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<前編>本格化が著しい116期・村田奈穗 コツコツと練習を積み重ねることで上位定着! 【松本直のガールズケイリンちょっとイイ話】

特別企画 2023.08.23



“ミスターガールズケイリン”の異名を持つデイリースポーツ・松本直記者しか知らない、ガールズ選手の秘話や“いい話”を紹介します。




村田奈穂は熊本県熊本市の出身。

姉と2人姉妹。

小さなころは本が好きな母の影響もあり家で本を読むことが好きだった。

ジャンルは問わず、漫画、文庫本、小説といろいろ読んでいたそうだ。


高校は熊本西高校へ進学。

学生時代は勉強中心の生活だった。

「進学校だったので勉強漬けの毎日。

毎週末にテストがあったし、高校時代の思い出は勉強していたって感じでした」


部活動は放送部に所属。

体育祭や文化祭の裏方や、ラジオドラマの制作など、スポーツとは縁のない生活を送っていた。


大学は地元熊本の崇城大学へ進学した。

小さなころから絵を描くことが好きで、パソコンを使ったイラスト作りも好きだったこともあり、美術系の仕事に就くことも考えていたそうだが、大学卒業後は一般職に落ち着いた。



自転車との出会いは成り行きだった。

仕事場への往復で自転車が必要になり、ロードバイクに乗り始めると楽しくなった。

日々の中で自転車に触れることが多くなり、自然と魅力にハマっていったそうだ。



競輪選手を目指すことになったきっかけは熊本地震。

2016年4月に地元熊本を襲った災害は競輪場にも大きな被害が出た。

スタンドのガラスは大きく割れてバンクに突き刺さった。

バンクにはヒビも入り、レース開催ができる状況ではなくなってしまった。


開催ができなくなってしまった競輪場だが、選手や関係者の努力でバンクに刺さったガラスはなくなり、地元選手が練習できるまでに回復した。

そんなタイミングでバンクが一般開放されるイベントがあり、ロードバイクに乗っていた村田はバンク走行会へ参加したのだ。


熊本競輪場


「地元の自転車屋さんに熊本競輪場でロードバイクに乗れるよって声を掛けてもらったことがきっかけ。

熊本で生まれ育ったけど、競輪場がどこにあるのかも知らなかった。

初めて競輪場に行ってバンクを走ったときの感覚はいまでも覚えています。

すごく楽しかった。

そのあと何回か一般開放されているときにバンク走行会に参加していたら、元選手の伊木憲治さん(43期)がピストレーサーを組むのを手伝ってくれたんです。

ピストレーサーはロードバイクと違ってグングン進んでいく。

ダイレクトに力が伝わる感覚に感動したんです。

ガールズケイリンがあることも聞いたので、これはやってみたいって気持ちになりました」



ガールズケイリン選手を目指すことを決めてからは、昼まで仕事、午後以降は練習とメリハリを付けて頑張った。

1人で練習を続けて日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)の合格を目指したが、伸び悩む時期に突入してしまった。

そんなときに声を掛けてくれたのは伊木憲治だった。


「伊木さんが境博文さん(53期)を紹介してくれました。

境さんに練習を見てもらうようになって練習の幅が広がりました。

バイクで引っ張ってもらったり、競輪学校の試験と同じ400メートルバンクのある久留米競輪場に連れて行ってくれたりして、ハロンも1000メートルのタイムも良くなった。

おかげ様で116期の試験に受かることができました」



日本競輪学校での生活は大変だったと振り返る。


「学生時代に運動系の部活動に所属していなかったし、集団生活がストレスでした。

競輪学校に入ると熱を出してしまい、第1回記録会2日目の記録(2000mタイムトライアル)が取れませんでした。

116期の中でも年齢が上から2番目。

高校卒業から現役で競輪学校に入った人も多かった。

環境に慣れるまでは大変でした」


競輪学校は1着5回、在校順位11位で卒業した。

「最初は周回練習でちぎれることもあり一番下の青帽だったけど、最終的には黒帽※まで上がることができた。

卒業間近には滝澤(正光)校長が直接指導するT教場に呼ばれた。

いろいろ大変だったけど、成長できた1年でした」


※年3回行われる記録会でのタイムにより、訓練時にかぶる帽子の色が「金・白・黒・赤・青」の順で分けられる。


村田(左)と同期の伊藤のぞみ(右)



後編は8月30日(水)に公開予定です。

お楽しみに!



村田奈穗 Naho Murata


誕生日:1991年11月11日

身長:156.9cm

期別:116期

登録地:熊本県



松本直 Suguru Matsumoto



誕生日:1979年5月1日

所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)


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