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<後編>年々ステップアップを遂げる青木美保 2024年はさらなる飛躍に期待! 【松本直のガールズケイリンちょっとイイ話】

特別企画 2024.02.21



“ミスターガールズケイリン”の異名を持つデイリースポーツ・松本直記者しか知らない、ガールズ選手の秘話や“いい話”を紹介します。



■前編はコチラ



青木美保は日本競輪選手養成所を卒業後、地元埼玉に戻り、師匠の茨木基成(60期・引退)のもとで練習を開始。

西武園競輪場にはガールズケイリン選手も多く、練習環境は抜群だった。


「茨木さんのバイク誘導で鍛えてもらいました。

岡村育子さんや高橋梨香さん、他にもガールズケイリンの選手が多くて練習環境がすごく良かったです。

そのおかげでデビュー戦は自信を持って臨むことができました」


写真左から、師匠の茨木基成、板根茜弥、高橋梨香、青木


117期、118期から始まった、新人同士で競い合う「競輪ルーキーシリーズ」がデビューの舞台となった。

5月広島のデビュー戦。

予選2走は練習の成果を存分に発揮して1、1着の連勝スタート。

決勝は7着といきなり優勝とはならなかったが、祖父、父から受け継いだ競輪センスをアピールする船出を決めた。



しかし7月から先輩ガールズ選手との対戦となると、苦しいレースが続いた。

7月から12月の半年間で決勝進出が4回と高い壁にぶつかってしまった。


「先輩たちとのレースは全てが違った。

流れに乗れなかったし、苦しいレースが多かった。

でも練習だけはしっかりやっていた。練習環境が良かったことに感謝しています」


師匠や練習仲間とコツコツと鍛錬を積み重ねると結果は少しずつ付いてきた。

2年目は予選で結果を残して、決勝進出することが増えていった。

優勝には手が届かなかったが、2月立川、5月青森で準優勝。

着実にステップアップを続けた。


3年目は地道な練習の成果に花が咲いた。

1月四日市、大垣、2月平塚と立て続けに準優勝。

5月の和歌山ではついに悲願の初優勝を達成した。


「優勝はうれしかった。

あと一歩の準優勝が続いていたけど、その後の開催の決勝で大きな着を取ってしまったし、優勝できないんじゃないかと思っていた。

諦めそうになることもあったけど、優勝できて本当によかった」



埼玉県所属の選手と。写真左から川路遥香黒沢夢姫飯田風音藤田まりあ、青木


昨年2023年はキャリアハイの成績を残したが満足はしていない。


「2022年の後半戦は優勝を狙いすぎて、構えて失敗することが多くなった。

年が変わり、気持ちを切り替えて、狙い過ぎず行けるところから仕掛けるレースをするようになって、成績は良くなっていきました。

10月には初めてGⅠ(オールガールズクラシック)にも参加できた。

でも結果を出すことができなくて悔しかった。

GⅠを走ったことで、常にGⅠに出られる選手になりたいと思ったし、また頑張ろうと思えました」



昨年末の12月には豊橋、宇都宮で連続優勝。

今年のさらなる飛躍が期待される。


「今年最初の松戸は練習のやりすぎで予選敗退。

ミッドナイトで点数(競走得点)も他の選手と比べて高かったので、ファンに迷惑をかけてしまったことが申し訳ない。

今年の目標は去年よりいい成績を残すこと。優勝回数を増やしたい」と気合が入っている。



ガールズケイリンのGⅠ戦に出るためには賞金(オールガールズクラシック)、競走得点(パールカップ)、優勝回数(競輪祭)の3つが大事になる。

今年の青木美保が全てのGⅠに参加するためには、1つ1つの開催の積み重ねが重要だ。


「今は毎日楽しくやれています。

師匠の茨木さんもバイク誘導をしてくれるし、西武園競輪場の練習メンバーのおかげでいい練習ができている。

男子選手も乗り方のアドバイスをくれるし、周りの人のおかげで頑張ることができています」


埼玉県所属の選手と。写真左から青木、飯田風音、川路遥香、藤田まりあ、黒沢夢姫、新井美菜


目標のなかった大学時代。

高校時代に父の助言で自転車に触れたことがきっかけで、ガールズケイリン選手を目指した青木美保。

今では「選手になってよかった。大好きな買い物もできるし、いっぱい寝ることもできる」とガールズケイリンが天職になっている。


まだまだ伸びしろはたっぷりある。

しぶとい走りで結果を出している青木美保の挑戦はまだまだこれからだ。



青木美保 Miho Aoki



誕生日:1997年10月22日

身長:161.0cm

期別:118期

登録地:埼玉県


松本直 Suguru Matsumoto



誕生日:1979年5月1日

所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)


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