デイリースポーツの競輪記者・松本直さんによるコラム「松本直のガールズケイリンちょっとイイ話」。第4回は、106期・埼玉県所属の高橋梨香選手。ガールズケイリン選手の中では上から4番目の年齢。そんな高橋選手は決勝常連で今年好調。選手を志したキッカケや好調の秘密を松本記者がインタビューしました。

高橋梨香 ベテラン健在、まだまだガールズケイリン頑張ります

2021.05.05

ガールズケイリン3期生の高橋梨香が好走を続けている。

 

今年は年頭の京王閣からスタート。

4月末の平塚まで12場所走って10場所で決勝進出。

決勝も3着が6回と安定感が抜群だ。

 

今年12月の誕生日で42歳。

ガールズケイリン現役選手で上から数えて4番目の年齢(門脇真由美、猪頭香緒里、岡村育子)だが、まだまだ元気いっぱい。

 

好調の秘密と競輪選手を目指したきっかけを語ってもらった。

 

ガールズ最年長・門脇真由美とのツーショット

 

 

幼少期は体が弱かった。

ぜんそくを治すために開始した水泳を高校3年まで続けた。

 

大東文化大に進学。

トライアスロンで活躍し、愛知県の企業にはトライアスロンで就職した。

 

海外の大会にも出場したが、世界の壁は厚かった。

日本選手権でも優勝することができず、トライアスロンへの熱は下がっていき、会社員として過ごしていた。

 

 

ガールズケイリンとの出会いはたまたま見かけたネット記事だった。

トライアスロンを中途半端な状態で辞めてしまい、悶々としていた日々に、ガールズケイリンの存在が輝いて見えた。

 

「挑戦する」と奮起し、1期生を適性で試験を受けると、1次は通過した。

しかし2次試験の当日にインフルエンザにかかってしまい、あえなく断念。

 

しかしガールズケイリンへの思いは日に日に強くなり、2期生も受験する気持ちで満々だった。

 

そんな中、思わぬところからストップがかかった。

両親はガールズケイリン選手になることを反対した。

30歳を過ぎての挑戦に心配をしたのだろう。

 

しかしガールズケイリンへの思いは両親に反対されても消えることはなかった。

2期は受験することができなかったが、3期での挑戦を決意。

 

「3期で絶対に合格する」と気合を入れ、仕事が休みの土日には名古屋、一宮の競輪場で愛好会の練習に参加し、合格へ向けて乗り込んだ。

後に同期となる長沢彩とはこのころからの付き合いだ。

 

3期生の試験はギリギリで合格だったと振り返る。

「3期は試験のときのタイム結果がわかったので、本当にギリギリだった。もし落ちていたら、自転車の練習と並行してやっていた柔道整復師になるつもりでした」

 

 

 

日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)での1年間は濃密だったと話す。

 

「高校を卒業したばかりの子から自分まで、いろんな年齢の集まりだったけど楽しかったですよ。

いまだから時効の話だけど、同期には助けられました。

練習で使うヘルメットを教室に持っていってはダメなのに、自分は持っていってしまった。

そしたら同期が「私たちも持っていきました」と一緒に怒られてくれた。

私はヘルメット事件の前に帰省から戻るときの遅刻もあり、イエローカードをもらっていた。

単独のヘルメット事件になっていたらレッドカードになり、最悪の場合、退学の可能性もあった。

それを同期みんなで助けてくれた。

本当に感謝しているし、最高の同期でした」

 

 

日本競輪学校を無事卒業し、いよいよプロデビュー。

デビュー戦は地元西武園で迎えた。

予選2走を2、2着でクリアし、いきなり決勝進出。

しかし結末は最悪だった。

 

残り1周半の打鐘過ぎに前を走っていた小林莉子に接触し、落車。

過失走行で失格の判定が下った。

 

「競輪学校では打鐘でみんな踏み込んでいたので、そのつもりでいた。

そしたら接触。

申し訳ない気持ちになったし、競輪学校とは違うということを身をもって痛感した。

現実は甘くなかったですね」

 

フジパン株式会社×日本薬科大学×ガールズケイリンがコラボした「スナックサンド」をほおばる高橋梨香、関口美穂、野本怜菜

 

スタートダッシュは失敗したが、その後はコンスタントに決勝進出を続けて、車券にも貢献する。

初優勝は時間の問題と思ったが、優勝への道のりは甘くなかった。

 

「優勝したい気持ちは常にあったけど、なかなか手が届かなかった。

どうしようといろいろ考えている時期に東京の田谷勇さんに筋トレを教えてもらうことがあり、田谷さんの経営するジムにお世話になるようになりました。

筋トレや自転車の練習もアドバイスをもらうようになり、初優勝(17年5月・いわき平)することができました」と振り返る。

 

 

デビューから2年で初優勝を決めると、同年11月に松山で2回目の優勝も達成した。

 

デビュー5年目の19年は年頭の岸和田で優勝すると、コンスタントに賞金を積み重ね、11月のグランプリトライアルでは決勝3着。

12月の川崎、小倉で優勝とキャリアハイの成績を残した。

 

「グランプリトライアルはもう一度出たいですね(18年、19年は連続出場)。

同期も多く参加するし、男子選手のGⅠの雰囲気もいい。

緊張もするけどピリピリした感じがよかった」

 

 

今年の目標は2年ぶり3回目のグランプリトライアル出場。

そのために1戦1戦の積み重ねが大事になることは本人もわかっている。

 

「競輪はスピードが速い選手だけが勝つわけじゃないと思っている。

位置取りは戦術でカバーできることもあると思う。

そのときに力を出し切れるように練習はやっている。

若い選手みたいに練習をすれば一気に強くなるわけじゃないのはわかっている。

自分は毎日変わらない練習をして調子の波を作らないようにしたい。

会社員の経験もあるからガールズケイリンの仕事はやりがいもあるし、楽しいけど、結果が出なければ辞めなきゃいけない場面もあるしシビアだと思う。

自分より年上の先輩もまだまだ頑張っているので、気持ちを切らさずやっていきたい」

 

 

安定した生活を捨てて、両親の反対も押し切って始めたガールズケイリン。

いろんな人との出会い、つながりをきっかけにして成長を続ける高橋梨香の挑戦はまだまだこれからだ!

 

愛猫・福来(フク)君(オス)とのツーショット

 

 

 

高橋梨香 Rika Takahashi

誕生日:1979年12月28日
期別:106期
身長:162.9cm
ホームバンク:西武園競輪場

 

 

松本直 Suguru Matsumoto

誕生日:1979年5月1日
所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)

 

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