松浦悠士選手

2023.03.07

競輪界最強の9選手“S級S班”。

約2,200名いる競輪選手の中で「GⅠ優勝」と「獲得賞金」でその座を勝ち取った者だけが君臨できる、競輪界の最上位ランクです。

 

2023年S級S班の9選手をインタビューで紹介します!

第4回目は、松浦悠士(まつうら・ゆうじ)選手です。

 

 

 

“勝負事”が好きだった

 

小学校から中学までは水泳をやっていました。

中学生の時、「(広島市)まんが図書館」が好きでよく通っていたのですが、帰り道の坂を自転車で下るのが楽しかったことが印象に残っていました。

 

高校でも水泳を続けたかったのですが、進学した高校には水泳部がありませんでした。

その時に「そういえば、自転車楽しかったな」と思い出して、自転車競技部に入ることにしました。

もともと“勝負事”が好きだったので、みんなで“スプリント勝負”をしたりするのが、楽しかったですね。

 

高校卒業後は就職するつもりでしたが、部活の顧問の先生が競輪選手を勧めてくれたんです。

「自転車で食っていけるなら最高だな」と思い、すぐに競輪学校(現:日本競輪選手養成所)の受験を決めました。

 

 

いざデビューしてみると、自分が思い描いていたよりも勝てなかったし、練習では思った以上に先輩方が強かったです。

S級の選手と初めて一緒に練習した時は「こんなに強いの?」とビックリしました。

当時は「ただ練習したら勝てる」と思っていたんです。

でも、そんなことは全く無いんですよね。

 

A級2班の時に「お前の脚があったら、S1になれる」と先輩が言ってくれたんです。

その言葉をキッカケに、自分でよく考えるようになりました。

 

「どういう選手になりたいのか?」そのためには「どういうレースをしなきゃいけないか?」よって「どういう練習をするべきか?」

 

そう考えながら、レースや練習に臨むようになりました。

 

 

 

憧れていてはダメ

 

浅井(康太)さんや平原(康多)さんのように、“自力”も“横”もできる選手に憧れていました。

GⅠに出られるようになり、憧れの選手たちと同じレースになった時は、すごく嬉しかったです。

 

でも、勝つためには憧れていてはダメ。

それからは『「松浦さんみたいになりたい」と思われるような選手』になろうと決めて、そう思われるようなレースを意識するようになりました。

 

 

2016年の広島記念。

決勝で負けてすごく悔しかったんです。

それで、「この開催に向けて1年間毎日ちゃんとやれたのか」を自問したんです。

「午前中の練習はいいか」、「明日練習あるけど、ちょっと飲もうかな」など、少なからず練習を疎かにしていたこともあったので、そういう所を見直しました。

 

2017年の広島記念では決勝進出こそできませんでしたが、最終日を1着で終えることができました。

その時のインタビューで、自然と涙が出てきたんです。

「これだけ頑張れたんだ」、「このまま続けていけば大丈夫」

そう思えたんです。

2018年の広島記念は優勝できて、2019年にはグランプリに出場できました。

 

 

いまでも毎日、競輪のことを第一に考えて生活しています。

“自由”は無いし苦しいこともありますが、結果が出ていることが一番の糧になります。

それに僕は、「負けることが一番嫌」なんです。

 

今年の目標は3つあります。

「GⅠ全てで決勝戦に上がること」

「タイトルを獲ること」

そして、去年のグランプリがすごく悔しかったので、「グランプリで納得のいくレースをすること」

 

将来像はあまり考えていないんです。

今日・明日のことを考えることで、精一杯です。

いまを生きる。

とにかく目の前のGⅠ・グランプリに向けて、走り続けていきたいです。

 

 

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