“ミスターガールズケイリン”の異名を持つデイリースポーツ・松本直記者しか知らない、ガールズ選手の秘話や“いい話”を紹介します。
杉浦菜留は愛知県岡崎市の出身。
妹、弟と3人きょうだいの長女として育った。
小さい頃から活発で勉強よりも体育が好きな少女時代を過ごした。
自転車好きな父親の影響でロードやマウンテンバイクに乗っていたが、父の熱血指導がキツかったこともあり、「泣きながら自転車に乗っていた。小さい頃は自転車が嫌いだった」そうだ。
自転車以外の運動は、小学校ではバレーボール部、中学校では卓球部に所属していた。
ガールズケイリンとの最初の出会いはJKAが主催する「ガールズサマーキャンプ(現:トラックサイクリングキャンプ)」。
中学3年生の夏休みに父の勧めで伊豆の日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)で行われたガールズサマーキャンプに参加。
この夏の体験が杉浦の気持ちに変化をもたらした。
「サマーキャンプに行くまでは父とのマンツーマンの練習ばかり。
楽しいと思ったことはなかったけど、サマーキャンプでは同世代の自転車競技者に出会えて、一緒に練習することが楽しかった。
ガールズケイリン、やってみたいなって気持ちになりました。
サマーキャンプのときに小林優香さんと鈴木奈央さんと写真を撮ったことも思い出として残っています」
写真左から小林優香、杉浦、鈴木奈央
高校は「家から一番近かった」私立岡崎城西高校へ進学。
高校入学時は中学時代と同様に卓球部に所属。
普通のスクールライフを送り、好きな美容系の仕事に就職するつもりだった。
しかし夏休みが終わるタイミングで状況が一変。
杉浦自身が岡崎城西高校に自転車競技部を作ることを決意。
話はトントン拍子で進み、父が高校の自転車競技部の外部コーチになり、部員は杉浦1人。
親子での自転車競技部活動が始まったのだ。
「最初は嫌々でしたが自転車競技を始めると、他校の生徒との交流も出てくる。
友達ができることで楽しくなっていった。
岐阜第一高校の増田夕華ちゃんとはこの頃からの付き合い。
父親同士も仲が良かった。
写真左から増田夕華、杉浦
部活と並行して豊橋競輪場の愛好会の練習にも参加。
一学年上の鈴木樹里さんと一緒に国体に出たこともありました。
T-GUP(豊橋ガールズケイリン育成プロジェクト)にも参加する機会があり、ガールズケイリン選手を目指してみようと思いました」
高校3年生の秋に日本競輪選手養成所118期の試験に挑戦し、見事一発で合格をした。
「養成所はあっという間でした。
同期の中では高校時代からの付き合いがある増田夕華ちゃんとずっと一緒にいましたね。養成所は8位。卒業記念レースでは決勝に乗れなかったことが悔しかった。
116期で(鈴木)樹里さんが優勝していたし、自分も続きたいと思っていたので」
結果を残せなかった養成所生活を終えると、ホームバンクの豊橋に戻り、デビューまで一生懸命練習に打ち込んだ。
「師匠(鈴木伸之・87期)がいるときはずっと一緒に練習を付けてもらいました。
師匠がレースに参加しているときはバンクで豊橋の先輩たちと練習。
豊橋はガールズケイリンの選手が多いのでいい練習ができました」
後編は
コチラ
杉浦菜留 Naru Sugiura
生年月日:2000年7月23日
期別:118期
身長:160.0cm
登録地:愛知県
松本直 Suguru Matsumoto
誕生日:1979年5月1日
所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)