師匠の山崎充央を含めた男子選手との練習環境は抜群だった。
練習グループのメンバーと
苦手だった学科試験の2次試験も全力で挑み、試験結果の発表を待った。
なりたいと心から思った競輪選手への道。
合格発表の時間が近づくとソワソワが止まらず、気を紛らわすためにロード練習へと出かけた。
一番最初に連絡をくれたのは小原丈一郎(115期)だったかな。
同学年で同じ時期に自転車競技をしていたこともあり、連絡をくれました。
他にもいろんな人から連絡をもらって、うれしかった。
家族にもすぐ連絡をしてホッと一安心しました」
高校卒業の現役組も多かったが、松本と同じ大学卒業組も多く、苦労することはあまりなかったそうだ。
同じ時期に自転車競技をしていた小泉夢菜に野寺楓、適性試験で合格した塩田日海。
毎日訓練も楽しくできました」
122期の同期と。写真後ろ左から、畠山ひすい、塩田日海、戸田瑞姫、渡邉栞奈
デビュー戦の競輪ルーキーシリーズは卒業記念レースから1カ月後の松戸だった。
成績は4、2、6着で決勝進出。
2場所目の松山は1走目で初勝利を挙げて1、3、3着。
3場所目の四日市では1、1着の連勝で勝ち上がりも決めた。
決勝は4着に敗れルーキーシリーズでの優勝は達成することができなかったが、順調な滑り出しを決めた。
デビュー戦の思い出は山口伊吹(116期)が松戸まで来てくれたこと。
レースが終わった開催後に花束を持ってきてくれたんです。うれしかった。
先に選手になっていて、大学時代も遊んだりしていたんです。
伊吹は選手、自分は大学生だったので、食事に行ったときも伊吹がサッと会計を済ませてくれていた。
松戸のときもサプライズで来てくれた。カッコいい子なんです」
先輩たちとのレースは動きも複雑で頭の回転が追い付かなかった。
全く勝てないし、うまくいかないし、すごく苦しかった」
11月には富山、大宮と続けて決勝に乗れず。
苦しい1年目となってしまった。
前半戦は4月平塚で決勝3着(優勝・佐藤水菜)、5月のいわき平では決勝2着(優勝・太田りゆ)、6月函館でも決勝2着(優勝・増田夕華)と結果もついてきた。
初優勝の期待も大きくなっている。
とにかく太田りゆさんが強くてかわいかった。憧れる存在です。
少しずつ戦える手応えをつかんできた部分はあるけど、トップクラスの選手と比べるとまだまだ。
ガールズケイリンにGⅠレースができて、レースをよく見ているけど、トップクラスの選手たちは何でもできる選手たちばかり。
自分は逃げて勝負が全くできていない。まくり、差し、マークしかないのはダメ。
今年は逃げて勝負できるようになりたい。
ダッシュを生かして一発で勝負を付けるのはできるけど、ペース配分を自分で組み立てて押し切れるようになりたい。
自分の幅を広げる1年にしたい」
師匠の山崎充央も期待を寄せている。
あとはメンタル。男子も女子も強い選手に共通していることは『自分が強いんだ』って思うメンタル。松本はその部分がまだ整っていない。
練習の脚力を見れば強いことは分かる。今年は自分に自信を持ってレースに向かってもらいたい。
東京には強いガールズレーサーが多くいるけど、松本もその中の一人になれると思っている。
これからもしっかり練習をやっていい成績を残してもらいたい」とエールを送った。
師匠の山崎充央
立川競輪場は師匠の山崎充央を中心とした大宮道場のメンバーだけでなく、ガールズケイリン選手が大勢練習にくる場所で練習パートナーには困らない。
保立沙織(118期)とは年齢こそ離れているが、気が合う様子で和気あいあいと楽しくやっている。
松本と保立沙織(写真右)
今度は自分自身がガールズグランプリ出場を目指して頑張ってもらいたい。
素質開花の2024年に注目だ。
身長:157.1cm
期別:122期
登録地:東京都
誕生日:1979年5月1日
所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)