デビューは2020年5月広島のルーキーシリーズ。
予選2走を4、2着でクリアして決勝進出。
決勝は6着(優勝は永塚祐子)。
宮安利紗のまくりに乗って差し、初の1着をゲットした。
養成所では地元の先輩から『先行してこい』って送り出されていたので、逃げにこだわって走っていたけど、ルーキーシリーズは何もできなかった。
本格デビューしてからも周りの様子をうかがいながら走っていた。
自分らしさを出すことなく走っていたので、開催後はもどかしさがありました」と振り返る。
位置取り重視のレースにすると成績は安定したが、4月小倉、5月前橋で失格。
決勝に進んだとしてもモヤモヤした気持ちだけが残っていた。
5月の豊橋、高松と予選でまくりを出して1着をゲット。
7月平塚のガールズケイリン10周年記念『ALL GIRL’S 10th Anniversary』でも負け戦ながらまくりで白星。
『ALL GIRL’S 10th Anniversary』で118期の同期と
8月の小倉で落車。人生初の鎖骨骨折をしてしまった。
すぐに手術をしましたが、鎖骨も痛かったけど心も痛かった。
同期の活躍も目に入ってくるし、何をやっているんだろうって気持ちになりました」
メインの練習場所だった武雄競輪場がバンク改修をしていることもあり、練習環境を求めて久留米競輪場へ出稽古することを決意した。
練習はすごくキツいけど、いい環境でやれています。
(藤田)剣次さんからは『マーク戦じゃなくて自力で戦えるよ。(競走得点で)53点は持てる選手だよ』って言ってもらって自信になりました。
何人ものガールズケイリン選手を見ている剣次さんに言ってもらえたなら、やるしかないって気持ちになる。
それまではレースで弱気になることが多かったけど、久留米で練習するようになり気持ちが変わった。
どうせ大きい着を取るなら、動かないで取るよりも、動いて行ってダメなほうがマシ。
気持ちが前向きになりました」
攻めるレースの集大成は6月の松戸で形となった。
予選2は打鐘過ぎからカマシ先行で主導権。
山口真未にまくられて3着も、内容◎。
最終3コーナーからまくり気味に踏み込んで、1着。
デビューから3年と1カ月と1日で初優勝を手にした。
同期118期、13人目の達成となった。
美那が優勝したし、自分も勝ちたいと思って松戸の決勝は臨んだ。
あとは同じ日程で開催していたGⅠのパールカップからも刺激をもらった。
パールカップの決勝は練習を一緒にする(児玉)碧衣さんが積極的なレースをしていたのも見て刺激になりました。
初優勝はいろんな人に『おめでとう』って言ってもらえて本当にうれしかったです」
(写真左から)同期の永塚祐子、田中、中村美那
「練習に行くことが苦じゃないんです。練習場の仲間との雰囲気が好きなんです。
もちろんオフは作りますよ。高校時代のバスケ部の仲間と温泉にいったり美味しいものを食べたりしてリフレッシュはしています」
満足することはなく今年の後半戦に臨む。
でも来年4月のオールガールズクラシックは久留米で開催されるし、出場することを目標にしていきたい。
ただ大きな目標を立ててしまうと達成できないかもしれないから、コツコツ頑張っていきたい。
今は自力を出すことにこだわっていきたい。しっかり動くことで成績を安定させていきたい。
そうすれば自然とGⅠに出られると思うので。
そのために苦しい練習をしているし頑張りたい」
バスケットボール出身でガールズケイリンの伸びしろはたっぷりある。
身長:161.8cm
期別:118期
登録地:佐賀県
誕生日:1979年5月1日
所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)