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<前編>目標は年内優勝!回り道をしながら一歩ずつ前進中の124期・枝光美奈 【松本直のガールズケイリンちょっとイイ話】

特別企画 2025.07.11



“ミスターガールズケイリン”の異名を持つデイリースポーツ・松本直記者しか知らない、ガールズ選手の秘話や“いい話”を紹介します。




枝光美奈は福岡県北九州市で生まれ、大川市で育った。5人きょうだいの末っ子で家族の愛を一心に受けてすくすくと成長した。



両親、きょうだい揃って運動が好きなこともあり、物心が付いた時から体を動かしていた。

3歳の頃、スイミングスクールを皮切りに親子マラソンや自転車のレースに参加して体を動かしていた。


「小学校でも男子と持久走の勝負をして勝って笑い、負けて泣いてみたいな日々を元気よく送っていました」




運動神経の良さを発揮したのはスイミングスクール。スイミングスクールで実施していた水球にドはまりし、中学時代には全国大会で優勝するレベルまで上達した。




しかし水球に関しては全国大会で優勝したこともあり区切りをつけると、次は小学1年生から続けてきたトライアスロンでオリンピックを目指したいと思うようになった。




県内では負け知らずだったが、オリンピックを目指すためには全国大会に出場し、結果を残すことが大事。そんな中で上田藍さん(北京、ロンドン、リオデジャネイロと3大会連続オリンピックに出場した女子トライアスロンの第一人者)と知り合う機会があり、夏休みなどの長期休暇には上田藍がいる千葉で合宿するなど精力的に活動した。


「全国を目指すには認定記録会に出て定められた記録を突破しないといけない。そんな時にいろんなご縁があって上田藍さんとつながることができたんです。タイムを良くするために上田さんのもとで一緒に練習をさせてもらうことができました。父が仕事の関係で関東にいたこともあり、タイミングがよかった。上田さんを近くで見ることができて、よりオリンピックに出てみたいという気持ちになりました」




高校は家から近かった県立大川樟風高校へ進学した。


「トライアスロン中心の生活をしたいと思ったので、家とスイミングスクールの間にある高校を選んだ。平日は朝4時30分に起きて、スイミングスクールで練習。高校の始業時間に合わせて登校。放課後またスイミングスクールに行くか、自宅に帰ってランニングの練習をする日々を送りました。自転車の練習は土日にしっかりやってトライアスロンで結果を出したいと思って頑張りました」


高校卒業後の進路は「トライアスロンでオリンピックに出たい」が軸。

個人で活動を続けるには限界が見えていたこともありチームに所属する道を選んだ。

第一志望校は上田藍のいる稲毛インターナショナルトライアスロンクラブで練習ができる順天堂大学だったが、試験で不合格。志望校を山梨学院大学に変更して合格することができ、大学4年間はチームケンズ山梨に所属した。


写真中央から寺崎舞織松井優佳、枝光


大学入学とともに1人暮らしがスタート。新天地で勉強もトライアスロンもやる気モード。それなりの成績を残すことはできたが、慣れない場所での生活や1人暮らしのストレスから、2年生になると停滞期に突入。頑張りすぎた反動が出てしまったのだ。


「大学2年生の時はどん底でしたね。学校を休むことは罪悪感があったので通っていたけど、ただ学校に行って、トライアスロンの練習もしていたけど、全く身が入っていなかったと思います」


やりたいことを見失ってしまったが、人生はまだまだ続く。

大学卒業後の進路をもう一度見直して、教員免許取得を目指して勉強を頑張ることに決めた。


「大学に行きたい理由はトライアスロンもあったけど、資格を取りたかったこともありました。トライアスロンへの気持ちが落ちてしまったし、将来のために教員免許を取ろうと思いました。中学高校の保健体育の教員免許とパラスポーツ指導者の資格を取りました。大学卒業後の就職はトライアスロンでは厳しいし、これまでの経験を生かして指導者としての道も考えていました」


大学卒業後は普通の仕事をするのかなと思っていた。

しかしトライアスロンのコーチは運動神経の良い枝光美奈にガールズケイリンへの道を紹介してくれた。


「自分では運動は辞めて一般企業に就職するのかなって思っていた時期に、トライアスロンのコーチがガールズケイリンを勧めてくれました。地元にいた頃も競輪の存在は全く知らなかったし初めて聞きました。でもトライアスロンをやっている時から自転車は得意で好きだったし、山梨学院大学にいる時、自転車の練習で境川自転車競技場(山梨県笛吹市)を使わせてもらうことがあったので、競輪選手が練習をしているところは見たことがありました。競輪選手という職業を勧めてもらってから、自分でも競輪を調べたら格好良かった。スピードに魅力を感じました。トライアスロンの時からスピードを出すことが好きだったのもあって、ガールズケイリンに挑戦してみたいとすぐに思いました」



ガールズケイリンとの出会いは大学3年生の冬。大学4年生の夏に卒業見込みで日本競輪選手養成所の試験を受けることを決意。トライアスロンチームのコーチが山梨の競輪選手への橋渡しをしてくれた。現役のガールズケイリン選手・渡辺ゆかり(102期)や、今村俊雄(99期)に面倒を見てもらい競輪選手を目指すこととなった。


「渡辺ゆかりさんも今村俊雄さんもオリンピアン。(渡辺はスピードスケートで2002年ソルトレイクシティ、2006年トリノと2大会出場、今村はウエイトリフティングで2004年アテネ大会に出場)。それ以外にも山梨の選手にお世話になって練習を見てもらいました。自転車も山梨の選手に用意してもらって助かりました。最初はトライアスロンとは自転車が違って固定ギアだったり、ギアを上げることはできないため回し続けないと進まないなど、ギャップに苦しみました。スピードが全く出せず、ハロンは15秒も切れなくて(笑)。それでも山梨の選手はみんな優しくて、いい環境で試験合格を目指して練習をしました」



後編は7月25日(金)に公開予定です。

お楽しみに!



枝光美奈 Mina Edamitsu



誕生日:1998年2月8日

身長:158.0cm

期別:124期

登録地:福岡県


松本直 Suguru Matsumoto



誕生日:1979年5月1日

所属:デイリースポーツ


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