
10歳のころからスピードスケートをはじめ、大学生から自転車競技に目覚めたとのこと。自転車競技を知り、そこからガールズケイリン選手を目指したきっかけを教えてください。
最初に自転車に乗ったのは、高校三年生のときに参加した「ガールズサマーキャンプ(現:トラックサイクリングキャンプ)」です。卒業後もスピードスケートを続けるか悩んでいたとき、父の勧めで軽い気持ちで参加しました。
競輪用の自転車(ピストバイク)はブレーキもないし、最初はちょっと怖い気持ちもありましたが、実際に乗ってみると「こんな競技があるんだ!」「とにかく楽しい!やってみたい!」と思い、大学から自転車競技を始めました。スピードスケートの経験もあってか、自転車のスピード感、風を切る爽快感に惹かれましたね。

スピードスケート選手時代の東選手。なかでもショートトラックは「氷上の競輪」と言われるスピード勝負の世界
ただ進学した大学には自転車部がなく…兵庫県で自転車に乗れる環境を探していた矢先、父が通っていた接骨院の先生が偶然にも元競輪選手だったんです。その方が、今の師匠である澤田義和選手(兵庫・69期)を紹介してくださったことが転機になりました。
当時はまだ競輪の道に進むことも、ましてやプロ選手になることも考えていませんでした。でも、自転車に乗り続けているうちにプロとして活躍したいと思うようになって、競輪選手を目指すことを決めました。

ガールズサマーキャンプの様子
大学休学を決めて日本競輪選手養成所に入所。覚悟のいることだったと思いますが、当時の思いを教えてください。
大学一年生から自転車競技を始めましたが、大学に通いながら四年間アマチュアとして続けることに対し、悩むようになって。そこで、思い切って大学二年生のときに養成所の入所試験を受けました。無事合格することができたので「競輪に集中しよう!」と思い、休学を決意しました。
現在は大学も復学しています。三年生からゼミも始まったので忙しい毎日ですが、先生や周囲とも相談しながら、選手と大学生活の両立に取り組んでいます。
養成所での練習や生活を振り返っていただけますか?
養成所に入る前は、一緒に練習できる女子選手が少なく男子選手と走ることも多かったのですが、パワーの差もあり中々ついていけず、課題も多い日々でした。養成所では女子選手たちとお互いに切磋琢磨できる環境が整っていて、自分の課題としている瞬発系筋力やダッシュなども鍛えることができ、充実した時間を過ごせたと思っています。

5月7日、ルーキーシリーズ2023四日市競輪場での優勝おめでとうございます!率直な感想をお聞かせください。
優勝は目指していましたが、同期の強いメンバーが揃っていたので当時は嬉しさというよりは驚きが勝っていました。

決勝レースを振り返っていかがでしたか?
(当日は大雨の空模様)天候は気にせず、自分のレースをしようと集中していました。他の選手の間を抜く形になったので少し怖い気持ちもありましたが、ゆるまずに走ることができて良かったです。レース展開を見ながら、最後は得意の追込みがハマりました。臨機応変に対応できたと思います。
師匠の澤田義和選手(兵庫・69期)からはどんな言葉をもらいましたか?
また、周囲の反応はいかがですか?
師匠からは祝福とともに「今後は自力勝負ができるように、捲りや先行ができる脚力をつけていこう」と励ましの言葉を頂きました。また他の選手からも「おめでとう!」と声をかけてもらい、家族も喜んでくれたので「もっと頑張ろう」という気持ちになりました。
7月7日の大垣競輪場が先輩たちとの初レースとなりました。レースの中で感じたことなどがあれば教えてください。
開催中の雰囲気やレース展開もルーキーシリーズとは全く違うもので、圧に押され冷静さを欠いてしまうなど、まだまだ自分に足りない部分を実感しました。課題は残りましたが「もっと練習を頑張らなきゃ」とさらに身が引き締まるレースになりました。

今後、どんな選手になっていきたいですか?
まだまだパワーが足りないので、そこを強化して自力で勝てる選手になりたいです。先行スタイルを貫く奥井 迪選手(106期・東京)のように、馬力があって、観ている人がわっと驚くようなレースができる選手が目標ですね。そしていつかはガールズグランプリに出場したいです。
最後にファンのみなさまへメッセージをお願いします!
常に確定板に乗れるよう全力で頑張りますので、応援よろしくお願いします!