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<前編>年々ステップアップを遂げる青木美保 2024年はさらなる飛躍に期待! 【松本直のガールズケイリンちょっとイイ話】

特別企画 2024.02.07



“ミスターガールズケイリン”の異名を持つデイリースポーツ・松本直記者しか知らない、ガールズ選手の秘話や“いい話”を紹介します。



青木美保は埼玉県ふじみ野市出身。

2つ上の姉と2つ下の弟と3人きょうだいで育った。


父は元競輪選手の青木健悟(56期・引退)、母方の祖父も競輪選手。

競輪が身近にある環境で大きくなった。

小さい頃は外で体を動かすことも、家の中でままごとをするのも好きな普通の女の子だったそうだ。



運動はバレーボール一筋。

小学生の頃、仲のいい友だちに誘われたことがきっかけでバレーボールを始めると、中学、高校、大学とずっとバレーボール部に所属。


「友だちに誘われて始めたバレーボール。楽しかったですね。

中学、高校は学校に行って勉強して、部活をして普通の日常を過ごした。

ポジションはアタッカー。強豪校ではなかったけど、毎日楽しくやっていました」



高校生の頃の夢は幼稚園の先生になることだった。

大学は亜細亜大学へ進学。

大学に進んで教員の免許を取る。そんな人生設計をしていたが、大学3年の春、就職活動が始まると気持ちに変化が起きた。


「このまま就職して人生を過ごしていくのかなって思った時、『なんか違うな』って思ったんです。

その時、高校2年生の頃に参加したガールズサマーキャンプ(現:トラックサイクリングキャンプ)のことを思い出しました」



競輪選手だった父に「体を動かしてきたらどうだ?」と勧められて参加したガールズサマーキャンプ。


その時を振り返ると「田中千尋ちゃん、當銘沙恵美ちゃんが参加していたことを覚えています。サマーキャンプは楽しかった思い出はあるけど、すぐにガールズケイリンの選手になりたいと思うことはなかった」


大学1年生の時にも参加したが、競輪選手になりたいと思わず、就職活動と向き合うことで、ガールズケイリンをやってみたいという気持ちが芽生えたそうだ。


板根茜弥(写真左)と青木


両親にガールズケイリンに挑戦したい気持ちを伝えると、父は反対したそうだ。

ガールズサマーキャンプに行くことを勧めてくれたが、選手になることはそんなに甘くないと伝えたかったのかもしれない。

なかなか首を縦に振らない父に対して、協力してくれたのは母だったそうだ。


「母はガールズケイリンの選手になることに賛成してくれた。

父にも『やりたいことをやらせてあげれば』と話をしてくれました。

そのおかげで父も納得してくれて適性試験で受験することになりました」と感謝を口にする。


父からガールズケイリン挑戦のオッケーがでると、二人三脚で118期の試験へ臨んだ。


「大学3年の夏だったので、試験まで時間がなかった。

自転車競技の経験がないので、適性試験で受けることになり、父が練習メニューを組んでくれました。

小さい頃、家にパワーマックスがあることは覚えていたけど、まさか自分が選手を目指して、パワーマックスで練習することになるとは思わなかったです。

でも父の練習メニューのおかげで日本競輪選手養成所118期の適性1次試験に合格。

選手への挑戦は1回だけと決めていたので、2次試験のSPIと面接に絶対合格するって決めて頑張りました。

大学の方にも面接試験の協力をしてもらって、なんとか2次試験も合格することができました」



試験合格後、父と西武園競輪場へ行き、師匠になる茨木基成(60期・引退)にあいさつ。

父と茨木は練習仲間だったこともあり、弟子入りし、練習を見てもらうこととなったそうだ。


118期として日本競輪選手養成所に入所。

分からないことだらけだったが、生活は楽しかったそうだ。


「周りに付いていくことで精いっぱい。自転車の取り扱い方も知らないことばかり。

とにかく練習は一生懸命やりました」


父が競輪選手とはいえ、自転車競技経験はゼロ。

家から最寄り駅までママチャリで通学していただけの青木美保にとって、1年間の養成所生活は選手としての土台作りの期間となった。


「一番キツかったのはT教場(滝澤正光所長が直々に指導するエリート教場)に入った時。乗り込みがとにかくしんどかった。今となってはいい練習だったと思いますが、当時はとにかくキツかった。

118期はレベルが高くて付いていくだけで必死でした。

周りに追い付きたくて、自主練習だけは欠かさずやっていました」


未経験から始まったガールズケイリン挑戦。

自主練習を欠かさずやり続けることで、少しずつ前進。

養成所生活の集大成となる卒業記念レースでは2、2着で決勝進出。決勝も4着。

在所成績は11位で卒業した。


118期の同期と。写真左から増田夕華國村美留莉西島叶子、青木



■後編はコチラ



青木美保 Miho Aoki



誕生日:1997年10月22日

身長:161.0cm

期別:118期

登録地:埼玉県


松本直 Suguru Matsumoto



誕生日:1979年5月1日

所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)


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