デイリースポーツの競輪記者・松本直さんによるコラム「松本直のガールズケイリンちょっとイイ話」。第3回は、108期・奈良県所属の元砂七夕美選手。中野彰人選手との結婚、女の子の出産を経て、2021年3月ガールズケイリン選手として復帰。ママさんレーサーとなった元砂選手の今、これからの目標に注目しました。

人気レーサー元砂七夕美がバンクへ帰ってきた!

2021.04.01

初優勝、結婚、出産を経て、ガールズケイリンに戻ってきた元砂七夕美の今に注目する。

 

 

小学生のときにトライアスロンを始め、奈良県立榛生昇陽高校時代に自転車競技・中長距離種目で活躍。

 

高校卒業後、現役で日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)108期生として入学。

児玉碧衣、尾崎睦とスターぞろいのガールズケイリン4期生として2015年奈良でデビュー。

 

デビュー戦から決勝に進出し、順風満帆に選手生活をスタート。

 

右:尾崎睦

 

レース以外でもキュートなルックスがファンや関係者の目に留まり、ガールズケイリンオフィシャルポスターに採用されるなど多方面で活躍した。

 

持病の腰痛の悪化により、結果が出ず苦しい時期も続いたが、2018年8月のGⅠ・オールスター競輪(いわき平)のアルテミス賞にファン投票14位で出場。(結果5着)。

 

ファンのおかげでモチベーションが上がったと話す。

 

「デビューして同期も活躍していたし、早く優勝したい気持ちもあったけど、なかなか結果がでなかった。

ファン投票でアルテミス賞に選ばれる前は気持ちが本当に落ちていましたよ。

 

『もう選手やめようかな』とも思ったけど、ファンのみなさんに14位に選んでもらい、アルテミス賞に乗れたので、もう一度頑張ってみようと思えた。

 

本当にファンのみなさんのおかげで立ち直れました」

 

 

アルテミス賞以降はコンスタントに決勝進出を積み重ね、初優勝は時間の問題だった。

 

優勝は、劇的なタイミングに。

デビューから4年、2019年7月10日。

普段の練習で汗水を流し、走り慣れた奈良バンクで初優勝を達成した。

 

「あの奈良はいろいろありました(笑)。

ガールズケイリンフェスティバルの裏開催(競走得点上位の選手が不在の開催)で地元戦。

緊張したけど、気合は入っていましたよ。

 

でも予選2走が空回りし過ぎました。

3、5着でギリギリの決勝進出。

決勝はもう吹っ切れていましたね。

狙いすぎても勝てないし、力まず走りました。

 

そうしたらいつもより余裕があり、外を踏んで鋭く伸びて優勝できた。

本当にうれしかったですね、初優勝が地元でよかったです」

 

 

初優勝からすぐの2019年7月13日に長年交際を続けていた中野彰人との結婚を発表した。

 

「狙っていたわけではないけど、タイミングがバッチリでしたね。

7月14日が自分の誕生日、12日があっ君(中野)の誕生日。

どちらかの誕生日より、2人の間がいいよねって話していたので、13日になった。

自分の初優勝はあとから付いてきた。

でも優勝できたしいい記念になりました」

 

中野との交際は元砂の一目惚れ。

「デビューしてすぐの開催が一緒。『この人好き!』ってなりました。

好きなタイプは170センチくらい身長がある人でヒゲはない人がよかったのにあっ君は真逆でした」とニコニコしながら話してくれた。

 

「子供はずっと欲しかった」と話すように、2019年10月から休養に入り、2020年1月に妊娠を発表。

7月7日第1子の女の子を出産した。

 

左:中野彰人

 

「出産予定日は6月だったのに、7月7日の七夕の日に生まれてきてくれた。

自分の名前に七夕(七夕美)が入っているし、すごく偶然ですよね。

子供は本当にかわいい。ただ育児は大変でした。

最初は全くわからないし、慣れるまで時間が掛かった。

少し育児に慣れてから選手復帰への計画を立てました。

 

子供の首がすわって、9月くらいから練習を始めました。

最初は育児と練習の両立がうまくいかなかったので、軽めの練習に切り替えた。

 

家で飼っているワンちゃんとの散歩、駆け足から。

体力が戻った年明けくらいからバンクで練習。

最初は3日に1回。それが2日に1回と少しずつ戻していきました」

 

 

2月19日に奈良競輪場で6カ月以上欠場した選手が復帰時に受ける走行能力調査に挑み、レース復帰が決定。

3月15~17日の奈良で現場復帰をした。

 

走行能力調査の様子

 

復帰戦は7,5、4着。

復帰2場所目の豊橋も5、6、2着。

豊橋最終日は差し脚を伸ばして車券に貢献。

ここからペースアップしてくるはずだ。

 

「結婚するときから子供を産んでも選手に戻るつもりでいたんです。

レース参加中、子供の面倒は親に見てもらっている。

 

自分は小さいころから自転車が大好きで、競輪選手になった。

競輪選手の仕事が好きだし、選手を辞める選択肢はなかった。

 

発走機に付くまでは緊張もするし、嫌だなって思うんです。

でも号砲が鳴って走り出すと楽しい。

前の選手に付いて行けたらうれしいし、その感覚を早く取り戻したいですね。

 

育児もしながら、練習もして、まずは決勝に乗りたい。

ガールズケイリンには先輩のママさんレーサーもいっぱいいる。

同期にも溝口香奈さんや遥山(旧姓梅田)夕貴さんがいる。

いろんな話を聞いているし、頑張らないと」

 

 

 

自転車が好きでガールズケイリンで走ることが大好きな元砂七夕美。

 

抜群のレースセンスと追走技術で結果を出していただけに、出産のブランクは大きいはずだが、走りながら感覚が戻れば、また決勝の常連に戻る日は近いはずだ。

 

 

 

 

元砂七夕美 Nayumi Motosuna

誕生日:1995年7月14日
期別:108期
身長:164cm
ホームバンク:奈良競輪場

 

 

松本直 Suguru Matsumoto

誕生日:1979年5月1日
所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)

 

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