

朝早く起きて、自転車競技部の試合や練習に帯同。学生たちの面倒を見ることは楽しかったが、競技者としてこのままでいいのかなと考える時間も多くなった。
このままでいいのかなって考えている時に、順大陸上競技部の後輩だった塩田日海ちゃんがガールズケイリン選手の試験を受けることになったんです。それで自分の自転車に乗せてあげたり、日海ちゃんと2人で川崎競輪場にレースを見に行ったりしました。
同じタイミングでチームスプリントのコンビを組んでいた野寺楓ちゃんも122期で日本競輪選手養成所の試験を受けることになり、ガールズケイリンが身近になった。
中学校の同級生だったバレーボール部の青木美保ちゃんもガールズケイリンで活躍しているのもわかっていたので、自分も目指してみようかなって思いました」

大学院2年目の夏の大会で200メートルと500メートルの自己ベストタイムを更新した。
そんな自分への期待もあり、ガールズケイリン124期への挑戦が始まった。
試験は1回。落ちたら縁がなかったと決めて、チャレンジ。
アマチュア実績があったこともあり、養成所の試験は難なく突破。124期としてガールズケイリン選手への第一歩を踏み出した。
野口裕史も順大陸上競技部出身で縁がつながった。
お話をしていくうちに野口さんから得られるものがあると思って、お世話になることを決めました」
「人それぞれ性格がある。五味田ががっつり競輪選手をやりたいんですって感じだったら中村浩士さんを紹介しようと思ったんです。でも話をしていると自分のペースで練習をしたいって感じだった。その感じでいいなら自分が師匠になるのもいいかなと思いました。
自分はガールズケイリンのことはわからない。それでも何か困ったことがあれば聞いてくれればいい。この前の6月の函館で久しぶりに会いましたけど、結果が少しずつ出ているし、このままのペースで頑張ってもらいたいですね」と話してくれた。

師匠の野口裕史と
思い出に残ることは千葉の大先輩でもある滝澤正光所長が直接指導するT教場だった。

その後もなかなか結果が出なかったけど、焦ってはいなかった。自分は一歩ずつしか上に上がっていけないとわかっていますから。1段飛ばしで階段を駆け上がっていける人ではないので」
7月以降、先輩たちとの対戦の中で先行をしていくと、レース後に先輩選手から声をかけてもらうことがあり、いろいろ話していくことでガールズケイリンに少しずつ慣れていった。
一緒に走る中でガールズケイリンの魅力や自力選手へのリスペクトが増してきました」

「126期は強そう。気持ちで負けないようにしたい。自力を出すことは基本だけど、ここからは自力が出せなかった時に冷静に走れるようになりたい。叩かれても次の手が打てる、多様性のある選手になりたい。
1年目は競輪選手に向いていないって思うこともあったけど、何かを一生懸命やることは楽しい」と前を向いている。

「手が届くところまではきている。背伸びして、手をブンと振り上げれば行けると思う。
私の人生は陸上競技も自転車競技も波に乗るまで3年はかかっている。ガールズケイリンでも3年たった時にGⅠに出られる選手になりたい。
今はその前の段階。いろんな経験を積んでいきたい。周りの期待値が低い間にいっぱい失敗をして成長していきたい。最近は悪い着順でも前向きに向き合えている。得るものはあると思います」
陸上競技、自転車競技で時間をかけて結果を出していった五味田奈穂。ガールズケイリンの舞台で輝くのはこれからだ。

誕生日:1997年10月14日
身長:165.1cm
期別:124期
登録地:千葉


誕生日:1979年5月1日
所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)