大輔氏の下でしっかり競輪選手のベースを作る乗り込み練習を積み重ねた。


吉村早耶香にとって師匠はどんな存在なのか。


「師匠は自分の自主性に任せてくれる。

練習の指示をしてくる感じではないけど、自分が困っている時に聞きにいくと何でも教えてくれる。

困っている時に一番的確なアドバイスをくれる大事な存在です」


デビュー戦は2017年7月。地元静岡で迎えた。

競輪選手が地元バンクでデビュー戦を走れることはとても名誉なことだ。


「デビュー戦が地元に決まった時はうれしかった。

111、112期の卒業記念レースも静岡競輪場で行われてすごく盛り上がった。

デビュー戦は家族や知り合いが見に来てくれました。

ガールズケイリンに進むことを最初は反対していた母方のおじいちゃんも応援に来てくれて、本当にうれしかった」


デビュー戦の1走目は果敢に風を切って先行勝負で結果は5着も、2走目には先行逃げ切りで初勝利。

決勝進出も果たした。


デビュー3場所目の8月千葉では初優勝も達成。

順風満帆な選手生活をスタートさせた。


「デビュー当時は夢中で開催に参加して走っていただけ。

あんまり記憶がないんです。

レースのことも緊張であまり覚えていないけど、とにかく周りの選手より軽いギアで走っていました。

ガールズケイリンのことをよく知らなかったんだと思います」


デビュー1年目は結果より内容重視。

積極的なレースをする吉村早耶香をファンにアピールした。


吉村と愛犬のバウちゃん


2年目は年頭の高松で初めての落車を経験。

大事には至らず、3月高知では2回目の優勝を達成。

勢いに乗るかと思ったが、夏の練習中に落車。

右腕を骨折してしまったのだ。


「初めてビッグレース(ガールズケイリンフェスティバル)に出場した後の練習中に落車。キツかったですね。

3ヶ月休んだので、焦りもありました」


長期欠場も気持ちを切らさず調整と練習を積み重ねた。

同期の活躍も刺激になり、早くレースに復帰したいという気持ちを持ち続けたことで、10月の復帰から4場所目の富山で優勝を決めることができた。


デビュー3年目、4年目はコンスタントに決勝進出は続けるも、なかなか優勝の結果を出せない日々が続いた。

この頃のことを振り返り「腰の痛みが出ていたこともありますが、チャンスがある開催でも優勝をモノにすることができなかった。

練習だけでは補えないものがあると思って同期の梅川風子さんに相談をして1から作り直そうとなりました。開き直りました」



2020年12月京王閣、2021年6月名古屋で落車。

名古屋の落車では左鎖骨を骨折したが、大きく崩れることはなくなった。

基礎から作り直した成果で、下地がしっかりしたことで成績が安定してきたのだ。


昨年後半には富山、静岡で連続優勝。

今年に入ってからも京都向日町、京王閣を連続優勝。

2023年から新設されるガールズケイリンGⅠレースでの活躍も期待される。


「体の状態が良くなり、師匠の作る練習メニューをできるようになったことが大きい。

違反点の累積があり、6月はあっせんしない処置。

競走得点でパールカップの出場権は取れていたので残念だけど、次のGⅠには出られるように頑張りたい。

6月は1ヶ月計画的に練習をして7月に戻った時にいいレースができるようにしたい」



妹・美有紀(124期)の存在も大きい。

姉がガールズケイリンで活躍する姿を追いかけて選手を目指しただけにカッコいい姿は見せていきたい。


「高校2年生の時に選手を目指したいって言ってくれた。

一度(日本競輪選手養成所の)試験は落ちてしまい、2度目で合格。

師匠は自分と一緒で村本大輔さん。

これからは一緒に練習をすることもできるし、自分にとっても大きい。

妹は自分と違ってしっかりしている。

頼れる妹なので、2人で頑張っていきたいですね。

いずれはビッグレースに2人で参加できればいいですね」と話してくれた。


6月はあっせんが止まるため、ガールズケイリン初のGⅠレースへの出場は叶わなかったが、7月ガールズケイリンフェスティバル(函館)、10月オールガールズクラシック(松戸)、11月競輪祭女子王座戦(小倉)と今年後半のビッグレースで吉村早耶香は台風の目になるはずだ。


「もっと強くなりたい。大きなステージに立てるように頑張る」と誓った吉村早耶香の挑戦はこれからだ。



吉村早耶香 Sayaka Yoshimura


生年月日:1997年7月28日

期別:112期

身長:163.0cm

登録地:静岡県

詳しいプロフィールはこちら


松本直 Suguru Matsumoto


誕生日:1979年5月1日

所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)


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